重症化しやすいデルタ型変異ウイルスの流行で、2021年の新型コロナによる死者は1万6771人に達しました。2020年の死者3466人から4・8倍に増えたことで、全体の平均寿命を押し下げました。
死因別の分析では、新型コロナによる影響だけで男性は0・14歳、女性は0・09歳、平均寿命を短くする効果がありました。肺炎やがんは死亡率が下がり、平均寿命を伸ばす方向に働いたものの、新型コロナによるマイナスの影響のほうが大きくなりました。2020年の新型コロナの影響は男性で0・03歳、女性で0・02歳の短縮にとどまっていました。
厚労省がまとめた2021年時点の男女別の平均寿命の世界ランキングによると、男性はスイス(81・6歳)が首位で、日本はノルウェー(81・59歳)に抜かれて2020年から順位を1つ落とし、3位でした。女性は日本が1位を維持し、韓国(86・5歳)、シンガポール(85・9歳)が続きました。
新型コロナによる死者数増加は、米欧でも平均寿命に影響を与えたとの報告があります。アメリカ疾病対策センター(CDC)によると、アメリカの2020年の平均寿命は前年より1・8歳縮みました。
平均寿命は1年間の死亡状況が今後変化しないとの前提で、その年に生まれた0歳児があと何年生きられるかの期間を指します。
厚生労働省は、「前年を下回りはしたが、医療が進歩する中、塩分のとりすぎを控えるなど健康意識も浸透してきている。寿命の延びという大きなトレンドは今後も変わらないのではないか」としています。
2022年7月30日(土)
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