2022/08/09

🟥オミクロン型対応のワクチン接種、10月中旬以降に開始へ 厚労省

 厚生労働省は新型コロナウイルスのオミクロン型に対応したワクチンの接種を、2回目までのワクチン接種を終えたすべての人を対象に、10月中旬以降に開始する方針を決めました。

 厚生労働省は8日、専門家で作る分科会を開き、現在、国内で流行しているオミクロン型に対応したワクチンの接種について審議しました。

 その結果、高齢者の重症化を防ぐとともに若い世代も含め社会全体の免疫を上げるため、接種の対象を2回目までの接種を終えたすべての人として10月中旬以降に開始する方針を決めました。

 新しいワクチンは、今年初めごろに広がったオミクロン型の1つ「BA・1」と、従来の新型コロナウイルスの2種類に対応する「2価ワクチン」と呼ばれるものです。

 現在、国内で流行しているオミクロン型の1つ「BA・5」に対しても、ウイルスの働きを抑える中和抗体の値が上昇すると見込まれています。

 使用を想定しているのはファイザーとモデルナが開発中のワクチンで、薬事承認されれば9月中にも輸入し、自治体への配送を開始する見通しで、費用は公費で負担します。

 ただ、前回の接種とどの程度の間隔を空けるのかは明らかになっていないため、分科会では専門家から「オミクロン型に対応するワクチンを打つために10月まで接種を控える動きが広がる懸念がある」や「重症化を防ぐため、対象者で接種がまだの人は速やかに4回目の接種を受けてほしい」などの意見が出されていました。

 また、分科会では60歳以上の人などを対象に進められている4回目接種について対象を拡大するかについても議論が行われましたが、現段階では拡大せずに検討を続けることになりました。

 2022年8月9日(火)

🟥ファイザー、厚労省にオミクロン型対応ワクチンの承認申請

 アメリカの製薬大手ファイザーの日本法人は8日、ドイツのビオンテックと開発するオミクロン型対応の新型コロナウイルスワクチンについて、厚生労働省に承認申請したと発表しました。対象は12歳以上で、オミクロン型対応のワクチンの承認申請は国内では初めてです。

 ファイザーの日本法人の発表によりますと、厚生労働省に8日、承認申請したのはオミクロン型のうち、今年初めごろに広がった「BA・1」と、従来の新型コロナウイルスの2種類に対応する「2価ワクチン」というタイプのワクチンで、対象年齢は12歳以上としています。

 それぞれのウイルスに対応する、人工的に作った遺伝物質の「メッセンジャーRNA(mRNA)」が含まれ、体内で新型コロナウイルスの表面にある突起「スパイクタンパク質」を作り出すことで、免疫の働きを呼び起こします。

 今年6月、ファイザーは、56歳以上の1200人余りが参加した臨床試験で、この2価ワクチンを接種した場合、従来型のワクチンを接種した場合と比べて「BA・1」に対応するウイルスの働きを抑える中和抗体の値が、大幅に上昇したと発表しています。

 この2価ワクチンについて、ファイザーは7月、欧州医薬品庁(EMA)に対し、承認申請を行っています。

 アメリカのモデルナの日本法人も、オミクロン型対応の2価ワクチンを週内にも厚労省に申請する見込みです。

 2022年8月9日(火)

🇬🇦単性緑内障

眼圧が徐々に上昇して、視神経が侵される緑内障

単性緑内障とは、 原因が不明な原発性緑内障のうち、眼圧上昇が徐々に起こる疾患。開放隅角緑内障、原発開放隅角緑内障とも呼ばれます。

緑内障とは、一般に眼圧が高くなることによって視神経が侵され、視野が狭くなったり欠けたりする疾患です。しかし、眼圧が正常値範囲内でも正常眼圧緑内障が起こる場合がありますので、注意が必要です。また、先天性のものや目のほかの疾患、外傷が誘因で起こるものなど、さまざまなタイプがあり、原因がはっきりわかっていないものもあります。

原因が不明なものを原発性緑内障といい、これに対して目のほかの疾患が誘因となって起こるものを続発性緑内障といいます。原発性緑内障には、先天性緑内障(牛眼)、この眼圧上昇が徐々に起こる単性緑内障(開放隅角緑内障)、眼圧上昇が急激に起こる炎性緑内障(閉塞隅角緑内障)があります。さらに、炎性緑内障はその起こり方が急であるかどうかで、急性と慢性の区別があります。

