2022/08/19

🇱🇦フォレステイル病

脊椎椎体の前面を上下に連結し、脊椎を縦走する前縦靭帯が骨化する疾患

フォレステイル病とは、脊椎(せきつい)を構成する椎体と呼ばれる四角い骨の前面を上下に連結し、脊椎を縦走する前縦靭帯(ぜんじゅうじんたい)が骨化する疾患。前縦靱帯骨化症とも呼ばれ、強直性脊椎肥厚症とも呼ばれることもあります。

背骨、すなわち脊椎の骨と骨の間は、靭帯で補強されています。椎体の前面に位置する前縦靱帯は、後縦靭帯という椎体の後面に位置し、脊髄の通り道である脊柱管の前面に位置する靭帯と対をなして、骨に適度な動きと安定性をもたらしています。

この前縦靭帯が分厚くなって骨のように硬くなると、食道が圧迫されて物を飲み込みにくくなったり、声がかれたり、背中の張りや腰痛などが現れることがあります。

高齢者、特に60歳以上の男性に多く認められ、男性は女性の2〜3倍ほど発症しています。

前縦靱帯が骨化する原因は不明。何らかの遺伝性があるとする研究もいくつか報告されており、今後明らかにされると思われます。

前縦靱帯の骨化が起こると、脊椎の可動域が低下して運動が障害されることから、体が硬くなって動きが悪くなったと感じることが多いようです。

頸椎に前縦靱帯骨化が起こると、物を飲み込みにくくなる嚥下(えんげ)困難、声がかれる嗄声(させい)の症状が出現することがあります。胸椎や腰椎に前縦靱帯骨化が起こると、背中の張りや腰痛の症状が出現することがあります。

また、骨化が途切れて脊椎が動いている部位で、脊髄や脊髄から分枝する神経根が圧迫されて、手足の痛み、しびれ、まひなどをが出現することもあります。まれに、転倒などのけがにより、脊椎の骨折を生じたり、そのために脊髄のまひを生じることもあります。

フォレステイル病の検査と診断と治療

整形外科の医師による診断では、X線(レントゲン)検査を行い、前縦靭帯骨化を見付けます。X線検査で見付けることが困難な場合は、CT(コンピュータ断層撮影)検査、MRI(磁気共鳴画像撮影)検査などで精査します。CT検査は骨化の範囲や大きさを判断するのに有用で、MRI検査は脊髄の圧迫程度を判断するのに有用です。

嚥下障害を生じた場合は、X線による食道造影検査や咽頭(いんとう)部の内視鏡検査を行います。

整形外科の医師による治療では、背部痛、腰痛などを生じた場合は、鎮痛剤、筋弛緩(しかん)剤などの投与、理学療法、運動療法で対応します。

嚥下障害の改善がみられず誤嚥の恐れがある場合は、前縦靱帯骨化の部位を摘出して、その部位を自分の骨で固定する手術を行います。

脊髄や脊髄から分枝する神経根が進行性に圧迫されている場合も、前縦靱帯骨化の部位を摘出して、脊椎が動いている部位の圧迫を除去する手術を行います。

けがにより脊椎の骨折を生じた場合には、安静、ギプスやコルセットで治療し、骨がつかない、あるいは脊髄のまひが出現した際には金属で固定する手術を行います。

🇻🇳腹圧性尿失禁

せきをした際など腹部に急な圧迫が加わった時に、尿が一時的に漏れる状態

腹圧性尿失禁とは、せきやくしゃみ、運動時など、腹部に急な圧迫が加わった時に尿が漏れる状態。尿意とは無関係に、膀胱(ぼうこう)にたまった尿が一時的に漏れるもので、その程度はさまざまです。

尿失禁のうち、一時的な漏れではなく、一日中、常に漏れ続ける失禁は、真性尿失禁または全尿失禁と呼びます。真性尿失禁、全尿失禁の代表例として挙げられるのは、尿管開口異常などの先天性尿路奇形によって常に尿が漏れているもの、または手術などの際に尿道括約筋を完全に損傷したものです。

一時的な漏れを示す尿失禁の一つである腹圧性尿失禁は、中年以降の出産回数の多い女性に、しばしば認められます。

起こる原因は、膀胱を支え、尿道を締めている骨盤底筋群が加齢や出産、肥満などで緩んで、弱くなったためです。骨盤底筋群の緩みが進むと、子宮脱、膀胱瘤(りゅう)、直腸脱などを合併することもあります。

