2022/08/16

🇬🇺マタニティブルー

産後2~3日目になると、訳もなく涙が出てきたり、家族のちょっとした言葉が気に障って悲しくなるのが、マタニティブルーと呼ばれる気分障害です。

出産を境にして、今まで盛んに分泌されていた女性ホルモンが急激に低下し、ホルモンの状態が激変するために、自律神経系に影響をおよぼし、本人の自覚のあるなしにかかわらず感情の変化として現れます。

そのほかにも、出産や慣れていない育児の疲れ、睡眠不足、家で独り育児に取り組まなければならない孤独感や不安などのストレスが重なり、感情が不安定になるのです。

主な症状は、情緒の不安定と涙もろさで、不眠や食欲不振、軽いうつ状態になったりもします。しかし、ピークは産後2~3日目で、産後2週間以内に治まります。短期間に消失する一過性の正常な反応であり、産後のうつ病とは違うものと考えられていますが、マタニティブルーから産後うつ病に移行するケースも。

産後うつ病のほうは、出産直後の数週間~数カ月の時期にみられるもので、強い悲嘆と、それに関連する心理的障害が起きている状態です。原因はいまだ、よくわかっていません。女性ホルモンの一種、エストロゲンとプロゲステロンが急激に減ることが一因、とも考えられています。

🇬🇺末梢神経腫瘍

末梢神経の中に発生する腫瘍で、最も多いのは神経鞘腫

末梢(まっしょう)神経腫瘍(しゅよう)とは、末梢神経の中に発生する腫瘍。

神経系を電気に例えると、脳は発電所、脊髄(せきずい)は変電所、末梢神経は変電所から各家庭に電気を届ける電線に相当します。脳からは12対の脳神経、脊髄からは31対の脊髄神経が出ています。そして交通整理されながら、道路のように体の隅々にまで末梢神経が走っています。末梢神経には、運動神経や感覚神経、自律神経が含まれます。

この末梢神経に発生する腫瘍は比較的少ないのですが、その中で最も多くみられるものは、神経鞘腫(しょうしゅ)です。神経鞘腫は、末梢神経の表面にあって、中心部の軸索といわれる部分を包んでいる髄鞘(ずいしょう)に腫瘍ができるものです。わりあい良性のものながら、経過は数十年に渡るものが多いようです。

聴神経腫などの脳神経に現れて障害を起こす場合のほかに、末梢神経の神経根に現れて脊髄障害を起こす場合、さらに皮膚神経に現れて皮膚障害を起こす場合があります。

代表的なものにレックリングハウゼン病(神経線維腫症)があります。これは遺伝性に現れてくるもので、母斑(ぼはん)とともに皮膚神経の神経鞘腫が全身に多発して、特異な所見を示します。

整形外科、ないし神経内科の医師による末梢神経腫瘍の治療法は、腫瘍が少ない場合は手術的に切除します。

🇹🇴末梢神経障害

体中に分布する末梢神経に障害が起こった状態

末梢(まっしょう)神経障害とは、脳や脊髄(せきずい)から分かれた後の、体中に分布する末梢神経に障害が起こった状態。ニューロパチーと呼ばれることもあります。

末梢神経には、筋肉を動かす運動神経のほか、感覚神経、自律神経の3種類があります。その末梢神経障害による症状は、多彩で、複雑です。

老人には、手や足のしびれや運動まひを起こす末梢神経障害がよくみられます。原因には、栄養障害、貧血、糖尿病、中毒、各種のがん、骨の変形などが挙げられます。

末梢神経障害の原因としては、外傷、圧迫など機械的原因によるもの、動脈周囲炎や全身性エリテマトーデスなどが原因となる血管性のもの、および糖尿病、栄養障害、中毒によるもの、がん性のもの、遺伝性のものなどがあります。

症状としては、運動障害や感覚障害などが一時的なものも、進行して重度になるものもありますが、頭から足の指まで体のあらゆる部位に現れます。運動神経に障害が起こると、筋力が低下したり筋肉が委縮します。感覚神経に障害が起こると、しびれや痛みが現れたり、逆に、痛みや熱さ、冷たさなどの感覚が鈍くなったりします。深部感覚の末梢神経障害では、スリッパが脱げても気が付かないなどの症状が現れます。自律神経の障害では、立ちくらみ、排尿障害、発汗異常などが現れます。

