2022/08/04

🟥新型コロナ、全国の感染者が過去最多24万9830人 24道府県で最多

 3日は午後6時30分の時点で、東京都で3万8940人、大阪府で2万4038人、愛知県で1万7778人、神奈川県で1万5730人、埼玉県で1万3780人、福岡県で1万2812人、兵庫県で1万1201人、千葉県で1万345人など全47都道府県と空港検疫で、新たに24万9830人の新型コロナウイルスへの感染が発表されました。

 20万人を超えるのは3日ぶりで、7月28日の23万人超を上回って過去最多を更新しました。1週間前からは1万4000人余り増えました。北海道、愛知、京都、香川、熊本など24道府県では過去最多となっています。

 また、大阪府で26人、東京都で12人、神奈川県で12人、愛知県で10人、埼玉県で9人、福岡県で9人、兵庫県で7人、北海道で7人、千葉県で6人、静岡県で6人、岡山県で5人、三重県で4人、愛媛県で4人、沖縄県で4人、熊本県で4人、茨城県で4人、京都府で3人、岐阜県で3人、島根県で3人、広島県で3人、群馬県で3人、青森県で3人、香川県で3人、鹿児島県で3人、佐賀県で2人、大分県で2人、宮崎県で2人、栃木県で2人、長野県で2人、和歌山県で1人、宮城県で1人、山口県で1人、山梨県で1人、徳島県で1人、石川県で1人の、合わせて169人の死亡の発表がありました。

 国内で感染が確認された人は、空港検疫などを含め1339万5843人、クルーズ船の乗客・乗員が712人で、合わせて1339万6555人となっています。

 感染して亡くなった人は、国内で感染が確認された人が3万3019人、クルーズ船の乗船者が13人で、合わせて3万3032人です。

 厚生労働省によりますと、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や集中治療室などで治療を受けるなどしている重症者は、前日より14人増えて3日時点で478人となっています。

 一方、症状が改善して退院した人などは3日時点で、国内で感染が確認された人が1121万7611人、クルーズ船の乗客・乗員が659人の、合わせて1121万8270人となっています。

 大阪府は3日、新型コロナウイルスの新たな感染者を2万4038人確認したと発表しました。感染者数は前週同曜日(2万1857人)と比べ2181人増えました。府内の感染者の累計は142万7584人。

 新たに50~90歳代の男女26人の死亡が判明し、府内の累計死者数は5403人。

 3日時点の重症者は前日から3人増の63人で、重症病床(598床)の同日の実質使用率(重い持病などを抱える軽症・中等症患者らを含む)は21・2%。軽症・中等症病床には2733人が入院しており、軽症・中等症病床(4234床)の使用率は64・5%

 新規感染者のうち、感染者と同居して症状があり、PCR検査を受けずに医師の診断で陽性と判断された濃厚接触者は869人でした。自宅療養者は15万8572人。公費によるPCR検査などを3万9166件実施しました。

 2022年8月3日(水) 

2022/08/03

🟥東京都、3万8940人の新型コロナ感染者を確認 前週より9904人増加

 東京都は3日、都内で新たに10歳未満から100歳以上の3万8940人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

 1週間前の水曜日より9904人増え、前の週の同じ曜日を上回るのは3日前の7月31日以来となりました。1日に発表される感染者数としては過去2番目に多くなりました。3日までの7日間平均は3万3423・9人で、前の週の111・0%でした。

 新規感染者を年代別にみると、最多は40歳代の6979人で、20歳代の6679人、30歳代の6674人、50歳代の5400人と続きました。65歳以上は4105人でした。

 ワクチンの接種状況別では、2回接種済みが2万4818人、未接種は6951人でした。

 病床使用率は55・4%。また、都が緊急事態宣言の要請を判断する指標を30~40%としている重症者用病床使用率は29・5%。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者数は、前日より1人増えて35人となっている。

 一方、都は、感染が確認された20歳代と40歳代、50歳代、そして70歳代から100歳以上の、男女合わせて12人が死亡したことを発表しました。

 東京都の累計の感染者数は225万8473人となり、累計の死者数は4693人になりました。

 2022年8月3日(水)