まれに、放射線治療やがんの手術によって、尿道を締める神経が傷付くことが原因となることもあります。

腹部に急な圧迫が加わるような動作をした時、例えばせきやくしゃみをした時、笑った時、階段や坂道を上り下りした時、重い荷物を持ち上げた時、急に立ち上がった時、走り出した時、テニスやゴルフなどの運動をした時などに、一時的に尿が漏れます。通常、睡眠中にはみられません。

この骨盤底筋の衰えによる腹圧性尿失禁と、急に強い尿意を感じてトイレに間に合わず尿を漏らしてしまう切迫(急迫)性尿失禁の両方の症状がみられる場合もあります。切迫(急迫)性尿失禁は、脳、脊髄(せきずい)など中枢神経系に障害があるものと、膀胱炎、結石などによって膀胱の刺激性が高まって起こるものとがあります。

腹圧性尿失禁は頻度が高く、比較的若い女性にもみられる状態です。症状が続き社会生活、日常生活に支障を来すようであれば、泌尿器科を受診することが勧められます。

腹圧性尿失禁の検査と診断と治療

泌尿器科の医師による診断では、症状および各種検査を総合し、腹圧性尿失禁の原因を確定します。一般的には問診、尿検査、超音波検査、血液検査、パッドテスト、尿流動態(ウロダイナミクス)検査(膀胱内圧、腹圧、排尿筋圧、外尿道括約筋活動、尿流量測定、残尿測定)、尿路造影検査、内視鏡検査などを行って、腹圧性尿失禁の原因を探ります。

問診では、出産歴、手術歴、婦人科疾患の有無、便秘の有無、尿失禁の状況などを質問します。パッドテストでは、パッドをつけた状態で水分を取ってもらい、せき、くしゃみ、 手洗い、足踏みなど腹部に圧迫が加わりやすい動作を行ってもらい、1時間後のパッドの重量増加で尿失禁の程度を確認します。

泌尿器科の医師による治療では、腹圧性尿失禁の程度が軽い場合、尿道、膣(ちつ)、肛門(こうもん)を締める骨盤底筋体操が割合効果的です。肛門の周囲の筋肉を5秒間強く締め、次に緩める簡単な運動で、 仰向けの姿勢、いすに座った姿勢、 ひじ・ひざをついた姿勢、机に手をついた姿勢、 仰向けになり背筋を伸ばした姿勢という5つの姿勢で、20回ずつ繰り返します。

朝、昼、夕、就寝前の4回に分けて、根気よく毎日続けて行うのが理想的です。3カ月以上続けても効果のない場合には、手術が必要となる可能性が高くなります。

骨盤底筋の強化を目的として、電気刺激によって必要な筋肉を収縮させる電気刺激療法もあります。また、腟内コーンという器具を腟内に15分程度、1日2回ほど保持し、それを徐々に重たいものに変えていくことで骨盤底筋を強化し、腹圧性尿失禁の症状を軽減する方法もあります。

薬物による治療としては、尿道括約筋を緊張させる作用のある交感神経刺激剤や、閉経後の女性に対しては女性ホルモン剤などがあります。

重症例や希望の強い場合などには、手術による治療を行います。尿道括約筋の機能が低下している場合には、尿道の周囲にコラーゲンを注入する治療や、尿道括約筋を圧迫するように腹部の組織や人工線維で尿道を支えるスリング手術、日本ではあまり行われていない人工括約筋埋め込み術などがあります。

🇻🇳副睾丸炎(精巣上体炎)

精巣に付着している精巣上体に、炎症が起こる疾患

副睾丸(こうがん)炎とは、男性の陰嚢(いんのう)内に左右各1個あって卵形をしている精巣の上面、および後面に付着している精巣上体に、炎症が起こる疾患。精巣上体炎とも呼ばれます。

精巣上体、すなわち副睾丸は、精巣から出た精子を運ぶ精管が精巣、すなわち睾丸のすぐ近くで膨れている部分に相当します。精管はこの精巣上体から、精嚢腺(せいのうせん)と前立腺につながり、そこで分泌された精液と一緒になって尿道に出ていくのが、射精です。

