2022/08/21

🇵🇰ターナー症候群

低身長を特徴とし、女性だけに起こる先天的な疾患

ターナー症候群とは、染色体異常のうちの性染色体異常の代表的な疾患で、女性にだけ起こる先天的な疾患。その最も大きな特徴は、背が低いことです。

他にも、首の回りの皮膚がたるんでいるためにひだができる翼状頸(よくじょうけい)、ひじから先の腕が外向きになる外反肘(がいはんちゅう)、乳房が大きくならない、初潮が来ないといった二次性徴欠如などの特徴があります。

ただ、症状にも個人差は大きく、例えば二次性徴に関して、中学生になっても性の発達が見られない女性が多い一方、ほぼ正常に二次性徴が現れるターナー症候群の女性もいます。中学生くらいまでは、低身長以外、あまり気になる症状がない女性も多くいます。また、合併症として、後天的に治療を要する症状が出てくる場合もあります。中耳炎、難聴、骨粗鬆(こつそしょう)症、糖尿病などがその例で、思春期年齢以降に起こることがあります。

ターナー症候群という疾患名は1938年、これを初めてきちんとまとめたアメリカの内科医ヘンリー・ターナーの名前に由来します。それから約20年後の1959年、染色体の検査が開発され、以後、ターナー症候群は染色体検査できちんと診断でき、幅広く見付けられるようになりました。しかし、この疾患は染色体異常が原因のため、今のところ疾患そのものを治す方法はありませんが、成長ホルモン治療で身長は改善し、二次性徴も女性ホルモン剤の使用で治療が可能です。

染色体は、体を作るすべての細胞の内部にあり、2つに分かれる細胞分裂の一定の時期のみ、色素で染めると棒状の形で確認できます。染色体には22対の常染色体と2対の性染色体とがあります。父親から22本の常染色体と1本の性染色体、母親から同じく22本の常染色体と1本の性染色体を受け継いで全部で46対の染色体を持つことになります。性染色体にはXとYという2つの種類があり、Xを2本持つ場合は女性に、XとYを1本ずつ持つ場合は男性になります。染色体は女性だと46XX、男性だと46XYということになります。

ターナー症候群の女性の場合の典型的な例は、45Xであり、Xが1つしかないものです。また、X染色体が2本あるのに先が欠けていたり、時には小さなY染色体の一部を持っていたり、46XXと45Xとが混ざり合っているモザイクを持つなど要因はさまざまです。

ターナー症候群の発生頻度は、1000~2000人に1人と推定されています。先天的な疾患の中では、かなり多いほうといえるでしょう。しかも、この染色体構造を持っていると圧倒的に流産の確率が上がりますので、受精卵の段階での発生数はかなりであろうと考えられます。

ターナー症候群の検査と診断と治療

早期発見が重要です。ターナー症候群という体質を正しく理解する時間的余裕が、本人と家族に得られます。背が低いのを少しでも高くしてほしいという女性に対して、よりよい治療成績も得られます。ターナー症候群における低身長症は成長速度が遅いわけですので、発見が遅れれば遅れるほど標準的な身長との差は開いて、せっかく治療しても取り戻すことが難しくなってきます。

また、低身長症の裏に重大な疾患が隠されていた場合、それを早い段階で見付けて、早く治療することが大事です。成長を促すホルモンを出す脳や甲状腺(せん)、あるいは栄養を体に活かす役割を担う心臓、腎(じん)臓、肝臓、消化器官そのものに異常がある場合は、一刻も早くその元凶を治していかなければなりません。

ターナー症候群の日本人女性は成長ホルモン治療を受けなかった場合、最終身長が平均139センチなので、治療希望の人には早期発見、早期治療は極端な低身長を防ぎ、最終身長を平均身長に近付ける上で効果が見られています。

ターナー症候群であることが確定すれば、そのすべての人に成長ホルモン治療が公費でできます。成長ホルモン治療の方法は、自己注射方法で、家庭で注射を行います。そのため、医師の適切な指示により注射をすることが必要です。年齢に応じ、夜寝る前に毎日、あるいは2日に1回注射をします。小さいうちは、親などが注射をし、自分でできるようになれば本人が行います。注射針はとても細く、痛みは少ないので心配ありません。