実際には、どの神経にも平等に末梢神経障害が起こるわけではなく、主に感覚のほうに障害が強いといった感覚優位、あるいは運動優位といった特徴があるのが普通です。

しびれや痛みは、神経に故障が起こったことを知らせる警告信号といってよいでしょう。神経症状の現れ方は、末梢神経障害の分布によって、全身の末梢神経が障害を受ける多発神経炎と、一つの神経だけに障害が起こる単神経炎、および単神経炎があちこちに起こる多発性単神経炎に分類されます。

末梢神経障害の中で、よくみられる糖尿病性ニューロパシーは、注意が必要です。下腿(かたい)や足に強いしびれ感、痛みが起こり、進行すると、足部の感覚低下、栄養障害に循環障害が加わって、ちょっとしたけがから壊疽(えそ)に陥ったりします。放置しておくと、内臓の神経も侵されます。

末梢神経障害の検査と診断と治療

内科、神経内科の医師による診断では、しびれや痛みを感じる部位、発症の様子、進行度などを聞きます。その痛みに沿って皮膚の変化があるかないか、末梢動脈の脈を触れるかどうかを診ます。さらに、触覚、痛覚、温度感覚、振動感覚や手足の運動を神経学的所見から把握します。

これらの所見から推測される原因によって、必要な検査を進め、骨の単純レントゲン撮影、MRI、CT、血管造影検査、脳脊髄液検査、血液検査などを行います。

医師による治療は、原因によって多様です。冷湿布、局所麻酔剤の注射、神経ブロック、骨の変形や脊髄腫瘍などの手術療法、消炎鎮痛剤などの薬物療法などが行われます。外傷による神経の痛みは日数がたてば自然治癒しますが、がん性の痛みはモルヒネなどの薬でも軽減できないこともあります。

糖尿病性ニューロパシーの場合は、糖尿病の治療として、食事療法と運動療法でコントロールを保ち、必要に応じてインシュリン注射か内服薬を用います。対症療法としては、ビタミンB複合体の大量投与が有効。そのほか、鎮痛剤、末梢血管拡張剤なども効果的です。

🇹🇴末梢性思春期早発症

早期に性ホルモンの分泌が盛んになり、性的に早熟する疾患

末梢(まっしょう)性思春期早発症とは、性腺(せいせん)刺激ホルモンの影響を受けることなく、早期に女性ホルモンまたは男性ホルモンの分泌が盛んになり、第二次性徴が早く起こる疾患。仮性思春期早発症、偽性思春期早発症とも呼ばれます。

末梢性思春期早発症に対して、中枢性(真性)思春期早発症があります。中枢性思春期早発症は、下垂体(脳下垂体)から性腺刺激ホルモンが早期に分泌され、それにより性腺から性ホルモンが分泌されて引き起こされ、性的に早熟する疾患を指します。

末梢性思春期早発症の場合は、下垂体から性腺刺激ホルモンが分泌されていないにもかかわらず、性腺または副腎(ふくじん)で性ホルモンがつくられて、性的に早熟します。

副腎腫瘍、卵巣腫瘍、精巣( 睾丸〔こうがん〕)腫瘍、治療不十分な先天性副腎皮質過形成症、特殊な遺伝子異常によるマッキューン・オルブライト症候群、家族性男性性早熟症などが、その原因です。

女子では、乳房が少しでも膨らんできた時が思春期の開始ですが、この乳房の発育が7歳6カ月以前に起こった時、末梢性思春期早発症の可能性が高いといえます。8歳より前に陰毛が生えてくる、10歳6カ月より前に月経が発来するなどの症状も認めます。

乳房発育だけがみられる時は、女性ホルモンの分泌の一過性の高進によると考えられる乳房早期発育症との区別が必要です。

男子では、精巣( 睾丸)が4ミリリットル以上の大きさになった時が思春期の開始ですが、この精巣の発育が9歳未満で起こった時、末梢性思春期早発症の可能性が非常に高いといえます。10歳より前に陰毛が生えてくる、11歳より前にひげが生えたり、声変わりするなどの症状も認めます。

女性ホルモンまたは男性ホルモンが早期に分泌されることにより、成長のスパート(急激な進行)が起こります。

未治療で放置すると、実際の年齢に対して、実際のその人の体の年齢を現す骨年齢が促進して、骨が成長する骨端(こったん)が早期に融合するため、一時的に身長が伸びた後、最終的に低身長で成長が終わります。

低年齢で乳房が大きくなってきた場合や、急に背が伸びてきた場合には、小児内分泌科などを受診することが勧められます。

末梢性思春期早発症の検査と診断と治療

小児内分泌科、小児科、内分泌科、内分泌内科、内分泌代謝内科の医師による診断では、問診でいつごろから、どのような症状が始まったかを聞き、視診と触診で全身および外性器の性成熟の状態をチェックします。