発症経過によって、急性副睾丸炎(急性精巣上体炎)と慢性副睾丸炎(慢性精巣上体炎)に分けられます。

【急性副睾丸炎(急性精巣上体炎)】

急性副睾丸炎の多くは、精巣の上面に付着している精巣上体に起こります。尿の中の細菌などが精巣上体に入り込んで、感染を起こすことが原因です。

通常、尿には炎症を起こすほどの細菌はいませんが、前立腺肥大症、尿道狭窄(きょうさく)、膀胱(ぼうこう)結石などの疾患があると、尿は汚れて細菌が増殖しますから、急性副睾丸炎を起こしやすくなります。これらは高齢者に多く、大腸菌などの一般的な細菌が原因菌となります。

一方、青年層にみられる場合は、性行為感染症(STD)の1つである尿道炎から引き起こされます。尿道炎の原因であるクラミジアや淋菌(りんきん)が精巣上体に至ることによって、炎症を起こします。  

症状は、陰嚢内の精巣上体の一部の軽い痛みで始まります。自覚症状としては、精巣そのものの痛みのように感じるかもしれません。徐々に陰嚢全体に痛みが広がり、陰嚢が硬くはれ上がり、皮膚が赤みを帯びてきます。

歩行時に激しく痛んだり、はれているところを圧迫すると強い痛みを感じ、38度以上の発熱を伴うことがしばしばあります。さらに悪化すると、陰嚢の中にうみがたまり、破れて出てくることもあります。精管に沿って炎症が広がっていると、大ももの付け根の鼠径(そけい)部や下腹部の痛みを感じることもあります。

普通は、膿尿(のうにょう)、細菌尿を伴って症状が全般的に強いのですが、クラミジアの感染では症状が軽度で膿尿もみられないことがあります。精巣に炎症がおよぶことはまれで、精巣にはれ、圧痛は認められません。

【慢性副睾丸炎(慢性精巣上体炎)】

慢性副睾丸炎は、急性副睾丸炎の局所症状が完全に消えないで慢性症に移る場合が多いのですが、初めから慢性あるいは潜行性に起こることもあります。また、外傷が誘因となって起こることもあります。さらに、結核菌による炎症など特殊な菌による感染で炎症が長引く場合とがあります。

尿道炎や前立腺炎を起こした時に、大腸菌、ブドウ球菌などの一般細菌や、クラミジア、淋菌などの性行為感染症菌が尿道や前立腺から精巣上体に逆流し、炎症を起こすのが急性副睾丸炎であり、この治療が不十分であると、細菌が精巣上体の中にこもってしまい、慢性副睾丸炎を生じると考えられます。

結核性の場合は、肺結核から尿に結核菌の感染が移行して引き起こされます。尿路性器結核の部分現象として発症するので、睾丸を除く前性器が侵されていることが多く、尿路結核を合併することがしばしばあります。20~30歳代に多い疾患です。

慢性副睾丸炎では、全身症状は乏しく、陰嚢内の違和感や不快感、鈍い痛みが長期に渡って続きます。陰嚢に触ると、精巣上体に硬いしこりを感じます。発熱、急激なはれ、激しい痛みなどは伴いません。結核性の場合も、精巣上体が数珠状に硬くはれ、鈍い痛みが続きます。

副睾丸炎の検査と診断と治療

【急性副睾丸炎(急性精巣上体炎)】

適切な抗生剤を早期に使用することによって比較的治りやすい疾患ですが、悪化すると治療が困難になり慢性化してしまったり、精巣を摘出しなければならないことがあります。早めに泌尿器科の専門医を受診することが大切で、治療中は激しい運動や飲酒は控えます。

医師の側では、尿検査で尿中の白血球や細菌を検出します。クラミジア感染が疑われる場合も、尿で検査できます。細菌については、その種類とどのような抗生剤が効くかを同時に調べますが、細菌が検出されないこともまれではありません。また、全身への影響をみるため、血液検査で炎症反応などをチェックします。精巣(精索)捻転(ねんてん)症や精巣腫瘍(しゅよう)との区別が難しい場合もあります。

治療は、局所の安静と冷湿布、抗生剤の経口投与が主体となります。抗生剤は、尿路感染症に有効なユナシンなどのペニシリン系、セフゾンなどのセフェム系、クラビットなどのニューキノロン系が用いられます。また、サポーターなどで陰嚢を持ち上げることで、症状が和らぎます。発熱などの全身症状がみられる場合は、消炎鎮痛剤の投与とともに、入院した上で安静を保ち、抗生剤の点滴による治療が必要になります。

