2022/07/30

■東京都で3万3466人が新型コロナ感染 80歳代以上の12人が死亡

 東京都は30日、都内で新たに10歳未満から100歳以上の3万3466人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

 1週間前の土曜日に比べると768人増えました。前の週の同じ曜日を上回るのは11日連続で、土曜日の感染者数としては過去最多です。前週の同じ曜日(23日)と比べると768人多く、過去4番目の多さでした。30日までの7日間平均は3万1687・7人で、前の週の137・4%でした。

 新規感染者を年代別にみると、20歳代が6600人と最も多く、30歳代が5793人、40歳代が5754人と続きました。65歳以上の高齢者は3198人。

 ワクチンの接種状況別では、2回接種済みが2万874人、未接種は6137人でした。

 また、人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使っている重症の患者は、29日より2人減って24人でした。

 一方、都は、感染が確認された80歳代から100歳以上の男女合わせて12人が死亡したことを発表しました。

 東京都の累計の感染者数は213万5250人となり、累計の死者数は4661人になりました。


 2022年7月30日(土)

■アメリカのサル痘感染者、5000人突破 ニューヨーク州など緊急事態宣言

 アメリカで天然痘と似た症状の感染症「サル痘」の感染が急拡大しています。累計の感染者数は29日時点で5000人を突破し、スペインを上回り世界最多となりました。直近1カ月で15倍に増えました。東部ニューヨーク州などは感染者の急増を受けて緊急事態宣言を出し、ワクチンの接種など感染防止対策を急いでいます。

 アメリカ疾病対策センター(CDC)によると、29日時点の感染者数は5189人になりました。全米50州で最も多いのはニューヨーク州で1345人、次いで西部カリフォルニア州が799人でした。

 サル痘は5月以降、欧米を中心に感染が広がっています。CDCは世界の感染者数は29日時点で2万2000人超と集計しており、このうちアメリカが2割あまりを占める計算です。感染者の大半は軽症で、男性間の性交渉を通じて感染する人が多いものの、アメリカでは子供の感染者も確認されています。

 ニューヨーク州とカリフォルニア州サンフランシスコ市は28日、緊急事態宣言を出しました。緊急事態宣言によって感染防止対策により多く柔軟に予算が使えるようになるといいます。

 サンフランシスコ市では感染者が305人となりました。19日には連邦政府から約4000回分のワクチンを受け取ったものの、少なくとも3万5000回分が必要と見積もっています。緊急事態宣言には、連邦政府からより多くワクチンを受け取る狙いもあります。

 中西部イリノイ州シカゴ市やニューヨーク市などでは優先順位を設け、不足するワクチンの配分を工夫しています。例えば、シカゴ市では男性と性交渉を持つ男性や14日以内に金銭を目的に性交渉した人などに優先して接種を進めています。

 アメリカ保健福祉省は28日、78万回分のワクチンを現在の感染状況や今後の予測に応じて各州に追加配布すると発表。CDCのロシェル・ワレンスキー所長は、「流行を止めるために最も必要としている人々により多くのワクチンを提供する」と説明しています。


 2022年7月30日(土)

■北朝鮮、発熱者ゼロと発表 感染警戒は継続

 北朝鮮の朝鮮中央通信は30日、国内で29日午後6時までの24時間に新たに確認された発熱者は「ゼロ」だったと伝えました。北朝鮮当局は、5月12日に新型コロナウイルス感染が国内で確認されたと発表し、13日から1日ごとの感染が疑われる新規の発熱者数を発表してきましたが、今回初めてゼロだったとしました。

 当局は、感染確認と同時に始めた「最大非常防疫体系」を維持しています。オミクロン型の派生型の感染が周辺国で拡大しており、国内に流入する可能性があるとみて警戒態勢を続けています。

 韓国の非政府組織(NGO)によると、北朝鮮は体温が「37・0度」を超えると発熱と扱い隔離・治療対象にしています。人口2588万人の北朝鮮でこの基準を上回る人が1人もいないとの説明には不審な点もあります。


 2022年7月30日(土)

■ブラジルで1人、スペインで2人のサル痘死者 アフリカ以外で初

 ブラジル保健省は29日、南東部ミナスジェライス州ベロオリゾンテでウイルス感染症「サル痘」にかかった男性が死亡したと明らかにしました。スペイン保健省も29日、国内で初めて死者が出たと発表し、30日には死者が2人になったと明らかにしました。今年のサル痘の感染拡大で、アフリカ以外で死亡例が確認されるのは初めてとみられます。