また、ホルモン検査で血液中の性ホルモンの分泌状態、腹部超音波(エコー)検査で副腎腫瘍や卵巣腫瘍、精巣(睾丸)腫瘍の有無を調べることもあります。手と手首のX線(レントゲン)検査を行い、骨年齢を判定して骨の成熟の有無を調べることもあります。

 ホルモン検査では、性ホルモンの上昇は認められますが、性腺刺激ホルモンの分泌は抑制されています。

小児内分泌科、小児科、内分泌科、内分泌内科、内分泌代謝内科の医師による治療では、原因となる病変がある場合、それを治療します。先天性副腎皮質過形成症が原因であれば、副腎皮質ホルモンを投与します。

副腎腫瘍、卵巣腫瘍、精巣( 睾丸)腫瘍などが原因であれば、外科手術により腫瘍を摘出した後に、ホルモン剤を投与して症状を緩和します。腫瘍の摘出が不可能な場合には、放射線療法も行います。

すでに起きている早発月経や陰茎発育などの症状については、特別な治療をせず、社会的心理的サポートを行います。

🇹🇴末梢動脈疾患(PAD)

血管の病変が手足の動脈に慢性的に起こっている疾患

末梢(まっしょう)動脈疾患とは、手足の血管の動脈硬化によって引き起こされる疾患。PAD(Peripheral Artery Disease)とも呼ばれます。

日本では閉塞(へいそく)性動脈硬化症、もしくは慢性動脈閉塞症と呼ばれている疾患ですが、海外ではPAD、すなわち末梢動脈疾患という疾患名が一般的です。 主に40〜50歳以降に発症します。

動脈に脂肪分が沈着して粥状(じゅくじょう)硬化(アテローム硬化)が起こると、血管の内膜が肥厚して内腔(ないくう)が狭くなったり、潰瘍(かいよう)ができたりします。結果として、血流に障害が起き、血液が固まって血栓を生じ、詰まりやすい状態になります。こういった血管の病変が末梢(まっしょう)動脈、すなわち手足の動脈に慢性的に起こっているのが、末梢動脈疾患です。

末梢動脈疾患のある人は、手足の動脈だけでなく、全身の血管にも動脈硬化を来している場合が少なくありません。3割の人で冠動脈疾患の合併、2割の人で脳血管障害の合併が認められます。

発症しやすいのは、糖尿病、高血圧、高脂血症、喫煙などの動脈硬化の危険因子を持っている人。食生活やライフスタイルの欧米化により、動脈硬化を基盤とする末梢動脈疾患が急速に増えています。

初期の症状は、足の冷感やしびれです。進行すると、短い距離を歩いただけで、ふくらはぎや太ももの裏側が重くなってきたり、痛みを感じるようになります。2〜3分休むとよくなり、再び歩くことができます。この間欠性跛行(はこう)や足のしびれなどの症状が神経痛の症状と似ているために、勘違いされて見逃されることも多く見受けられます。

さらに進行すると、安静時にも痛みが現れるようになります。病変がある動脈で、急に血液が固まって急性閉塞が起きた場合には、24時間を経過した後で、筋肉に壊死(えし)が起こることもあります。

末梢動脈疾患の検査と診断と治療

歩くと下肢が痛くなる原因にはいろいろあり、神経痛などほかの疾患と勘違いして、末梢動脈疾患(PAD)を悪化させてしまうこともまれではありませんので、循環器科や心臓血管外科を受診します。

医師による検査では、血管が閉塞した部位より先の動脈は、拍動が触れなくなります。四肢の血圧から足関節/上腕血圧比を測ることにより、さらに詳しく下肢の虚血を診断できます。確定診断には、血管造影検査が必要になります。

初期の冷感やしびれに対しては、血管を広げる血管拡張薬や、血液を固まりにくくする抗血小板薬を中心に治療が行われます。手足の痛みが強く、ひじや、ひざから上の比較的狭い範囲で慢性の動脈閉塞が起きている場合には、カテーテル治療、レーザー血管形成術、バイパス手術、血管新生療法などが行われます。

カテーテル治療は、狭心症や心筋梗塞(こうそく)の治療で行われるバルーン療法と同じ血管内治療。閉塞した部位にカテーテルを通し、そこで風船を膨らませて閉塞を治した後、再閉塞を防ぐためにコイルを留置します。レーザー血管形成術は、閉塞部近くまでカテーテルを挿入し、レーザー光を発して血栓や肥厚した内膜を霧状に散らす療法。