発熱を伴う急性期の炎症は、1〜2週間で治まります。精巣上体のはれや鈍い痛みは、数カ月続く場合が多く、時には精巣上体に硬いしこりが残ってしまうことがあります。初期の治療が不十分だと炎症が悪化してうみがたまり、陰嚢を切開してうみを出さなければならなかったり、精巣を含めて精巣上体を摘出しなければならないこともあります。

後遺症として、慢性副睾丸炎に移行したり、精巣上体部の精子通過障害をもたらすことがあります。精巣にも炎症が波及し、両側性であれば男性不妊につながることもあります。

【慢性副睾丸炎(慢性精巣上体炎)】

激しい症状がないので放置してしまう場合もみられますすが、徐々に悪化してしまったり、他の疾患が見付かったりすることもありますので、泌尿器科の専門医を受診します。

医師の側はまず、尿中の白血球や細菌の検査をします。しかし、慢性副睾丸炎では細菌を検出することが難しい場合も多く、原因菌の特定ができないことがあります。細菌が検出されない場合は、結核性を疑って特殊な検査で尿中の結核菌の有無を調べますが、結核菌は検出されずに、手術で精巣上体を摘出した結果、結核感染が証明されることもあります。

また、慢性前立腺炎などの慢性尿路感染や、前立腺肥大症などの他の疾患を合併している場合もあるので、腎臓(じんぞう)、膀胱、前立腺など他の尿路に異常がないかどうか検査します。

治療においては、抗生剤の投与では効果が得られない場合が多いため、消炎鎮痛剤などの痛みと炎症を抑える薬を長期間投与します。不快な痛みが続く場合は、精巣上体を摘出することもあります。

結核性の場合は、他の尿路にも結核菌の感染を起こしている可能性があり、結核菌が臓器の奥深くに潜んでいることも多いので、半年以上の長期間、抗結核剤を投与します。イソニアジド(イスコチン)とリファンピシン(リファジン)に、ストレプトマイシンまたはエサンブトールを組み合わせた治療が標準的です。それでも改善しなければ、精巣上体だけを摘出する手術、あるいは精巣上体を含めて精管、精嚢、前立腺まで摘出する根治手術を行うこともあります。

後遺症として、精巣上体部の精子通過障害をもたらすことがあります。精巣にも炎症が波及し、両側性であれば男性不妊につながることもあります。 

🇻🇳副睾丸結核

結核菌が男性の生殖器である副睾丸に感染して起こる疾患で、肺外結核の一種

副睾丸(ふくこうがん)結核とは、結核菌が男性の生殖器である副睾丸に感染することによって起こる疾患。

精巣上体結核とも、結核性精巣上体炎とも呼ばれ、また肺外結核の一種であり、男性性器結核の一種でもあります。

副睾丸、すなわち精巣上体は、男性の陰嚢(いんのう)内に左右各1個あって卵形をしている睾丸、すなわち精巣の上面、および後面に付着している睾丸付属器の一つになります。副睾丸は、内部に副睾丸管(精巣上体管)を内包していて、この副睾丸管は、精巣で産生している精子の通路である精路の一部になります。 また、副睾丸は、精子を運ぶだけでなく、精液の液体成分である精漿(せいしょう)の一部の産生も行っています。

精路はこの副睾丸から、精嚢腺(せいのうせん)と前立腺(ぜんりつせん)につながり、そこで分泌された精液と一緒になって尿道に出ていくのが、射精です。

副睾丸結核の原因菌となる結核菌は、正式な名称をマイコバクテリウム・ツベルクローシスで、グラム陰性無芽胞性桿菌(かんきん)に所属する抗酸性の細菌。この結核菌は、酸、アルカリ、アルコールに強い上に乾燥にも強く、また空気感染を引き起こします。

基本的には、その多くは肺に孤立性の臓器結核を発症する肺結核の病原菌になりますが、低い頻度ながら、肺外結核と呼ばれる肺以外への結核菌感染症を引き起こします。

肺外結核は、主に結核菌が血管を通って全身にばらまかれ、そこに病巣を作る粟粒(ぞくりゅう)結核によって起こります。腎(じん)臓とリンパ節に起こるものが最も多く、骨、脳、腹腔(ふくこう)、心膜、関節、尿路、そして男女の生殖器にも起こります。

男性性器結核は、結核菌が前立腺、副睾丸、睾丸、精嚢腺、精索に病巣を作ることによって起こり、その一種の副睾丸結核は、結核菌が副睾丸に病巣を作ることによって起こります。

