若者を中心に市販薬の過剰摂取、オーバードーズが問題となる中、せき止めなどの2種類の成分について新たに販売が規制される見通しとなった。
販売が規制される見通しとなった成分は、せき止め作用のある「デキストロメトルファン」と、アレルギー症状を抑える「ジフェンヒドラミン」で、11日に開かれた厚生労働省の調査会で了承された。
乱用の恐れがあるとして規制の対象となっている医薬品には現在、6種類の成分が指定されているが、昨年度、厚労省の研究班が行った調査で、「デキストロメトルファン」と「ジフェンヒドラミン」も直ちに規制対象にするべきだという見解がまとめられていた。
若者を中心に広がるオーバードーズが問題となる中、乱用の恐れのある医薬品は、来年5
月から施行される改正医薬品医療機器法で、「指定乱用防止医薬品」として販売規制が強化される。
規制されるのは錠剤などの飲み薬が対象で、18歳未満の若者への販売は、多量の購入を防ぐため、薬剤師が購入者の氏名や年齢のほか、他の薬局で購入していないかどうかを確かめることが義務付けられるほか、5日から7日分以下の製品1箱までとされる見通しである。
厚労省は、今後、パブリックコメントを行った上で、今回の2種類の成分について規制の対象に正式に指定する方針である。
市販薬の乱用は、孤立やストレスから逃れる手段として若者を中心に広がっていて、身体への深刻な影響が懸念されている。厚労省の研究班の2024年度の調査では、過去1年間に市販薬を乱用した経験がある高校生は1・4%、中学生は1・8%と推計されている。
2025年11月12日(水)
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