成長ホルモン注射は基本的に、最終身長に達するまで続けることが必要です。具体的には、年間成長率が1センチになった時か、手のレントゲンで骨端線が閉じる時まで、すなわち15〜16歳ころまで続けることになります。しかし、思春期の早い遅い、性腺刺激ホルモン分泌不全の有無によって治療期間が異なり、20歳を過ぎることもあります。身長の伸びの程度もさまざまな条件が関係してきますが、一般的にホルモン不足が重症なほど成長率も高いといえます。

成長ホルモン治療ではまれに、副作用がみられることもあります。注射した場所の皮膚が赤くなったり、かゆくなったり、注射部位がへこむこともあります。同じ場所ばかりに注射するのでなく、毎回注射する場所を変えることが重要です。 身長が伸びるのに伴って、関節が痛むこともあります。多くはいわゆる成長痛で、一時的なもので心配いりません。しかし、股関節の痛みが強い時や長時間続く時は、大腿骨(だいたいこつ)骨頭すべり症なども疑う必要があります。

一時期、成長ホルモン治療と白血病発症との関連性が心配されましたが、現在ではその関連性は否定されています。 原則として安全な治療薬ですが、治療中はもちろん、治療後も定期的に検査を行うなど、副作用がないかを専門医で調べる必要があります。

🇦🇫第一ケーラー病

足の中央部にある舟状骨が変形して、痛みが生じる子供の疾患

第一ケーラー病とは、足の中央部にある舟状骨が変形して、痛みを生じる疾患。幼児、小児期にみられ、特に4歳から7歳くらいの男児に多くみられます。

1908年に、ドイツのケーラーによって初めて報告されました。持続的な負荷がかかるなど何らかの原因で、舟状骨への血行障害が生じると、骨自体の組織が壊死(えし)するために変形して、偏平化します。両足に発生する例が約3分の1にみられ、症状に左右差があることも多くみられます。急性に発症することはまれで、慢性に経過することが多い傾向にあります。

土踏まずに痛みが生じ、はれることもあります。そのため、足の外側に体重を掛けて歩くために歩き方がおかしい、歩きたがらないといった症状を示します。しかし、足の形は正常で、関節の動きは障害されませんが、足首の内返しによって痛みを訴えることもあります。

多くの例では、1~2年後に自然経過で元の通りに戻ります。舟状骨が足の骨の中でも重要な役割を持っているため、歩行障害を生じることもあります。

成長期の子供に足の痛みの訴えがある場合は、小児整形外科を受診し適切な治療や経過観察を受けるべきです。

医師による診断では、X線写真を撮ると舟状骨の偏平化が見られます。リウマチ性疾患、捻挫(ねんざ)、骨髄炎との鑑別が必要ですが、X線像から区別は容易です。

治療では、軽度の場合、中足部にパッドを着けた厚い中敷きを作って靴に入れ、舟状骨、土踏まずへの体重負荷を減らして痛みを軽くし、他の疾患がないか時々X線写真で確認します。室内では自由に歩行して差し支えありませんが、激しい運動や、長距離の歩行などは控えめにします。

一般に予後は良好で、数カ月から数年で痛みもX線写真上の変化も消え、後遺症は残りません。万一、痛みが残った場合には別の疾患を考える必要があります。

痛みが強い場合、歩行用ギプスで3~6週間安静を保ちます。その後は軽度の場合と同様、靴の中敷きを用います。

🇦🇫第1中手骨基底部骨折

母指の中手骨の根元にある母指CM関節で関節内骨折が起こり、脱臼も生じる外傷

第1中手骨(ちゅうしゅこつ)基底部骨折とは、母指(親指)の先端部から根元に向かって強い力が加わったことにより、母指の中手骨の根元にある母指CM関節で関節内骨折が起こり、脱臼(だっきゅう)も生じる外傷。ベネット骨折、母指CM関節脱臼骨折とも呼ばれます。

ボクシングやけんかでパンチを出して自らの母指の先端部に衝撃が加わった時や、野球でボールが母指の先端部に当たった時、スキーでストックを握った状態で手を突いた時、自転車やバイクのハンドルを握ったまま転倒して母指の根元を打撲した時などに発生します。