結核菌が血管を通って前立腺、副睾丸、睾丸などに連続的に感染することが多く、一方では腎臓、尿路の結核に続発して尿路、精路に沿って逆行性に感染し、また精路周囲のリンパ管からリンパ行性に感染し、炎症を起こして、副睾丸などに硬い凹凸のあるはれを生じます。

感染部位のはれが起こっても、ほとんどは自覚症状はないものの、時に睾丸の痛み、違和感、不快感、下腹部痛を生じることもあります。

また、副睾丸の結核は精路の物理的閉塞(へいそく)から、睾丸の結核は精子を産生する精巣機能の障害から、男性不妊症の発生に関連する場合があります。特に長期的、慢性的に炎症が継続すると、男性不妊症の発生頻度が上昇しやすくなります。

感染が進行すると、副睾丸と睾丸の境界がわからないほどの一塊となったはれがみられたりして、最終的には副睾丸と睾丸を破壊することもあります。初めは片方の副睾丸と睾丸にはれが起きるケースがほとんどですが、放置すると両方に起きる恐れもあります。

結核が減少している近年では、結核の二次的発症である副睾丸結核の頻度は低下しています。

副睾丸結核の検査と診断と治療

泌尿器科の医師による診断では、血液検査や尿検査、前立腺液検査、ツベルクリン反応検査などを行い、体内に結核菌があるかどうかを調べます。なお、精液からの結核菌の証明は困難です。

副睾丸が結核にかかっている場合には、痛みや発熱などの症状がなくても、硬い凹凸のある数珠状のはれがみられたり、睾丸と一塊となったはれがみられたりするので、触診による検査を初めに行うこともあります。

副睾丸結核に尿路結核が併発していることが多いため、静脈性尿路造影ないし逆行性尿路造影、CT(コンピュータ断層撮影)検査、膀胱(ぼうこう)鏡などの画像検査を行うこともあります。

また、前立線や睾丸などにがんなどの腫瘍(しゅよう)ができている場合にも、同じようなはれが現れたり下腹部痛を感じる場合があるため、前立線がんなどの検査を同時に行うこともあります。

泌尿器科の医師による治療では、抗結核剤の投与による化学療法を中心とする内科的療法を行います。

肺結核に準じて、普通、最初の2カ月間はリファンピシン、ヒドラジド、ピラジナミド、エタンブトールまたはストレプトマイシンの4種類の抗結核剤を投与し、その後はリファンピシンとヒドラジドの2種類の抗結核剤の投与にし、合計6カ月で治療を完了します。

ピラジナミドを初め2カ月間使うと殺菌力が強く有効ですが、80歳以上の高齢者や肝機能障害のある人には使えません。この場合には、治療は6カ月では短すぎ、最も短くて9カ月の治療が必要です。

抗結核剤の投与によっても完治しない場合には、副睾丸だけを摘出する外科的療法、あるいは副睾丸を含めて睾丸、精嚢腺、前立腺まで摘出する外科的療法を検討することもあります。腎結核により片方の腎臓の機能が完全に失われている場合には、内科的療法の前に腎臓を摘出する外科的療法を先行することを積極的に検討します。

自覚症状があまり現れないため、結核菌が発見されて治療が始まっても、薬の服用を忘れてしまったり自己判断でやめてしまう人もいます。しかし、結核菌は中途半端な薬の使用で薬に対する耐性ができてしまうこともあるので、服用の必要がなくなるまできちんと検査を受ける必要があります。

早期発見、早期治療を行えば副睾丸結核は治りますから、これが原因となっていた男性不妊症であれば、性パートナーの女性が妊娠する可能性も高くなります。

🇮🇳副甲状腺機能高進症

副甲状腺ホルモンが過剰に作られるために起こる疾患

副甲状腺(せん)機能高進症とは、副甲状腺ホルモンが過剰に作られるために起こる疾患。

副甲状腺は大きさは4〜5ミリぐらいで、甲状腺の周囲にある臓器。多くの人は4つ持っていますが、3つあるいは5つ以上持っている人もまれではありません。ここで作られる副甲状腺ホルモンは血液中のカルシウム濃度を一定の範囲内に調節しています。健康な人では、血液中のカルシウムが減ると副甲状腺ホルモンが増加し、骨に蓄えられているカルシウムが血液中に溶かし出されてカルシウムが正常な濃度に戻ります。