💅カンジダ性爪囲爪炎

手の指の爪やその周囲に、真菌のカンジダが増殖して起こる皮膚病

カンジダ性爪囲爪炎(そういそうえん)とは、手の指の爪(つめ)やその周囲に、カンジダという真菌の一種が増殖して起こる皮膚病。

カンジダという真菌、いわゆるかびの一種は、もともと人間が持っている常在菌で、口腔(こうくう)や気管支、肺、腸管、膣(ちつ)内、皮膚などに常在して生息し、病原性が弱いため害を及ぼしません。しかし、疲労が重なったり、病気で体の免疫力が低下している時、あるいは妊娠している時、糖尿病にかかっている時などに、カンジダが増殖して病原性が現れると、さまざまな部位に炎症を引き起こします。

その一つが、爪や爪の周辺に起こるカンジダ性爪囲爪炎です。

ほとんどが手の指に起こり、中指、薬指に多くみられます。始めは、爪の基部が白く濁り、周囲の皮膚が赤くはれ上がり、押すと圧痛があります。悪化すると、爪と皮膚の間が化膿(かのう)して、うみが出たり、痛みが生じます。

非常に治りにくく、爪の根元に炎症が起こると、新しく生えた爪が変形して、爪の表面が凸凹し、横に筋(横溝)がみられたり、爪が褐色や灰色に変色することがあります。

これは、カンジダが爪の中にまで侵入していることはないものの、爪の表面に付着し、爪と皮膚の間で増殖しているためです。このカンジダ性爪囲爪炎は、カンジダ性指間びらん症と合併することもあり、指と指の間に紅斑が現れたり、ただれたりします。

カンジダ性爪囲爪炎は、指先が湿る水仕事の機会の多い中年女性や料理人、糖尿病などの人に起こりやすいものです。

カンジダ性爪囲爪炎に気付いたら、湿疹(しっしん)性の爪囲爪炎、細菌性の化膿性爪囲炎、ひょうそなどとの区別が必要です。皮膚科、ないし皮膚泌尿器科を受診することが勧められます。

カンジダ性爪囲爪炎の検査と診断と治療

皮膚科、ないし皮膚泌尿器科の医師による診断では、病変部の皮膚の表面をピンセットで軽く引っかき、採取した角質を顕微鏡で見る直接鏡検法KOH(苛性〔かせい〕カリ)法で真菌を検出することで、確定します。真菌の種類を特定するために、培養検査を行うこともあります。

皮膚科、ないし皮膚泌尿器科の医師による治療では、1日1回、抗外用真菌剤を塗布し、抗真菌剤の内服を行います。それと同時に、患部を濡らさないように水から避けて、手を乾燥した状態に保つことが大切です。指先の炎症が治まっても、爪が正常の状態に戻るにはさらに数カ月かかります。

また、化膿が強い場合は、切開排膿が必要となります。糖尿病性のものは、血糖コントロールの悪い時にできやすいので、食事や生活の改善が必要です。

予防法としては、カンジダ性爪囲爪炎は水仕事の機会の多い中年女性や調理人などがかかりやすく、特にささくれ、小さい傷がある時に真菌が入りやすくなりますので、指先に小さい傷がある時には、まめに消毒を行い、水などに指先をつける時には、手袋をして直接、触らないように注意する必要があります。

🇭🇳カンジダ膣炎

カンジダ腟(ちつ)炎とは、カンジダと呼ばれる真菌(かび)の一種の増殖によって起こるもので、激しいかゆみ、下り物の異常が特徴となる疾患です。別名、腟カンジダ症。

カンジダは本来、皮膚や口腔(こうくう)などに生息し、普通は害を及ぼしません。種々の原因でカンジダが増殖して、腟や外陰部に炎症を起こしたために症状が出た時、初めてカンジダ腟炎と見なされます。