母指CM関節は第1手根中手骨関節とも呼ばれ、母指の手前の甲の骨である第1中手骨と、母指の手根骨で手首にある第1手根骨(大菱形骨〔だいりょうけいこつ〕)の間にある関節で、母指が他の指と向き合って、物をつまんだり、握ったりなどの動作をする上で、大きな働きを担っています。

第1中手骨基底部骨折が発生すると、関節周辺に、はれや痛みが起こり、母指を動かしにくくなります。さらに、第1中手骨の根元に連結する筋肉である長母指外転筋が、母指を手首の方向に引っ張るので、第1中手骨の根元が外側に脱臼してきて、母指が変形してきます。

適切に治療せずにほうっておくと、脱臼を繰り返したり、関節の変形を生じたり、不安定性が残って痛みの原因となることがあります。けがで母指の根元に、はれや痛みが起こったら、早めに整形外科、ないし手の外科を受診することが勧められます。

第1中手骨基底部骨折の検査と診断と治療

整形外科、ないし手の外科の医師による診断では、症状から第1中手骨基底部骨折と判断し、X線(レントゲン)検査を行って確認します。

整形外科、ないし手の外科の医師による治療では、手で徒手整復して骨を元の位置に戻し、整復した状態が維持できる場合は、母指(親指)と示指(人差し指)を離した格好でギプス固定を施します。ギプス固定期間は、約4~5週間となります。

痛みに対しては、消炎鎮痛剤の内服、ステロイド剤(副腎〔ふくじん〕皮質ホルモン)の関節内注射を行います。

整復した状態が維持できず、骨折部がずれたり、関節内の骨片が安定しない場合は、鋼線と呼ばれる金属で骨を固定する手術か、金属のネジで骨を固定する手術を行います。その後、ギプス固定を施し、骨折が治癒した後に固定具の鋼線、ネジを除去します。

>痛みが強く、脱臼、亜脱臼を伴う高度な関節の変形が見られる場合には、第1手根骨(大菱形骨)の一部を取り除いて関節を作り直す関節形成術、関節を動かないように固定する関節固定術、人工関節を使う人工関節置換術などの手術を行います。

🇦🇫大血管転位症

大動脈が右心室から、肺動脈が左心室から出ている疾患

大血管転位症とは、正常の人とは反対に、右心室から大動脈、左心室から肺動脈が出ているもの。生まれ付き大血管の位置関係が反対、すなわち転位になっている先天性心臓病です。

この疾患には、完全大血管転位症と修正大血管転位症の2種類があります。右心房と右心室がつながり、左心房と左心室がつながっているのが完全大血管転位症、右心房と左心室がつながり、左心房と右心室がつながっているのが修正大血管転位症です。

完全大血管転位症は、新生児期にチアノ-ゼを来す先天性心臓病の中では最も多いものです。極めて重症の心臓病であり、心室中隔欠損や心房中隔欠損がなければ、あるいは動脈管が開いていなければ、全身に酸素を含んだ血液を送ることが不可能で生きていられないため、1950年代までは助ける手段がありませんでした。動脈管を開存させるプロスタグランディンという薬の登場と、心臓外科の進歩により、治療成績は飛躍的に向上し、今日では90パーセントを超える救命率に達しています。

合併している心臓病の有無により、症状、経過は異なります。心室中隔欠損を合併していないものでは、生まれた直後からチアノ-ゼを認め、以後進行します。心室中隔欠損を合併しているものでは、チアノ-ゼは軽度ながら、泣いた時などに顕著に現れます。生後3週間から6週間で、多呼吸、頻脈、多汗などの心不全症状が明らかとなります。心室中隔欠損と肺動脈狭窄(きょうさく)を合併しているものでは、症状と経過はファロ-四徴症に類似し、肺動脈狭窄の強いものはチアノ-ゼもより高度になります。手術治療を受けなければ、生後1年以内に90パーセントは死亡します。

一方、修正大血管転位症は比較的まれな疾患であり、左右の心房と心室の関係が入れ替わり、さらに心室と出口の大血管の関係が入れ替わっているために、血液の流れが大静脈→右心房→左心室→肺動脈→肺静脈→左心房→右心室→大動脈→大静脈となっています。体から戻ってきた静脈血が肺へ送られ、肺から戻ってきた動脈血が全身に送られて、血液の流れは修正されているため、修正大血管転位症と呼ばれるのです。