副甲状腺機能高進症になると、骨に変化を来し、血液中のカルシウムの量が増加します。

原因は、副甲状腺にできた腺腫(せんしゅ)、がん、肥大などによります。このうち8割以上は腺腫で、この場合は4つある副甲状腺のうち1つが腫大します。

がんの場合には、副甲状腺が大きく腫大し、血液中のカルシウム量の増加も高度であることが多く、予後は不良です。肥大は4つの副甲状腺のすべてが異常になるもので、多発性内分泌腺腫症という遺伝的な疾患に合併して起こることがほとんどです。

症状は、血液中のカルシウムが増えるために倦怠(けんたい)感、筋力低下が常にみられます。また、便秘、食欲不振、吐き気、嘔吐(おうと)、腹痛も認められます。

さらに、カルシウムが腎臓(じんぞう)に沈着して腎臓結石ができやすくなり、ひどくなると腎石灰化症という状態になり、腎臓の機能が著しく低下してきます。同時に、副甲状腺ホルモンが過剰になると、骨を壊す機能が高まり、骨の皮質が薄くなって、病的骨折を起こしやすくなります。

 最近は、健康診断などで血中カルシウム濃度を測定する機会が増えたため、偶然、発見されて診断に至る例が増えています。

副甲状腺機能高進症の検査と診断と治療

内科、内分泌代謝内科の医師による診断では、血液中の成分を測定すると、カルシウムの量が増加しているほか、無機リンは減少し、副甲状腺ホルモンは増加しています。次に、腫大した副甲状腺を頸部(けいぶ)超音波検査、CT、シンチグラフィなどの画像検査により確認します。腫大が軽度の場合には見付からないこともあります。

医師による治療は現在のところ、早く診断をつけて、外科的に副甲状腺腫瘍を切除するのが一番の方法です。

腺腫では、1つあるいは2つの腫大した副甲状腺だけを切除します。肥大では、すべての副甲状腺を探し出し、一番正常に近いと考えられる副甲状腺の一部を残して、他の副甲状腺をすべて切除します。症例によってはすべての副甲状腺を切除し、そのままでは副甲状腺機能低下症になってしまうので、通常、1腺の半分だけを前腕などに移植します。こうしておくと、万が一副甲状腺機能高進症が再発しても簡単に切除することができます。

がんでは、周囲組織を含めて広範囲に切除します。手術前にがんの確定診断がつくことはほとんどありませんし、手術中に行う組織の顕微鏡検査で悪性かどうかの判断は困難ですので、手術中の医師の判断が重要です。

治療が遅くなると、腎臓の機能が低下し、ついには尿毒症になります。

🇮🇳非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)

大量の飲酒習慣がないのに脂肪肝になり、慢性肝炎に至った状態

非アルコール性脂肪性肝炎(NASH:Non-Alcoholic Steato Hepatitis、ナッシュ)とは、大量の飲酒習慣がないにもかかわらず脂肪肝になり、慢性肝炎に至った病態。自覚症状がないまま、肝硬変や肝臓がんに進むこともあります。

肝細胞に中性脂肪が沈着して、肝障害を引き起こす病態を脂肪性肝疾患といいます。そして、肝臓の組織で、脂肪滴を伴う肝細胞が30パーセント以上認められる場合を脂肪肝といいます。現在、検診受診者の20〜30パーセントは脂肪肝であり、頻度は年々増加しています。

この脂肪肝は、以前は大量のアルコールを摂取する人に多かったのですが、肥満や糖尿病など生活習慣病の表現形として発症することが多くなり、アルコールを全く飲まない人や、少しだけ飲むという人にもアルコール性肝障害に類似した脂肪性肝障害がみられる病態をまとめて、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD:Non-Alcoholic Fatty Liver Disease)と呼ぶようになりました。

成人の8パーセント程度は非アルコール性脂肪性肝疾患であるといわれ、国内に約1000万人いると推定されています。

非アルコール性脂肪性肝疾患は、肝細胞に脂肪が沈着するのみの単純性脂肪肝(Simple Fatty Liver)と、肝細胞に脂肪が沈着するとともに炎症を起こし、線維化が進行する非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に大別されます。

非アルコール性脂肪性肝炎は肝硬変に至り、肝臓がんを引き起こす可能性があり、成人の1パーセント程度にみられ、国内に約100〜200万人の発症者がいると推定されています。

