日本産科婦人科学会(日産婦)は6日、体外受精させた受精卵の細胞の染色体数に異常がないかを調べる「着床前胚染色体異数性検査(PGTーA)」の対象を広げると発表した。従来は不妊治療を繰り返しても妊娠しない場合や流産の経験を持つ場合に限っていたが、女性が35歳以上の不妊症の夫婦にも広げる。妊娠率の向上や流産の予防につなげる。
6日、東京都内で開いた定例記者会見でPGTーAの細則を変更する方針を発表した。8日にホームページに掲載する。
従来の細則では不妊治療をしても妊娠しない夫婦や、流産を繰り返す夫婦などを検査対象としていたが、文言を追加する。女性の年齢については自然妊娠率が低下する35歳以上を「目安」とする。
日産婦の臨床倫理監理委員会委員長を務める三浦清徳・長崎大学教授は、「高年齢の不妊症の夫婦に検査を導入することで、妊娠率の向上や流産の予防につながる」と説明した。海外の研究などで科学的根拠が示されているほか、国内の医療関係者らからも対象の追加を求める声が上がっていたという。
PGTーAは体外受精させた受精卵の染色体数に異常がないかを調べる検査だ。染色体に異常がないものを子宮に戻す。流産リスクの低減や妊娠率の向上が期待される一方で、「命の選別」につながるという批判もある。
2025年9月7日(日)
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