症状としては、外陰部およびその周辺に激しいかゆみがあり、濃いクリーム状、または粉チーズのような下り物が増えてきます。なお、男性の場合の症状としては、かゆみと発疹(はっしん)などが出ることもありますが、無症状のことも多く見受けられます。

治療においては、腟内や外陰部の白色苔状(たいじょう)の下り物を十分ふき取った後、カンジダを殺す働きのある薬が入った腟坐薬(ざやく)を腟の奥のほうに挿入し、カンジダに効く軟こうを外陰部に擦り込みます。1週間から10日間、治療は毎日続けます。

多くは4、5日で症状がとれますが、自己判断で治療を中止すると再発しますので、根気よくきちんと治療を継続し、治療後の検査が欠かせません。特に、妊娠時には徹底的に治しておかないと、出産に際して、腟内のカンジダが新生児の口の中に感染し、口腔カンジダ症の原因となります。

カンジダの感染経路は、性交による場合や接触、入浴での家族内感染などがあります。また、再発を繰り返すことが、しばしばあります。その原因としては、治療の不徹底、男性の陰茎の冠状溝に移ったカンジダが性交により、再び女性のほうに移行するピンポン感染などが挙げられます。

完治するまで、性交時にはコンドームを使用すべきであり、男性がかゆみを訴えたら、カンジダ用の塗り薬で治療します。

🇧🇿間質性腎炎

腎臓の尿細管や、周囲の組織の間質に炎症が起こる疾患

間質性腎炎(かんしつせいじんえん)とは、腎臓の尿細管や、周囲の組織の間質に炎症を起こり、腎臓の機能が低下する疾患。尿細管間質性腎炎とも呼ばれます。

腎臓の尿細管は、尿を作るために血液を、ろ過する糸球体から排出された尿の中の水分や、電解質など体に必要な成分を再吸収して、血液中に戻し、不要な成分を尿として排出する役割をしています。腎臓の間質は、尿細管と尿細管の間にある組織です。その尿細管や間質に障害が起こる疾患が間質性腎炎で、糸球体に障害が起こる疾患と異なり、障害が起きても尿検査で異常が起こることがほとんどなく、腎機能障害で発見されることがほとんどです。

間質性腎炎には急性間質性腎炎と慢性間質性腎炎の別がありますが、原因や発症のメカニズムは不明なことも多く、蛋白(たんぱく)尿や血尿なども少なく、無症状のまま経過し、気が付いたら慢性腎不全ということも多いと考えられています。原因不明の腎臓機能障害の中で頻度は高く、注意が必要です。

急性間質性腎炎は、しばしば数日から数カ月で発症し、急激に腎臓の機能が低下していきます。ほとんどは、薬剤の副作用やアレルギー性の薬物反応、感染症が原因となって、急性間質性腎炎を発症します。

薬剤の副作用やアレルギー性の薬物反応としては、主に抗生物質(抗菌薬)、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs、エヌセイズ)、抗結核薬、抗てんかん薬、消化性潰瘍(かいよう)薬、痛風治療薬などの医薬品を服用した時に起こる場合があります。

また、全身性感染症や急性腎盂(じんう)腎炎などの感染症、膠原(こうげん)病の合併症として起こる場合や、ぶどう膜炎を伴う腎眼症候群として起こることもあります。

薬剤の副作用やアレルギー性の薬物反応としての発症は、原因と考えられる医薬品の服用後2週間以内に発症することが多いのですが、1カ月以上たってから起こることもあります。

症状としては、発熱、発疹(はっしん)、関節痛、吐き気、嘔吐(おうと)、下痢、腹痛など、一般的な風邪のような症状がみられます。進行すると腎臓の機能が低下して、尿量が減ったり、むくんだりします。さらに進んで症状が重くなると、急性腎不全を示すこともあり、人工透析療法が必要となることもあります。