血流からは大きな異常がなく、正常に過ごすことも可能ですが、この修正大血管転位症でも、多くの例で心室中隔や心房中隔の欠損症や不整脈を伴い、それにより重症度に差があります。生後1カ月以内に心不全症状を来すものから、80歳まで天寿を全うするものまで、症状、経過は個々の症例によりさまざまです。

心室中隔欠損を合併し、肺動脈狭窄がないものは、症状出現が早く、乳児期早期に心不全症状を起こします。右心室の入り口の弁である三尖(さんせん)弁閉鎖不全を来すものは、幼児期以降に運動時の息切れを起こします。心室中隔欠損と肺動脈狭窄を合併するものは、チアノ-ゼを起こします。心室中隔欠損や肺動脈狭窄の合併のないものでは、成人期まで症状もなく経過し、健康診断での心電図異常で判明したり、房室ブロックなどで不整脈から息切れや意識消失発作を来たして見付かる場合もあります。

大血管転位症の検査と診断と治療

完全大血管転位症では、心臓超音波検査で診断が確定します。さらに、心臓カテーテル検査を行い、心臓を養う血管である冠動脈の走行、心室中隔欠損の有無や位置などを確認し、治療方針、手術方法が検討されます。また、心臓カテーテル検査に際しては、心房中隔欠損を通じる血流交通が十分かどうかも調べ、場合によっては、風船カテーテルを用いて左右の心房間の交通を広げる、バス(BAS:Balloon Atrial Septostomy )治療を行って、チアノ-ゼの改善を図ります。

修正大血管転位症では、健康診断で通常行われる診断聴診所見、胸部X線検査、心電図といった検査で疑われた場合、循環器を専門にしている医療機関で心臓超音波検査を受ければ確定診断がつきます。いろいろな不整脈を合併していることが多いため、24時間心電図や負荷心電図なども必要。手術治療が考慮される場合には、心臓カテーテル検査でさらに詳しく冠動脈、三尖弁、肺動脈弁の形態や他の合併疾患を調べることがあります。

完全大血管転位症の治療では、まず動脈管の開存を維持するプロスタグランディンの点滴投与を行って、肺への血流を維持します。上記のように、心臓カテーテル検査に際してバス治療を行って、チアノ-ゼの改善を図る場合もあります。

外科治療では、肺動脈狭窄がない場合、入れ替わっている大血管を元に戻す手術である大動脈スイッチ手術(ジャテネ手術、ジャテーン手術)が第一選択になります。この手術に際しては、単に出口の血管を入れ替えるだけでなく、大動脈の根元近くから出ている冠動脈を移植する必要があります。乳児期以降には、心房内血流転換手術(マスタード手術、セニング手術)を行う場合もまれにあります。

肺動脈狭窄を伴っていて、大動脈スイッチ手術が適さない場合には、体肺動脈短絡術などを行って肺への血流を増やした後に、3~5歳で肺動脈の再建を伴うラステリ手術が行われます。ラステリ手術は、動脈血を心室内導管を通して大動脈に、静脈血を心外導管を通して肺動脈に流すものです。

手術直後は、人工心肺の影響などから、強心剤や利尿剤を投与します。一時的に肺高血圧の悪化を生じる場合もあり、注意が必要です。長期的には、多くの場合は正常児に近い発育が見込まれますが、手術後に肺動脈狭窄、大動脈弁逆流、不整脈などを起こすことがあり、定期的なフォローアップが必要です。

修正大血管転位症の治療においても、合併する心臓病によって手術が必要な場合があります。特に、小児期にチアノ-ゼ、心不全を生じる場合は手術により、その後の発育、生活の質の改善が見込まれます。症例によっては、大動脈スイッチ手術と心房内血流転換手術を組み合わせたダブルスイッチ手術を行うことで、より長期に良好な心機能が期待できる場合もあります。

成人期の心不全症状に対しては内科的治療が第一となりますが、三尖弁逆流が進行してきた場合は外科治療も考慮されます。また、完全房室ブロックで徐脈による運動時の息切れ、意識消失発作などの既往があれば、ペースメーカー治療が考慮されます。動悸(どうき)発作など脈が速くなる頻脈性不整脈には、抗不整脈薬やカテーテル治療が考慮されます。