バイパス手術は、閉塞した動脈の代わりに静脈や人工血管を使ってバイパスを作り、動脈の血行を再建する治療。血管新生療法は、肝細胞を増殖させる物質の遺伝子が血管を新しく作ることがわかったため、それを使って行う新しい治療。血管を新生する因子(HGF)を産生する遺伝子を含む医薬を筋肉に注射し、新しい血管を誕生させて血流をよみがえらせます。

治療方法は数多くあるものの、末梢動脈疾患が重症になり、壊死が進行した場合は、足の切断が必要になることがあります。日本では毎年、1万人程度が足の切断を余儀なくされていると推定されます。

この末梢動脈疾患は、糖尿病や高血圧、高脂血症がある人に起こりやすいので、このような既往症のある人は、食生活を正して食べすぎを避け、減塩を守ること、ストレスを解消すること、禁煙をすることが必要です。

また、足の症状が出るまでは、休みながらも繰り返し歩くように心掛けます。歩くことにより、側副血行路が発達し血行が改善します。靴下、毛布などを使って、足の保温にも努めます。寒冷刺激は足の血管をさらに収縮させ、血液の循環を悪くさせるからで、入浴も血行の改善に役立ちます。足はいつも清潔にしておき、爪(つめ)を切る時は深爪をしないようにし、靴も足先のきつくないものを選ぶようにします。

なお、末梢動脈疾患(PAD)の日本における保険適応上の疾患名は、閉塞性動脈硬化症もしくは慢性動脈閉塞症となります。

🇰🇮末端肥大症

骨の発育が止まった後に、脳下垂体から成長ホルモンが過剰分泌されて起こる疾患

末端肥大症とは、脳下垂体から成長ホルモンが過剰に分泌されるために起こる疾患。先端巨大症とも呼ばれます。

この末端肥大症は、骨の末端部分の骨端線が閉鎖して骨の発育が止まった後、すなわち思春期が終了した後に起こります。一方、骨端線が閉鎖する前の発育期に、脳下垂体から成長ホルモンが過剰に分泌されると、巨人症が起こります。末端肥大症、巨人症とも大部分は、脳下垂体に腫瘍(しゅよう)ができ、そこから成長ホルモンが過剰に分泌された場合に起こります。

脳下垂体に成長ホルモンを作る腫瘍が生じる原因ははっきりわかってはいませんが、もともと成長ホルモンを作っている細胞が腫瘍化して、成長ホルモンを過剰に産生、分泌するようになるとの考えがあります。膵臓(すいぞう)や肺に、まれに発生する特定の腫瘍でもホルモンが産生され、脳下垂体を刺激して過剰な成長ホルモンが作られこともあります。

末端肥大症は多くの場合、骨の発育が止まって長い年月が経過した30〜50歳で発症します。発症すると、手足が大きくなり、特有な顔や体形を示します。普通、少しずつ変化が生じるために、自分や周囲の人が気付くころにはかなり進んでいることも多いようです。

手足が大きくなるために、より大きいサイズの指輪、手袋、靴、帽子が必要になります。あごの骨の成長過剰で、あごが突き出ます。声帯の軟骨が厚くなるため声は太く、かすれます。肋骨(ろっこつ)が肥厚すると、樽(たる)のように胸板が厚くなります。関節の痛みがあり、長年経過してから体が不自由になる変形性関節炎になることがあります。

舌は肥大して、溝ができます。体毛は硬く濃くなり、皮膚の肥厚で増加します。皮膚の皮脂腺(せん)と汗腺は肥大し、大量の発汗と不快な体臭を発します。心臓が肥大し、機能が著しく損なわれると心不全を起こすことがあります。時には、肥大した組織が神経を圧迫し、腕や脚に不快な感触や脱力感を覚えます。目から脳へ情報を伝える神経も圧迫されることがあり、視覚、特に視野の外側が損なわれます。脳が圧迫されると、ひどい頭痛が生じることがあります。

そのほか、性機能の低下、女性の場合は無月経などの症状を生じることもあります。また、糖尿病や高血圧症で治療中の人の中に発見されることもあります。

末端肥大症では腸のポリープ、悪性腫瘍、糖尿病、心血管系の合併症が多くみられ、そのまま放置しておくことは危険なので、早期に治療が必要です。 内科ないし内分泌科の専門医の診察を受けて下さい。

末端肥大症の検査と診断と治療

医師による診断は、症状、血中ホルモンの測定、および画像検査により行われます。検査では、まず血中の成長ホルモンを測ります。ブドウ糖液を飲んで、血中の成長ホルモンを測定する検査も行われます。血中の成長ホルモンは正常者ではブドウ糖により低下しますが、末端肥大症では低下が認められません。また、血中の成長ホルモンは分泌が不規則なために、最近は、成長ホルモンにより作られるインスリン様成長因子(IGF―I)というホルモンの信頼性が高いといわれており、診断のために測定されています。