慢性間質性腎炎は、病変が慢性に経過して尿細管の委縮や間質の線維化が進行し、次第に腎臓の機能が低下していきます。

その原因は、慢性腎盂腎炎による慢性感染症がほとんどです。また、鎮痛薬などの薬剤を長期間多量に服用していることが原因となって、発症することもあります。そのほか、サルコイドーシス、シェーグレン症候群、逆流または閉塞(へいそく)性尿路疾患、高カルシウム血症、低カリウム血症、高尿酸血症、虚血、重金属中毒、ある種の薬物(ハーブ)などが原因となって、発症することもあります。

慢性腎不全を示すまで見付からないことも多く、これは慢性間質性腎炎が潜行性であるためです。初期段階における腎臓の機能障害では、高カリウム血症や高クロール血症性アシドーシスが認められます。また、糸球体病変を合併する二次的な悪化例では、明らかな高血圧および蛋白尿が示されることもあります。

間質性腎炎の検査と診断と治療

泌尿器科、腎臓内科、内科の医師による急性間質性腎炎の診断では、血液検査で、腎臓の機能低下により尿中に排出されずに血液中に蓄積される血清クレアチニン値の上昇が認められ、アレルギー反応に関与するIgE(免疫グロブリンE)や、アレルギー反応による炎症の一因ともなる好酸球という白血球数が増加することもあります。

尿検査では、蛋白尿は軽度(1g/日以下)で、白血球尿が認められます。また、尿細管性蛋白尿(β2ミクログロブリン)や尿細管の酵素であるNAGの増加が認められます。確定診断には、腎臓の組織の一部を採取し、顕微鏡で調べる腎生検が必要です。

泌尿器科、腎臓内科、内科の医師による慢性間質性腎炎の診断では、血清クレアチニン値の上昇を認め、腎臓の機能の低下が比較的緩やかで、蛋白尿が顕著でない場合に疑われます。確定診断には、腎臓の組織の一部を採取し、顕微鏡で調べる腎生検が必要です。

泌尿器科、腎臓内科、内科の医師による急性間質性腎炎の治療では、原因となっている疾患の治療を行います。薬剤が原因となっている場合は、薬の投与を中止して腎臓の機能の回復を待ちます。早期では、薬の投与を中止すれば、特別な治療をしなくても多くは治ります。

アレルギー反応などの免疫が関与している場合は、炎症を抑えるためステロイド薬を短期間用いることもあります。病状が進行して急性腎不全となるような場合には、人工透析療法を一時的に導入することがあります。

泌尿器科、腎臓内科、内科の医師による慢性間質性腎炎の治療では、原因となっている疾患の治療を行います。進行性の腎臓機能障害がある場合は、慢性腎臓病に対する治療を行います。間質の線維化が進行した場合は、数カ月から数年以上にわたって、ゆっくりと腎不全が進行します。

🇲🇽間質性肺炎(肺線維症)

肺胞の回りの壁の部分に炎症が起こる疾患

間質性肺炎とは、肺胞と肺胞の間にある壁で、肺胞上皮細胞、肺毛細血管、結合組織などからなる間質に炎症が起こる疾患。進行して炎症組織が線維化すると、肺線維症と呼ばれます。

人間は、肺で呼吸をしています。肺全体は非常に目の細かいスポンジのような構造をしており、空気を吸えば膨らみ、空気を吐けば縮むという動きをスムーズに行っています。吸い込まれた空気は、気管支の末端の直径数ミクロン(1ミクロンは1000分の1ミリ) の肺胞まで入ります。この肺胞の回りの壁の部分が間質であり、非常に 薄くて、中には毛細血管が網の目のように張り巡らされていて、ここから酸素が吸収されます。酸素を吸収した 血液は心臓へと戻り、そこから全身に供給されてゆきます。

この肺胞の壁である間質に炎症が起きる疾患は、総称して間質性肺疾患と呼ばれ、正常な組織がコラーゲン線維などに置き換わる線維化を起こしやすい疾患は特に、間質性肺炎とまとめて呼ばれています。通常、肺炎といった場合には、細菌やウイルスの感染によって肺胞内もしくは気管支に起こる炎症を指し、間質性肺炎の場合とは異なった症状、経過を示します。