🇮🇷第5中足骨基部骨折

足の甲の部分に位置する第5中足骨の足首に近い基部に起こる骨折

第5中足骨(ちゅうそくこつ)基部骨折とは、足の第5趾(し)(小指)の根元、足の甲の部分に位置する長い骨である第5中足骨の足首に近い基部に起こる骨折。

第5中足骨基部はよく骨折を起こす部分で、骨折しても歩けることも多く、足首をひねった捻挫(ねんざ)と同じ形で受傷するので捻挫と思われがちですが、痛みのある部分や、はれのある部分が違いますので、よく観察すると区別が付きます。

骨折による症状は、足の甲の外側や小指の付け根の痛み、はれ、押すと痛む圧痛、歩行障害です。

骨折を起こす部分により、下駄(げた)履き骨折とジョーンズ骨折に、第5中足骨基部骨折は大きく分けられます。2つの骨折部の違いはわずか1センチほどですが、治療法や予後は大きく異なります。

下駄履き骨折は、ジョーンズ骨折より足首に近い基部での骨折で、かつて高下駄(げた)を履いている時に足をひねるとよく生じていました。現在は下駄を履く機会があまりありませんので、なくなったかというとそうではありません。下駄は履かなくても、裸足やサンダル履きの時、普通の靴を履いている時にも足をひねると発生することがあります。特に、厚底靴やハイヒールを履いている時は要注意です。

しかし、骨折に至っても、周辺に靭帯(じんたい)や腱(けん)が残存していて骨片の動きが少ないため、ある程度以上ずれることはあまりありません。比較的よく治り、ギプスがいらないこともあります。骨癒合しないこともありますが、動きがほとんどないため、関節部ではないのに関節のようになる偽関節になっても、症状を来すことはほとんどないとされます。

一方、発見者の名前に由来して称されるジョーンズ骨折は、下駄履き骨折より小指に近い第5中足骨基部での骨折で、前足部でみられる骨折の中でも難治性であるといわれています。サッカーやラグビーなど、カットプレーやステップターン、サイドステップやスワーブを行うスポーツをする人によくみられます。

つま先立ちの姿勢で足をひねり、一回の外力でこのジョーンズ骨折が生じる場合もありますが、一般には疲労骨折であると考えられています。カットプレーやステップターンなどで足の外側に体重がかかり、それを繰り返すことによって、第5中足骨基部にストレスがかかり、折れてしまうと考えられています。

中足骨は真っすぐな骨ではなく、丸くアーチ状になっていて、第5中足骨基部には3方向のストレスが常にかかります。最も足の外側にあるために地面からの力を直接受けやすいという条件下にあり、カット動作などを行う時、アーチがたわみ、ストレスがさらにかかり、針金が何度も曲げられると折れてしまうように、骨が疲労骨折してしまいます。

偏平足の人やアキレス腱の硬い人などがジョーンズ骨折を生じやすいといわれていますが、擦り減ったシューズを長年使用していたり、床が硬いところでプレーを続けることでも生じます。

疲労骨折は症状が急激に現れるのではなく、少しずつ痛みが慢性化していき、発生当初はレントゲンにも映らないため、痛みがあるままスポーツを続ける人も多くなってしまいます。

痛みがあるままプレーをすることで、疲労骨折が完全骨折になってしまったり、偽関節になってしまうこともあるので、痛みが続く場合は原因となるスポーツをしばらく休むことが必要です。

また、疲労骨折の場合は癒合に時間がかかる上、ジョーンズ骨折が生じる部分は血行が他の部分に比べて少ないので、骨が癒合しにくく、治りにくくなります。

第5中足骨基部骨折の検査と診断と治療

整形外科の医師による診断では、第5趾の中足骨の根元に明らかな圧痛を認め、内反ストレス(内返し)を加えると激痛を生じます。レントゲン検査の前後像と斜位像の2方向撮影で、確定診断されます。

しかし、ずれ(転位)のないケースでは、受傷した足部の状態を再現したストレスレントゲン撮影を行わないと、骨折が発見できないことがあります。従って、自覚症状と診察所見で第5中足骨基部骨折が疑われる場合は、必ずストレスレントゲン撮影を行うことが大切です。