緑内障が進行し、炎症性の所見がみられないで、眼圧が高いまま視力もなくなり、種々の合併症を起こしている末期のものを絶対緑内障といいます。

単性緑内障の場合は、神経や血管の影響で、前房隅角部の房水が流出を阻害されて起こるものと考えられていますが、詳しいことはまだわかっていません。

眼球には、角膜や強膜でできた壁の内側に、眼内液である房水が入っていて、その壁の弾力と房水の充満状態によって、一定の硬さを保っています。この硬さが眼圧であり、正常眼圧は平均15mmHgと外気圧より高いことで、眼球の形を保っています。眼内を満たす房水は主に毛様体で作られて後房に分泌され、前房へ流れて水晶体や角膜に酸素や栄養を与え、前房隅角より出て静脈に戻ります。

ほとんどの緑内障は、前房隅角に問題があり、房水が流出しにくくなって眼圧が上昇します。この単性緑内障では、前房隅角は広く開いているものの、それより先の部分の排水路である線維柱帯が目詰まりしているために、房水が流出しにくくなって眼圧が上昇します。線維柱帯が目詰まりする原因としては、コラーゲンや異常な蛋白(たんぱく)質の蓄積、線維柱帯を構成している細胞の減少などがいわれています。

単性緑内障の症状としては、軽い頭重感、頭痛、霧がかかって見える霧視、電灯の周囲に虹が見える虹視(こうし)が、特に夜間、または睡眠不足や心身の疲労時に起こります。このような症状が反復して起こり、徐々に進行していきます。

一方、自覚症状なしに慢性に経過し、やがて高度の視野狭窄(きょうさく)が起こって、初めてこの疾患であることがわかることもあります。

初期には視力はあまり侵されませんが、放置しておくと視神経も侵されて鼻側の視野が欠け、次第に視力も衰えて、ついには失明します。

なるべく早期に発見して、視神経の病変の始まる前に適切な治療を受けることが必要です。自覚症状があれば、眼科医の診察を受け、早期の治療で進行を食い止めます。

単性緑内障では、眼圧検査で22mmHgを超えることがあること、視神経乳頭の検査で緑内障性の視神経乳頭の障害を認めること、視野検査で視野欠損を認めること、隅角検査で開放隅角であること、原因となるようなそのほかの目や全身の病気がないことが、診断基準になります。

治療では、まず薬物による眼圧下降が選択されます。点眼治療から開始し、効果が不十分な場合は内服薬、レーザー治療、手術と順次疾患の進行によって選択されます。点眼薬はまず1剤から開始し、眼圧下降の効果をみながら追加していき、次いで、炭素脱水酵素阻害剤を内服するようにします。

薬物、レーザー治療、手術治療を問わず、眼圧を10〜12mmHg程度にコントロールすることが、視野異常の進行を止めるのに効果的だとされています。

単性緑内障は、慢性の進行性の疾患ですので、長期に渡って定期的な眼科受診が必要です。薬による治療はきちんと続ける必要がありますが、必要以上に気にしないことも大切。特に生活上の規制は必要ありません。

🇬🇦男性仮性半陰陽

染色体による性別は男性なのに、外性器が女性化する先天性異常

男性仮性半陰陽(はんいんよう)とは、 染色体による性は男性なのに、女性のような外性器を有する先天性異常。半陰陽の一種、また仮性半陰陽の一種です。

両側の性腺(せいせん)は男性の精巣(睾丸〔こうがん〕)で、外性器は完全な女性型を示すものから、ほぼ男性型を示すものまでいろいろあります。

この男性仮性半陰陽の発生の原因はさまざまですが、少なくともテストステロン、デヒドロテストステロン、アンドロステロンなどの男性ホルモン(アンドロゲン)が関係しており、男性ホルモン生合成障害を来す疾患や男性ホルモンを活性化する酵素の欠損症などが原因になります。胎児における外性器の分化、発生は、染色体や遺伝子ではなく男性ホルモンの働きに基づき、これが働くことで外性器は男性化を起こし、働かなければ未分化、すなわち女性的な外性器の状態を示します。

その根本的な原因により、二次性徴の現れ方もさまざまです。性腺である精巣の働きが正常で、遺伝子的な異常のない単純な外性器の発達不全の場合には、二次性徴期に男性ホルモンが通常通りに分泌され、外性器の外見とは逆の本来の二次性徴が発現すると見なされ、この肉体的変化で男性仮性半陰陽に気付くことが多くなります。女性として育てられ、思春期になるころに元々は男性であるということが診断されるので、その後の精神的なサポートも重要です。