非アルコール性脂肪性肝炎の発症に至る原因はまだはっきりとはわかっていませんが、2つのヒット理論が広く受け入れられています。肥満、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)などにより、肝臓に中性脂肪が蓄積し、脂肪肝になるのが第1のヒット。さらに、炎症を起こす免疫物質や腸内細菌の毒にさらされたり、体内の活性酸素が増える酸化ストレスになったりする第2のヒットの刺激を受けると、非アルコール性脂肪性肝炎に進みます。

非アルコール性脂肪性肝炎は、脂肪肝と同じく自覚できる症状はほとんどありません。しかし、一部の発症者では疲れ、だるさ、または右上腹部の不快感を感じることがあります。

40〜60歳の中年女性に最もしばしばみられ、その多くは肥満、2型糖尿病、または脂質異常症を示しますが、すべての年齢の男女に起こり得ます。

非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の検査と診断と治療

消化器内科、消化器科、内科の医師による診断では、脂肪肝の程度が進み脂肪性肝炎が疑われる場合、画像検査や血液検査だけでは脂肪肝か脂肪性肝炎か判断が付かないため、確定診断には、針を皮膚から肝臓へと突き刺し、肝臓の組織の一部を採取する肝生検を行います。

最も多くみられる検査所見の異常は、アミノトランスフェラーゼ(アミノ基転移酵素)値の上昇。肝酵素のAST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)値とALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)値の軽度の上昇もみられます。AST/ALT比は通常、1・0以下です。

アルコール性肝障害との鑑別が最も重要で、問診によってアルコール摂取量を把握することと、アルコール性肝障害ではAST/ALT比が1・0以上となることで鑑別します。ウイルス性肝炎B型、ウイルス性肝炎C型、自己免疫性肝炎、薬物性肝障害などとの鑑別も必要です。

消化器内科、消化器科、内科の医師による治療では、脂肪肝と同じく、ライフスタイルの見直しを行い、低カロリーで栄養バランスのよい食事を心掛け、適度な運動を取り入れます。

肝臓に炎症や線維化がみられる場合は、そのまま放置すると悪化する恐れがあり、原因となる肥満、2型糖尿病、脂質異常症を食事療法、運動療法で改善することが重要です。

ライフスタイルを見直しても肝機能異常が治らない場合は、薬物療法が行われる場合もあります。抗酸化剤のビタミンE、ビタミンC、糖尿病治療薬のチアゾリジン系薬剤、ビグアナイド系薬剤、シダグリプチン、脂質異常症治療薬のフィブレート系薬剤、エゼチミブ、EPL、肝庇護(ひご)剤のウルソ、グリチルリチンなどが使用されるほか 、非アルコール性脂肪性肝炎では過剰な鉄が肝臓に負担を掛けますので、1日の食事中の鉄を6〜7ミリグラム以下に減らします。

また、脂肪性肝炎から肝硬変、肝臓がんへと進むことがあるため、肝機能を検査して常に確認しておくことが大切になります。

🇮🇳非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)

アルコールを全く飲まない人や、少しだけ飲む人に脂肪性肝障害がみられる病態

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD:Non-Alcoholic Fatty Liver Disease)とは、アルコールを全く飲まない人や、少しだけ飲むという人にもアルコール性肝障害に類似した脂肪性肝障害がみられる病態。

肝細胞に中性脂肪が沈着して、肝障害を引き起こす病態を脂肪性肝疾患といいます。そして、肝臓の組織で、脂肪滴を伴う肝細胞が30パーセント以上認められる場合を脂肪肝といいます。現在、検診受診者の20〜30パーセントは脂肪肝であり、頻度は年々増加しています。

この脂肪肝としては、以前は大量のアルコールを摂取する人に多くみられるアルコール性脂肪肝や、脂肪肝に肝炎を伴ったアルコール性脂肪性肝炎(ASH:Alcoholic Steato Hepatitis)が知られていましたが、アルコールを全く飲まない人や、少しだけ飲むという人にも、肥満や糖尿病などの生活習慣病の表現形として、飽食と運動不足による過栄養を基盤とした内臓脂肪の蓄積によって、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を発症することが多くなりました。