整形外科の医師による治療では、下駄履き骨折の場合、骨折部のずれが少ないか亀裂(きれつ)骨折であるため、実際に手術の対象となる場合はまれです。ずれがなく痛みやはれが少ない場合は、湿布と弾力包帯だけを使用することもあります。厳重に固定をしなくても、骨折部の骨膜や靭帯の連続性が保たれているため、骨折部のずれが大きくなることはほとんどありません。

骨折の状態によって、ギプス療法や装具療法で経過観察します。ギプス装着の期間は1~4週間と状態によって異なり、また、取り外しができる足部だけの簡単なシーネなどで固定することもあります。 シーネやギプスをしない場合の注意事項は、痛みの出る動作を極力しないことです。一般的には、痛みがほぼなくなるには約1カ月、はれがなくなるには2~3カ月を要します。

ずれが著明なケースでは、経皮的骨接合術や内固定術などの骨接合術を検討します。

ジョーンズ骨折の場合、骨癒合が悪い部分であるため、保存治療を行っても治りにくい場合には、骨接合術を行うことがあります。

骨癒合や症状の状況に応じて、ストレッチング、筋力増強訓練なども行われます。治療後にサッカーやラグビーなどのスポーツを続ける人には、外側縦アーチを守るため、足底板をシューズに入れることを勧めることもあります。アーチを支える構造になっている足底板は、外側縦アーチにかかるストレスを小さくすることができます。足全体で体重を支えることを目的として、親指側にも足底板を追加することもあります。

🇮🇷第五病(伝染性紅斑)

ほおがリンゴのように真っ赤になるウイルス感染症

第五病とは、ほおがリンゴのように真っ赤になるウイルス感染症。伝染性紅斑(こうはん)、リンゴ病とも呼ばれます。

第一病が麻疹(ましん、はしか)、第二病が猩紅(しょうこう)熱、第三病が風疹(ふうしん、三日ばしか)、これらに似た赤い発疹が現れるものの実体がはっきりしない疾患が第四病というような分類が以前からあり、比較的最近認識された伝染性紅斑は五番目の赤い発疹が現れる疾患というわけで、第五病とされています。なお、第六病は、突発性発疹です。

また、日本においては、第五病(伝染性紅斑)は、感染症法での五類の小児科定点把握疾患であり、全国約3000の小児科定点医療機関で患者発生が把握されています。

第五病は、ヒトパルボウイルスB19(パルボウイルスB19)という大きさが20ナノ・メーターと小さなウイルスの感染によって、幼児から学童に多く発症します。年齢を重ねるとともに発生は減少する一方、20歳以上の大人の発生も少ないながらあります。

季節的には、春から初夏にかけて流行することが多いようで、限られた地域や集団の中での流行となるケースが多くみられます。感染力はそれほど強くなく、のどの分泌物の飛沫(ひまつ)によって、気道から主に感染し、ヒトパルボウイルスB19は骨髄の赤芽球前駆細胞で増殖します。その後、抗体が作られるとウイルス血症は消退し、発疹が出ます。

10~14日の潜伏期間を経て、両側のほおの赤い発疹から始まるのが普通です。1~2日後には肩から腕、太ももに赤い発疹が出現し、数日後にはまだらなレース編み模様になります。この発疹は、腕の露出した部分に最も強く現れて、手のひらや足の裏にはほとんど現れません。発疹がかゆいこともあります。

微熱や気分の不快、あるいは風邪の症状が、発疹が現れる2、3日前に出ることもあります。子供は通常、それほど具合は悪くなく、発疹は7〜10日で消えます。

ただし、数週間たってから、日光や運動、熱や発熱、精神的なストレスなどを切っ掛けに、いったん消失した発疹が再燃する場合もあります。

病原体であるヒトパルボウイルスB19に対して免疫を持っていない成人が第五病にかかった場合には、全く症状が出ないこともありますが、第五病の典型的な発疹が出たり、手や腕、膝(ひざ)、腰の関節のはれ、痛みが出ることもあります。関節のはれ、痛みは、通常1、2週間で治まりますが、数カ月続く場合もあります。