また、男性仮性半陰陽の中で、男性ホルモン生合成障害で精巣が女性ホルモンのみを分泌する場合には、女性としては十分とはいえないまでも乳房の発達が起こり、陰毛などが発生しないとも見なされます。本人もそれと知らずに結婚し、一生を女性として過ごすこともあります。ただし、膣(ちつ)はあるものの子宮が痕跡(こんせき)を残すのみで、少なくとも機能しないために自然な妊娠はできません。不妊治療の過程で自分が男性仮性半陰陽であることを知り、精神的な打撃を受けることもあります。

男性仮性半陰陽の発生の原因となる疾患の1つには、精巣性女性化症候群(アンドロゲン不応症)があります。この疾患では、精巣からテストステロンが分泌されていますが、体の中の細胞の表面にあるアンドロゲン(男性ホルモン)受容体という、ホルモンの受け皿のような構造に遺伝子異常があるため、男性ホルモンがうまく作用しません。その結果、外性器になる組織が男性型へ発達することができなくなります。

精巣性女性化症候群の完全な型では、外性器は女性型で、端がふさがっている腟があって子宮、卵巣はなく、内性器は男性型です。二次性徴は女性化乳房などがみられる女性型を示しますが、月経はありません。停留精巣、鼠径(そけい)ヘルニア、尿道下裂の合併も多い傾向も示します。精巣性女性化症候群の不完全な型では、外性器が男女中間型を示します。

出生時に医師や看護師によって、男性仮性半陰陽が発見することが望ましいのですが、思春期や成人後に発見されることもあります。思春期になって女の子のはずなのに初経(初潮)がなかったりした場合には、できるだけ早く小児科、あるいは内科、内分泌代謝内科などの専門医の診断を受けるようにします。

男性仮性半陰陽の検査と診断と治療

小児科、内科、内分泌代謝内科の医師による男性仮性半陰陽の診断では、染色体分析検査、性ホルモンの測定、アンドロゲン受容体の検査、超音波検査、X線造影検査、CTやMRI検査による内性器の存在確認を行います。

男性仮性半陰陽の治療では、戸籍上の性として育てていく性を決めることが最も大事です。一般的には、染色体や精巣によって将来の性を決めるより、現在の外性器の状態、将来の生活、本人の希望や心理状態をも考慮して、男性か女性かを決めます。

選択した性に合わせて、男性として生きていく決定をした場合には陰茎形成術を、女性として生きていく決定をした場合には腟形成術を行い、性腺である精巣の摘出も行います。また、選択した性に応じた性ホルモンの補充療法も必要に応じて行います。

🇨🇬足底疣贅

ウイルスの感染によって、足の裏にできるいぼ

足底疣贅(そくていゆうぜい)とは、ウイルスの感染によって、足の裏にできるいぼ。手足や顔にできるいぼである尋常性疣贅が足の裏にできた場合に、特に足底疣贅と呼ばれます。

通常、米粒大から小豆大の大きさで、足の裏の皮膚面からやや盛り上がり、表面が粗くて白っぽい色をした硬い部分ができます。しばしば多発して集まり、敷石状になります。これをモザイク疣贅と呼ぶこともあります。

足底は体重が掛かって、いぼがめり込んでしまうため、歩く時に不快を感じたり、小石を踏んでいるように痛むことがあります。

主にヒト乳頭腫(しゅ)ウイルス(ヒトパピローマウイルス)の皮膚感染が原因で、学童期の小児に多く発症し、素足になる学校のプールサイドや脱衣所の床などで接触感染するとみられます。

この足底疣贅は、しばしば魚(うお)の目(鶏眼)や、たこ(べんち)と間違われます。魚の目、たこは靴などによる長期間の摩擦や圧迫が原因ですが、足底疣贅はウイルス感染症ですから、放置しておくとほかの部位に移ります。針でほじくったり、市販の薬で取ろうとしたりすると、いぼがほかの部位により広がることになります。

ちなみに、子供には魚の目、たこは、まずできません。魚の目、たこは、加重による皮膚の角化で、一種の老化現象として大人にできるものです。

素人判断は禁物で、まず皮膚科、皮膚泌尿器科の医師を受診し、適切な治療を受けるべきです。

足底疣贅の検査と診断と治療

皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による診断では、足底疣贅の表面を薄く切り取ると点状に出血することで、魚の目、たこと鑑別します。

皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による治療では、いぼを凍結して取る凍結療法や、電気焼灼(しょうしゃく)が一般的に行われます。

凍結療法は、液体窒素でいぼの凍結、融解を繰り返す方法です。いぼの部分を超低温で瞬間的に凍結させ、部分的にやけどの状態を起こすことで、皮膚内部のいぼの芯(しん)を表面に押し上げ、徐々にいぼを縮小させます。1~2週間に1回の通院で治療を行いますが、効果に個人差があるため、1回で治ってしまうこともあれば、数週から2カ月以上と長い日数が必要とされることもあります。欠点は、処置そのものに痛みを伴うことです。

電気焼灼は、レーザーメスや電気メスでいぼを焼く方法です。液体窒素による凍結療法と違って一度で治るものの、麻酔が必須です。凍結療法などと異なり、保険適応外でもあります。

一部の医療機関では、凍結療法で治りにくいケースや痛みに耐えられないケースで、DNCB(2.4-ジニトロクロロベンゼン)という薬を塗布していぼを取る治療法を行っています。DNCBは本来、かぶれの状態を見る検査薬で、これを治療に応用し、いぼをかぶれた状態にして取ります。多少かゆみを伴ったり、じくじくした状態になったりすることがありますが、痛みはありません。塗布を2カ月続けると、約70パーセントが治癒するとされます。

ほかにも、抗生物質のブレオマイシンの局所注射、ウイルス消毒薬の使用、漢方薬ヨクイニン(ハトムギ種子抽出物)の内服、免疫療法などいろいろの治療法があります。

いずれにせよ、足底疣贅は簡単には治らないので、根気よく治療を続けることが大切。家族の1人にできると、家族全員に感染する可能性もあり、全員が皮膚科、皮膚泌尿器科を受診し、感染の有無を調べてもらうほうがよいとされます。

🇨🇬側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎)

首や頭に向かう動脈に炎症が起こる疾患

側頭(そくとう)動脈炎とは、頸(けい)動脈とその分枝の動脈、特に側頭動脈に炎症が起こる血管炎。疾患で障害された血管に、巨細胞という特徴ある細胞が認められることから、巨細胞性動脈炎とも呼ばれます。

高齢者にみられ、50歳以上で発症し60〜70歳代にピークがあります。日本では比較的まれな疾患で、欧米の白人に多いことが知られています。

側頭部の皮下を走っている側頭動脈などに炎症が起こる原因は、まだわかっていません。遺伝病ではありません。特定疾患(難病)の1つに指定されていますが、発症者への医療費給付は行われていません。

片側または両側の側頭部に、脈拍に合わせたズキズキする頭痛を自覚するようになり、こめかみの血管がはれて痛みます。場合によっては、食事をする時に、あごの関節や舌、口の回りに痛みが起ることがあります。それらの部位に行く動脈の流れが悪くなったためで、夜間に悪化しやすいことが知られています。典型的な場合には、側頭部に発赤を認め、ヒモのように細長い形態に肥厚した側頭動脈が触れます。

また、発症者の半数に、全身の筋肉痛や朝のこわばりなど、リウマチ性多発筋痛症に似た症状がみられます。側頭動脈炎とリウマチ性多発筋痛症の両者は、極めて近似した疾患と考えられています。

そのほか、発熱や倦怠(けんたい)感、食欲不振などの全身症状もあります。目の血管に炎症が及ぶと、視力障害を起こし、時に失明することさえあります。大動脈にも障害が起こることがあり、間欠性跛行(はこう)、解離性大動脈瘤(りゅう)などをみることがあります。

側頭動脈炎の検査と診断と治療

強い頭痛を感じたら、早めに神経内科あるいは脳外科の専門医の診察を受け、診断を確実にして、早期から適切な治療を受けるようにします。

血液検査では、血沈が著しく高進していることが多くみられます。血管撮影では、頸動脈系に狭窄(きょうさく)、閉鎖などを認めます。 診断を確実にするには、側頭動脈の組織を取って調べる生検により、巨細胞を含む肉芽腫(にくげしゅ)を認めることが必要になります。

治療には、副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド剤)が用いられます。このステロイド療法により、視力障害までの進行が予防できます。失明の恐れがある場合には、大量の薬剤による治療が必要となります。その後、薬剤を次第に減らしていきます。