間質性肺炎の炎症が進むと、肺胞壁が厚くなり、肺胞の形も不規則になって、肺全体が少し硬くなります。その結果、肺の膨らみが悪くなり肺活量が落ちると同時に、酸素の吸収効率も悪くなってゆき、息苦しくなったり、せきが出ます。さらに進行すると、 肺は線維性成分の固まりとなり、この部分での肺としての機能が失われます。

もちろん、その状態まで進むのは肺の一部であり、残りの部分で十分に呼吸を続けることが可能です。間質性肺炎の種類によっては、線維化の状態まで進まないタイプのものもあります。

間質性肺炎には、原因が不明なものと、原因が明らかなものとがあります。

原因が不明なものは、特発性間質性肺炎と呼ばれ、国が難病として研究、調査の対象に指定した118の特定疾患の中の1つになっています。発病率は一般的に10万人に5人程度といわれ、 詳しいメカニズムはわかっていません。

特発性間質性肺炎は、現在のところ7つの異なった病理組織像(顕微鏡検査での型)に分類されますが、急性、亜急性、あるいは慢性経過に分けることができます。中で最も頻度が高いのは特発性肺線維症と呼ばれるもので、50歳以上に発症することが多く、肺機能は次第に低下して、呼吸困難が強くなり、酸素療法が必要になる場合があります。

原因が明らかなものは、有害物質の吸入による過敏性肺炎、放射線による放射線肺炎、中毒や薬剤による肺炎、ウイルスや原虫感染による肺炎によって、間質性肺炎が引き起こされます。また、肺サルコイドーシス、膠原(こうげん)病の一症状として、間質性肺炎が出現することもあります。

症状としては、たんを伴わないせきが出ます。ただし、気道感染が起こっている時は、たんも出ます。また、階段を上った時などに息切れします。進行すると、安静にしていても呼吸が苦しく、動悸(どうき)も激しくなります。さらに進んで心臓に影響を及ぼすと肺性心となり、チアノーゼやむくみがみられるようになります。

徐々に疾患が進行して慢性化することもあります。

間質性肺炎の検査と診断と治療

呼吸器障害の症状が現れた場合には、一般に内科、もしくは呼吸器内科を受診します。間質性肺炎には原因が不明なもの、原因が明らかなものと多くの疾患が含まれていますので、受診した医師に専門医を受診する必要があるかどうかを相談します。

医師による間質性肺炎自体の診断は、胸部X線検査やCT検査(コンピューター断層撮影)により左右の肺に広く影が出現し、進行すると線維化を反映して蜂巣(ほうそう)状を呈するすることで、比較的すぐにわかります。しかし、原因を調べるために気管支内視鏡による組織の採取や肺機能検査、血液検査など、さまざまな検査が行われます。

急性の間質性肺炎では、大量のステロイド剤を投与するパルス療法が行われることがあります。しかし、慢性の間質性肺炎では、一般的には薬物治療では効果が得られないことが多いといえます。

治療には、入院加療が必要なこともありますが、慢性化して疾患が危険な状態に進行する恐れがなければ、通院治療も可能です。呼吸困難がある場合も、疾患が慢性期になっていれば、在宅酸素療法によって自宅療養が可能なこともあります。進行して二酸化炭素排出も不十分となった場合には、酸素投与のみでは炭酸ガスナルコーシスを引き起こしかねないため、人工呼吸器を導入せざるを得なくなります。

特定疾患に指定されている特発性間質性肺炎を治癒させる方法は、今のところありません。進行をできるだけ遅くするようにしたり、症状をできるだけ少なくする治療が中心になります。呼吸状態が悪くなく、安定していれば、原則的には無治療で様子をみることが多いのが現状です。

進行する場合は、ステロイド剤と免疫抑制剤の使用を考慮されることがあります。2008年に、肺機能の悪化を抑制するピルフェニドン(商品名ピレスパ)という新しい薬(抗線維化薬)が発売され、その効果が期待されています。

タイプにもよりますが、進行性で治療に抵抗を示すものでは数週間で死に至るものの、慢性的に進行した場合は10年以上生存することも多くみられます。肺移植が行われることもあります。