 ブラジルで死亡したのは41歳の男性。ブラジル保健省によると、男性はもともと悪性リンパ腫を患い、免疫不全を抱えていたといいます。ミナスジェライス州内の病院に入院しており、28日に亡くなりました。

 ミナスジェライス州保健省は、男性がサル痘以外の「深刻な症状のために病院で治療中だった」旨を発表。州保健長官は「住民にパニックが広がらないよう、重篤な併存症があったことを強調しておきたい」と述べ、男性ががんの治療中だったこと、サル痘の死亡率は「非常に低い」ことを付け加えました。

 ブラジル保健省によると、同国では南東部のサンパウロ州とリオデジャネイロ州を中心に、1066人のサル痘感染者が記録されています。

 一方、スペイン保健省は死者の情報を明らかにしていません。スペインは今回、最も被害が大きい国の1つで、保健緊急警報調整局によると、これまでに4298人のサル痘感染者が確認されています。

 世界保健機関(WHO)は27日、今年に入って78カ国で1万8000人以上の感染が報告されたと明らかにしました。アフリカでは5人の死亡が確認されていました。


 2022年7月30日(土) 

■サル痘に対する天然痘ワクチンの使用を了承 厚労省部会

 厚生労働省の専門部会は29日、天然痘ワクチンをサル痘の予防に使うことを了承しました。感染者と接触した人などに打ち、発症や重症化を防ぐ効果が期待されています。国内での感染者は28日までに2人確認されていて、感染拡大を防ぐための接種体制整備が急務となっています。

 厚労省は手続きを進め、近く正式に承認します。ワクチンはKMバイオロジクス(熊本市)が生産し、国がバイオテロ対策として一定量を備蓄しています。厚労省は確保量を明かしていないものの、サル痘対応の初動で必要な量は調達済みと説明しています。

 世界的な感染拡大を受け国内でも6月から、臨床研究の枠組みを使って天然痘ワクチンの接種が可能になりました。専門部会には、サル痘向けの用途を正式に薬事承認することが諮られ、臨床研究などのデータをもとに審議されました。承認により副作用の救済制度の対象になります。

 厚労省は接種の運用や対象範囲の検討を急ぎます。感染者と接触した人や接触する可能性のある医療従事者らには臨床研究の枠組みで打ちます。感染者との接触リスクが高い希望者への対象拡大は、8月以降に議論を進めます。ワクチンは一般に流通しておらず、当面は接種可能な施設は限られる見通し。

 天然痘ワクチンの予防接種は日本では1976年まで実施されていました。接種経験がある40歳代後半より上の人は、サル痘への免疫が残っている可能性もあります。

 サル痘はウイルスに感染して発症します。皮膚の病変や体液、血液を介した感染が中心で、現在は男性同士の性的接触による感染が多数を占めます。

 発熱や発疹、リンパ節のはれなどがみられ、ほとんどの人は数週間で自然に治ります。天然痘治療薬の投与も治療効果が期待されています。


 2022年7月30日(土)

■日本人の平均寿命、男女とも10年ぶりに前年下回る コロナ死者の増加が影響

 厚生労働省が29日に発表した簡易生命表によると、2021年の日本人の平均寿命は男性が81・47歳、女性が87・57歳でした。新型コロナウイルス流行の影響で、2020年と比べて男性は0・09歳、女性は0・14歳短くなりました。前年を下回るのは東日本大震災の影響があった2011年以来、10年ぶり。

 重症化しやすいデルタ型変異ウイルスの流行で、2021年の新型コロナによる死者は1万6771人に達しました。2020年の死者3466人から4・8倍に増えたことで、全体の平均寿命を押し下げました。

 死因別の分析では、新型コロナによる影響だけで男性は0・14歳、女性は0・09歳、平均寿命を短くする効果がありました。肺炎やがんは死亡率が下がり、平均寿命を伸ばす方向に働いたものの、新型コロナによるマイナスの影響のほうが大きくなりました。2020年の新型コロナの影響は男性で0・03歳、女性で0・02歳の短縮にとどまっていました。

 厚労省がまとめた2021年時点の男女別の平均寿命の世界ランキングによると、男性はスイス(81・6歳)が首位で、日本はノルウェー(81・59歳)に抜かれて2020年から順位を1つ落とし、3位でした。女性は日本が1位を維持し、韓国(86・5歳)、シンガポール(85・9歳)が続きました。

 新型コロナによる死者数増加は、米欧でも平均寿命に影響を与えたとの報告があります。アメリカ疾病対策センター(CDC)によると、アメリカの2020年の平均寿命は前年より1・8歳縮みました。