ステロイド療法で十分に血管の炎症が抑えられない場合や、薬剤の漸減に伴って血管の炎症が再燃する場合には、免疫抑制剤を併用することがあります。一般に予後は良好ですが、治療を開始した時期、病状の広がりによって、その経過はさまざまです。

🇧🇮続発性アルドステロン症

ほかの臓器の疾患などの原因により、副腎皮質からアルドステロンが過剰に分泌されて起こる疾患

続発性アルドステロン症とは、ほかの臓器の疾患など何かしらの原因により副腎(ふくじん)皮質が刺激を受けることで、副腎皮質ホルモンの一つであるアルドステロン(鉱質コルチコイド)が過剰に分泌される疾患。二次性アルドステロン症とも呼ばれます。

アルドステロンの分泌は、レニンーアンジオテンシンーアルドステロン系という血圧や体液量の調節にかかわるホルモン系のコントロールを受けているため、続発性アルドステロン症の大半はレニンーアンジオテンシンーアルドステロン系の刺激が高進することに起因します。

エストロゲン製剤(卵胞ホルモン製剤)、経口避妊薬に起因する高血圧や、腎血管性高血圧(腎動脈狭窄<きょうさく>症)、妊娠高血圧、悪性高血圧、褐色細胞腫、傍糸球体細胞腫(しゅ)など高血圧の疾患から発生するもののほか、うっ血性心不全、偽性低アルドステロン症、腹水を随伴させた肝硬変、下剤および利尿薬などの不適切な利用、ネフローゼ症候群、バーター症候群、ギッテルマン症候群といった高血圧以外の疾患から発生するものがあります。

レニンーアンジオテンシンーアルドステロン系を除いたものでは、血液中のカリウム濃度が異常に上昇した高カリウム血症によって引き起こされる傾向にあります。

続発性アルドステロン症で主に現れる症状は、浮腫(ふしゅ、むくみ)、下肢脱力、筋力低下であり、これらは血液中のカリウムが減る低カリウム血症を基礎にして生じ、どの続発性アルドステロン症にも同じく現れます。

また、続発性アルドステロン症を招いている元となる疾患の症状も示されます。例えば、腎血管性高血圧 、悪性高血圧、褐色細胞腫では、アルドステロンが腎臓に作用し、体の中にナトリウムと水分を蓄えるために高血圧を伴いますが、バーター症候群、心不全や肝硬変などの浮腫性疾患では高血圧を伴いません。

続発性アルドステロン症の検査と診断と治療

内科、内分泌代謝内科、循環器内科、泌尿器科の医師による診断では、元となる疾患が明らかとなり、低カリウム血症がみられ、副腎皮質から分泌されるアルドステロン、および腎臓から分泌され血圧を上昇させるレニンの両ホルモンが高値を示せば、大半の続発性アルドステロン症は確定できます。避妊薬、下剤、利尿薬などの服用している薬剤についての情報も重要となります。

内科、内分泌代謝内科、循環器内科、泌尿器科の医師による治療では、基本的に元となる疾患の是正が中心となります。

浮腫や低カリウム血症などが継続してみられ、元となる疾患の治療も難しいとされる場合は、カリウム保持性の利尿薬であるスピロノラクトン(アルダクトン)を使用します。以上の治療方法で改善がみられない場合においては、カリウム製剤を使用します。そのほか、非ステロイド性抗炎症薬の一つであるインドメタシンがバーター症候群に有用とされる場合もあります。

なお、副作用などの理由からスピロノラクトンを適用できない場合、トリアムテレン(トリテレン)を使用します。ただし、抗アルドステロン様の作用は有しません。

高カリウム血症によって続発性アルドステロン症が引き起こされている場合は、軽度であれば、利尿薬を投与してカリウムの排出量を増やします。また、アルドステロン作用を持つホルモン剤を投与することもあります。重度であれば、消化管からカリウムを吸収し、便と一緒に体外に排出する作用のあるレジン(樹脂製剤)を、経口または浣腸(かんちょう)で投与します。同時に下痢を誘発させて、カリウムを吸収したレジンが速やかに体外へ排出されるようにします。

🟥COP30、合意文書採択し閉幕 脱化石燃料の工程表は見送り

 ブラジル北部ベレンで開かれた国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)は22日、温室効果ガス排出削減の加速を促す新たな対策などを盛り込んだ合意文書を採択し、閉幕した。争点となっていた「化石燃料からの脱却」の実現に向けたロードマップ(工程表)策定に関する直接的な記述...