通常は軽度な疾患ですが、妊婦がヒトパルボウイルスB19に感染すると、重大な合併症が起きる可能性があります。風疹と同様に、第五病ではヒトパルボウイルスB19は胎盤を通過して胎児に感染を起こし、流産や死産、胎児の皮膚のむくみと貧血などを生じる胎児水腫(すいしゅ)を起こすことがあります。特に妊娠初期と中期の感染が危険で、妊娠前期の感染による胎児死は10パーセント未満に上ります。

子供の第五病では、ほおが赤くなった時はすでに感染する時期をすぎているので、学校や保育所に行ってもかまいません。ヒトパルボウイルスB19に感染した子供は、発疹が現れる前の初期の段階で、感染源となり得るからです。

あまりにも真っ赤なほおの時、かゆみが強くなった時、高い熱が出た時、元気がなくなってきた時なら、2~3日休ませ、内科、小児科の医師の診察を受けたほうが無難でしょう。

第五病(伝染性紅斑)の検査と診断と治療

内科、小児科の医師による診断は通常、第五病(伝染性紅斑)の流行状況、学童の感染が多いこと、両側のほおの赤い発疹が認められれば困難ではなく、検査を行うことはありません。多形滲出(しんしゅつ)性紅斑、じんま疹、薬疹など、斑状丘疹性疾患との区別を要することがあります。

確定診断のために、血清中の抗B19抗体(IgMおよびIgG抗体)の測定、または血清中のB19抗原もしくはウイルスDNAの検出を行うこともあります。ウイルス血症時に血液検査を行った場合、網状赤血球、好中球、血小板、ヘモグロビンなどの減少がみられますが、これらの値は発疹が出た時期には回復していることが多くなっています。

内科、小児科の医師による治療では、ヒトパルボウイルスB19の特効薬はないため、必要に応じて対症療法を行います。かゆみが強い時は、抗ヒスタミン剤を処方します。年長児~成人で膝や腰に発生することがある関節痛に対しては、鎮痛剤が使われることがあります。

子供では、特別な治療を受けなくても、時期がくれば自然に治り、予後は良好です。

予防法としては、手によってウイルスを運んでしまうケースもあるので、よく手を洗うことが有効です。第五病に対するワクチン(予防接種)は、ありません。

🇮🇷体質性黄疸

遺伝的体質により、生まれながらにしてビリルビンが体内から排出されにくいために黄疸を生じる疾患

体質性黄疸(おうだん)とは、遺伝的体質により、生まれながらにしてビリルビン(胆汁色素)が体内から排出されにくいために、黄疸を生じる疾患。

血液の赤血球の中には、ヘモグロビン(血色素)という物質が含まれています。ヘモグロビンは酸素を運ぶ役割を担っているのですが、寿命を120日とする赤血球が古くなって壊される際に、ヘモグロビンが分解される過程でビリルビンが作られます。

本来、脾臓(ひぞう)などで作られたビリルビンは血液に入って肝臓に運ばれ、肝臓で生成される消化液である胆汁の中へ排出され、その胆汁の成分として胆道を通って小腸の一部である十二指腸の中に排出され、最終的には便と一緒に体外へ排出されます。便の黄色は、このビリルビンの色です。

ビリルビンが体内で異常に増え、体内に一定量以上残った場合は、組織に蓄積するために皮膚などが黄色くなり、これを黄疸といいます。

従って、赤血球や肝臓の細胞が急に壊された時や、胆道が結石や悪性腫瘍(しゅよう)などで閉塞(へいそく)した時などに、黄疸はよく現れます。しかし、このような疾患がないにもかかわらず、しばしば黄疸を認める場合は体質性黄疸が疑われ、その原因はビリルビンの肝臓の細胞の中への取り込みや、十二指腸の中への排出がほかの人より行われにくいという遺伝的なものと見なされます。

この体質性黄疸は、クリグラー・ナジャール症候群、ジルベール症候群、デュビン・ジョンソン症候群、ローター症候群の4つに分類されます。クリグラー・ナジャー症候群は重い疾患で治療が必要ですが、ほかの3つの症候群は体調が崩れた時に黄疸が生じる程度で、ほとんど治療の必要はありません。