画像検査として、X線写真で骨や軟部組織の肥厚の評価をし、MRIやCTで脳下垂体の腫瘍を見付けることも重要です。

医師による治療は、第一に手術が考慮されます。鼻腔(びくう)から脳下垂体と接している骨を削り、脳下垂体の腫瘍を摘出する方法が一般的に行われています。腫瘍が小さいと完治させることも可能ですが、大きい場合や周囲に広がっている場合は、完全に取り除くことは難しくなります。

その場合は、放射線や薬による追加治療が行われます。コバルトやリニアックを照射する放射線治療では、効果が出るまでに数年かかり、ほかの脳下垂体ホルモンの分泌が低下することがあります。

薬による治療でも、時にはブロモクリプチンなどのドーパミン作用薬が有効で、錠剤を服用することで成長ホルモンの量を減らせます。最も有効なのは、成長ホルモンの産生と分泌を正常に遮断するソマトスタチン系のホルモンの皮下注射です。注射薬にはオクトレオチドや、持続型インスリンアナログもあり、1カ月に1回程度の投与ですみます。これらの薬で治癒するわけではありませんが、使用し続けている限り、多くの人で末端肥大症を制御する効果があります。

🇰🇮魔乳

生後間もない新生児の乳頭から乳汁様の液体が分泌される現象

魔乳(まにゅう)とは、生後2~3日ころから1週間ころの間に、新生児の胸が膨らむとともに、乳頭(乳首)から乳汁様の半透明から白色の液体が分泌される状態。奇乳、鬼乳とも呼ばれます。

妊娠中、母体では女性ホルモンの一つである卵胞ホルモン(エストロゲン)が卵巣から多量に分泌され、これが乳腺(にゅうせん)を発達させるとともに、脳下垂体に作用して乳汁分泌を促すプロラクチンの分泌を抑制しています。ところが、出産とともに、卵胞ホルモンの分泌が急速に低下し、プロラクチンの分泌の抑制がなくなるために、プロラクチンの分泌が増加し、乳汁(母乳)の分泌が開始されます。

妊娠中、母体の卵胞ホルモンは胎盤を通じて胎児の血液にも移行していますが、出生後、臍帯(さいたい)が切断され、母体との関係が絶たれると、卵胞ホルモンが急激に減少して、その影響が急速に失われるため、母体と同様な機構でプロラクチンが少量分泌され、これが作用して乳腺が刺激され、新生児の乳頭から乳汁様の液体が分泌されるのです。乳汁様の液体の成分は、乳汁と同一です。

魔乳は生後2~3日ころから分泌され始めることが多く、搾ったりせずに放置すれば数日から1週間程度で出なくなります。中には、5~6週間にわたって分泌がある場合もあります。新生児の体質や、母体から移行していたホルモンの量で、期間は変わってきます。

成熟した新生児では、生まれた当初から左右の乳房が大きな場合がありますが、これも胎盤経由のホルモンと自分自身のホルモンによって乳腺が発達したものと考えられています。

この時期の乳腺の発達には男女差はなく、男の子の新生児でも乳房が膨らんだり、魔乳が見られたりすることがあります。

ヨ-ロッパでは昔、魔女信仰の影響から、新生児の乳頭から分泌される乳汁様の液体が魔女の薬の材料になるとされて「Witch’s milk(魔女のミルク)」と呼ばれていたことから、日本では魔乳と呼ばれるようになったようです。ヨーロパでは魔法使いの女が採りに来る前に早く搾ってしまわなくてはならないと信じられていたそうですが、近年では搾ったり、触ったりすると、かえって乳腺が刺激されていつまでも液体が出続けたり、細菌が入って感染を起こすことがあるため、搾ったり、触ったりしてはいけないものとされています。

新生児の魔乳は自然に止まるのを待てばよく、特別な処置は必要ありません。乳汁とは少し違うような色の液体が出てくる場合は、乳腺などが傷付いている可能性がありますので、一度、産科、または小児科を受診し診察を受けてください。

🟥インフルエンザ感染者、2週連続増加 1医療機関当たり11・33人

 厚生労働省は23日、全国約3000の定点医療機関から12~18日の1週間に報告されたインフルエンザの感染者数は計4万3027人で、1医療機関当たり11・33人だったと発表した。前週比1・07倍で、2週連続の増加となった。全国平均で警報レベルとされる1医療機関当たり30人を下回...