🇨🇦間質性膀胱炎

膀胱粘膜と筋層の間にある間質が慢性的に炎症を起こす膀胱炎

間質性膀胱(ぼうこう)炎とは、膀胱壁の粘膜の下にある間質と呼ばれる粘膜下層に、慢性的な炎症が起こる膀胱炎。慢性膀胱炎の一種で、膀胱炎の中でも症状が重く、女性に多くみられます。

この間質性膀胱炎は、尿や細菌から膀胱壁の粘膜を守っている物質がはがれるために、間質が炎症を起こし、膀胱の筋肉が委縮します。そのため、膀胱が膨らまず、正常時の半分以下の量の尿しかためることができません。また、尿が膀胱にたまってくると炎症があるため、痛みを感じたり、圧迫感や違和感を感じたりします。尿を出すと症状が和らぐので、自然とトイレが近くなります。1回の尿量はわずか50ミリリットルで、20回以上トイレに行く場合もあります。

昼夜を問わず尿の回数が多い頻尿、急に尿意が起こり我慢できない尿意切迫感、膀胱の痛みなど、主な症状は細菌性の膀胱炎とよく似ていますが、急性単純性膀胱炎や慢性複雑性膀胱炎は、細菌感染が原因の膀胱炎のため、抗生物質や抗菌剤の処方で症状は改善されます。しかし、間質性膀胱炎では、尿検査をしても細菌は見られないため、抗生物質や抗菌剤を服用しても効果はありません。

だからといって、ストレスなどの精神的なものが原因というわけではなく、今のところ、間質に炎症が起こるはっきりとした原因はわかっていません。

医療機関を受診すると、急性膀胱炎の症状があるので、抗生物質を処方されたり、尿検査では細菌が見られないので、精神的なものからくる膀胱炎と診断されることが多く、間質性膀胱炎と診断されるまで、長い時間がかかってしまうことも、この疾患の特徴といえます。

間質性膀胱炎と同様に頻尿が主な症状で、急に尿意を催す過活動膀胱(OAB)もあるので、見分けるためにも泌尿器科の受診が勧められます。

医師による診断では、麻酔をして膀胱に生理食塩水を入れて拡張させ、内部を膀胱鏡で見ます。膀胱鏡検査は治療も兼ねていて、膀胱が膨らむことによって頻尿の症状が改善する人もいます。この時、膀胱に潰瘍(かいよう)が見付かった場合は、レーザーで焼き、神経が過敏になっている部分をなくします。

薬物療法として、痛みの緩和のために抗うつ薬、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤などが使われることもあります。抗凝固剤や局所麻酔薬を膀胱内に注入する膀胱内注入療法が行われることもあります。

他の治療法ではなかなか効果が上がらず、症状が強い場合には、腸管を用いて膀胱を大きくしたり、膀胱そのものを摘出したりする手術を行われることもあります。

治療後は、暮らしの中での心掛けも大切。一つは膀胱にしっかり尿をためてから出す膀胱訓練で、トイレに行きたいと思っても5分、10分我慢するようにして、膀胱がしっかり膨らむ力をつけます。

もう一つは、尿そのものの刺激が強くならないように食事に気を配ることで、柑橘(かんきつ)類や、わさび、とうがらし、こしょう、カフェイン、アルコールを控えて水分を多めに取り、尿を薄めるようにします。トイレが近いからといって水分を控えると、尿の濃度が濃くなってしまい、刺激が強くなるので逆効果。

さらに、ストレスは症状を悪化させる原因にもなりますので、規則正しい生活、軽い運動などリラックスできる環境を整えることです。

🟥COP30、合意文書採択し閉幕 脱化石燃料の工程表は見送り

 ブラジル北部ベレンで開かれた国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)は22日、温室効果ガス排出削減の加速を促す新たな対策などを盛り込んだ合意文書を採択し、閉幕した。争点となっていた「化石燃料からの脱却」の実現に向けたロードマップ(工程表)策定に関する直接的な記述...