 平均寿命は1年間の死亡状況が今後変化しないとの前提で、その年に生まれた0歳児があと何年生きられるかの期間を指します。

 厚生労働省は、「前年を下回りはしたが、医療が進歩する中、塩分のとりすぎを控えるなど健康意識も浸透してきている。寿命の延びという大きなトレンドは今後も変わらないのではないか」としています。


 2022年7月30日(土)

🇩🇪ウェルシュ菌食中毒

高温でも死滅しないウェルシュ菌に汚染された食肉などで発症

ウェルシュ菌食中毒とは、高温でも死滅しないウェルシュ菌に汚染された食肉、魚介類、野菜や、これらを使用した煮物によって引き起こされる食中毒。

ウェルシュ菌は酸素を嫌う嫌気性菌で、土壌、水中などの自然界、人および動物の腸管などに広く分布し、牛、豚、鶏(にわとり)といった食肉、魚介類など食品原材料を比較的高率に汚染しています。健康な人の便からも検出され、その保菌率は食生活や生活環境によって異なります。年齢による差も認められ、青壮年よりも高齢者のほうが高い傾向があります。

この細菌は熱に強い芽胞を作るため、高温にも耐えて死滅せず、生き残ります。従って、食品を大釜(おおがま)などで大量に加熱調理すると、他の細菌が死滅しても、ウェルシュ菌の耐熱性の芽胞は生き残ります。数時間以上、加熱調理した食品を放置して温度が下がり、嫌気性菌のウェルシュ菌にとって好ましい酸素のない状態に食品の中心部がなると、芽胞が発芽して急速に増殖を始めます。

これを食べると、ウェルシュ菌が小腸内で増殖して、芽胞を形成する時にエンテロトキシンという毒素が産生され、その作用で下痢などの中毒症状を起こします。

発生の原因となる施設は他の食中毒と同様に、飲食店、仕出し屋、旅館などで、提供される複合食品によるものが多くみられます。学校などの集団給食施設によるケースも比較的多く、給食におけるカレー、シチュー、スープ、麺(めん)つゆなど、食べる日の前日に大量に加熱調理され、大きな器のまま室温で放冷されていた食品に多くみられます。

発症者数の多い大規模食中毒を起こすこと、逆に、家庭での発生は他の食中毒に比べて少ないことが特徴的です。

潜伏時間は約6~18時間で、ほとんどが12時間以内に発症します。最初は腹部の膨満感で始まり、腹痛、下痢が主な症状で、発熱、吐き気、嘔吐(おうと)はほとんどみられません。下痢は水様性で2〜6回程度みられるものの、粘血便がみられることはほとんどありません。きわめてまれには、粘血性の下痢を数10回起こす重症例もあります。

一般に、食中毒の症状としては軽いほうで、多くは24時間以内に回復します。

ウェルシュ菌食中毒の検査と診断と治療

ウェルシュ菌食中毒は細菌性食中毒の中でも軽症であり、特別な治療を行わなくても一両日中に回復しますが、粘血性の下痢を繰り返す症状がみられた場合は、医療機関を受診します。

医師による診断では、普通、症状だけで診断がつきます。食後12時間以内の急性の中毒症状がみられたり、同じ食品を食べた他の人にも同様の症状がみられたり、中毒症状の原因が1つの汚染源に絞れるような場合に、ウェルシュ菌食中毒が強く疑われます。診断を確定するには、糞便(ふんべん)や原因食品、または食品原材料から、同一の性状、同一の血清型を示す多数のウェルシュ菌を検出することが必要です。

重症例に対しては、整腸剤を投与したり、輸液によってブドウ糖液、リンゲル液などの電解質液、あるいは水を補充して症状の改善を待ちます。

ウェルシュ菌食中毒を予防するためには、以下のことを心掛けます。前日調理は避け、加熱調理をした食品は速やかに摂食します。一度に大量の食品を加熱調理した時は、菌の発育しやすい15〜50度の温度を長く保たないように注意します。やむをえず保存する時は、10度以下か50度以上で行います。さらに、保存していた食品を食べる時は、75度で15分以上の再加熱による温め直しをします。

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 救急車を呼ぶか迷った際に助言を受けられる茨城県の「救急電話相談」で、昨年12月と今年1月の2カ月間の相談は前年同期比約12%増の2万9170件に上り、過去最多となったことが11日、県への取材でわかりました。12月に始まった緊急性のない救急搬送患者から「選定療養費」を徴収する制...