現在、成人の8パーセント程度は、非アルコール性脂肪性肝疾患であるといわれ、国内に約1000万人いると推定されています。

非アルコール性脂肪性肝疾患は、肝細胞に中性脂肪が沈着するのみの単純性脂肪肝(Simple Fatty Liver)と、肝細胞に脂肪が沈着するとともに炎症を起こし、線維化が進行する非アルコール性脂肪性肝炎(NASH:Non-Alcoholic Steato Hepatitis、ナッシュ)に大別されます。

後者の非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、成人の1パーセント程度にみられ、国内に約100〜200万人の発症者がいると推定されています。非アルコール性脂肪性肝疾患の重症型と考えられており、自覚症状がないまま、肝硬変に至り、肝臓がんを引き起こす可能性もあります。

単純性脂肪肝から非アルコール性脂肪性肝炎の発症に至る原因はまだはっきりとはわかっていませんが、2つのヒット理論が広く受け入れられています。肥満、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)などにより、肝細胞に中性脂肪が蓄積し、脂肪肝になるのが第1のヒット。さらに、炎症を起こす免疫物質や腸内細菌の毒にさらされたり、体内の活性酸素が増える酸化ストレスになったりする第2のヒットの刺激を受けると、非アルコール性脂肪性肝炎に進みます。

非アルコール性脂肪性肝炎は、単純性脂肪肝と同じく自覚できる症状はほとんどありません。しかし、一部の発症者では疲れ、だるさ、または右上腹部の不快感を感じることがあります。

40〜60歳の中年女性に最もしばしばみられ、その多くは肥満、2型糖尿病、または脂質異常症を示しますが、すべての年齢の男女に起こり得ます。

非アルコール性脂肪性肝疾患そのものでは自覚症状が出ることはほとんどないので、健診でチェックされるか、ほかの疾患で血液検査をした時に肝機能異常があって、発見の契機になることがあります。中には血液検査では肝機能正常の非アルコール性脂肪性肝疾患もあり、この場合は健診の超音波検査で指摘されることもあります。

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の検査と診断と治療

消化器内科、消化器科、内科の医師による診断では、単純性脂肪肝の程度が進み非アルコール性脂肪性肝炎が疑われる場合、画像検査や血液検査だけでは脂肪肝か脂肪肝炎か判断が付かないため、確定診断には、針を皮膚から肝臓へと突き刺し、肝臓の組織の一部を採取する肝生検を行います。

非アルコール性脂肪性肝炎で最も多くみられる検査所見の異常は、アミノトランスフェラーゼ(アミノ基転移酵素)値の上昇。肝酵素のAST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)値とALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)値の軽度の上昇もみられます。AST/ALT比は通常、1・0以下です。

アルコール性肝障害との鑑別が最も重要で、問診によってアルコール摂取量を把握することと、アルコール性肝障害ではAST/ALT比が1・0以上となることで鑑別します。ウイルス性肝炎B型、ウイルス性肝炎C型、自己免疫性肝炎、薬物性肝障害などとの鑑別も必要です。

消化器内科、消化器科、内科の医師による治療では、ライフスタイルの見直しを行い、低カロリーで栄養バランスのよい食事を心掛け、適度な運動を取り入れます。

肝臓に炎症や線維化がみられる場合は、そのまま放置すると悪化する恐れがあり、原因となる肥満、2型糖尿病、脂質異常症を食事療法、運動療法で改善することが重要です。

ライフスタイルを見直しても肝機能異常が治らない場合は、薬物療法が行われる場合もあります。抗酸化剤のビタミンE、ビタミンC、糖尿病治療薬のチアゾリジン系薬剤、ビグアナイド系薬剤、シダグリプチン、脂質異常症治療薬のフィブレート系薬剤、エゼチミブ、EPL、肝庇護(ひご)剤のウルソ、グリチルリチンなどが使用されるほか 、非アルコール性脂肪性肝炎では過剰な鉄が肝臓に負担を掛けますので、1日の食事中の鉄を6〜7ミリグラム以下に減らします。

また、非アルコール性脂肪性肝炎から肝硬変、肝臓がんへと進むことがあるため、肝機能を検査して常に確認しておくことが大切になります。

🟥ロッテ、ガム3商品3万個を自主回収へ 国内で認められていない食品添加物を使用

 ロッテは26日、「めっちゃふくらむフーセンガムボトル」(2024年7月発売)などガム3商品を自主回収すると発表した。回収個数は計約3万個になる見込み。原材料である「エンドウたんぱく」に、国内で使うことが認められていない食品添加物「メチルパラベン」「PEGエステル類」が含まれて...