クリグラー・ナジャール症候群が新生児期から発症して黄疸を来すのに対して、ほかの3つの症候群では思春期以降の発症になります。

クリグラー・ナジャール症候群では、脂溶性で細胞毒性の強い間接型ビリルビンが優位となり、ジルベール症候群でも、間接型ビリルビンが優位となり、思春期以降に発症します。これとは反対に、デュビン・ジョンソン症候群とローター症候群では、水溶性で細胞毒性の弱い直接型ビリルビンが優位となり、いずれも発症は思春期以降です。

クリグラー・ナジャール症候群は、細胞毒性の強い間接型ビリルビンを細胞毒性の弱い直接型ビリルビンに変換する唯一の酵素の活性が低下しているため、間接型ビリルビン優位の高ビリルビン血症を示すことが特徴です。

このクリグラー・ナジャール症候群には、変換酵素の活性が完全に欠けているため、生後まもなくから長引く核黄疸、もしくはビリルビン脳症と呼ばれる状態を示す生命予後の不良な重症型と、酵素の活性は正常の10パーセント未満を示すものの、問題なく成長し、黄疸以外の症状は認められない軽症型があります。

いずれの型も家族性に発症し、遺伝形式は常染色体劣性とされていますが、軽症型の中には、常染色体優性遺伝の形式をとるものもあります。

活性がゼロの場合には、高度の新生児黄疸を来してビリルビンが脳細胞まで侵すことがあり、後遺症を残したり、幼児期のうちに死亡してしまうこともあります。

ジルベール症候群は、体質性黄疸の中で最も多くみられるのもので、100人に3人くらいにみられます。肝臓の細胞による間接型ビリルビンの取り込みから、直接型ビリルビンに変換するまでのいずれかの部位の障害が原因で発症します。

常染色体優性遺伝の形式を示す頻度が高いものの、原因が単一でないため遺伝形式もさまざまです。黄疸の程度は軽度にとどまり、日常生活に何ら支障はありません。

デュビン・ジョンソン症候群は、肝臓が色素の沈着により特徴的な黒色を示し、ローター症候群は、肝臓の色素沈着はありません。両症候群とも、黄疸以外にはほとんど症状はなく、日常生活に何ら支障はありません。

体質性黄疸の検査と診断と治療

小児科、内科、消化器科の医師による診断では、主に問診と画像検査を行います。問診では、体質性黄疸を患っている家族の有無、過去の黄疸歴・手術歴・輸血歴などの有無、黄疸に伴う意識障害や貧血などほかの症状とその発症時期、尿便の色、皮膚の掻痒(そうよう)感、全身状態など細かく調べます。

問診でわからなかった場合に、画像検査を行います。主に超音波(エコー)検査が行われ、これによって確定します。

クリグラー・ナジャール症候群の診断では、血清中の間接型ビリルビン値の上昇、および胆汁中の直接型ビリルビン値の低下により判断します。重症型と軽症型の区別には、フェノバルビタールという薬剤を投与し、間接型ビリルビンを直接型ビリルビンに変換する酵素の有無を調べる方法があり、酵素の活性が残っている場合には活性の上昇が認められます。

小児科、内科、消化器科の医師による治療では、ほとんどの体質性黄疸の場合、黄疸の程度は軽度なことが多く、日常生活に支障がないので治療はしません。ただ、体調が優れない時に黄疸が濃く出る場合があるので、ストレスのかからない生活を心掛けてもらいます。

美容的な観点から黄疸を軽くしたい時には、フェノバルビタールの内服が有用ですが、原則はあくまで無治療です。

クリグラー・ナジャール症候群の重症型では、間接型ビリルビン値を下げるために、光エネルギーでビリルビンをサイクロビリルビンに変化させて排出させる光線療法を行ったり、ビリルビン合成を抑えるための薬剤、便への排出を促すための薬剤を投与します。しかし、成長とともにこれらの治療効果が低下し、最終的には肝移植療法が必要になります。軽症型では、フェノバルビタールの投与が有効です。

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 千葉県旭市にある農場で死んだうずらから「高病原性」の疑いがある鳥インフルエンザウイルスが検出され、県はこの農場で飼育されているおよそ10万8000羽の処分を始めた。千葉県内で鳥インフルエンザの感染が確認されたのは今シーズン初めてである。全国では18例目。  千葉県によると、2...