2022/08/21

🇨🇿全身性エリテマトーデス

全身に症状が現れる膠原病の一つ

全身性エリテマトーデスとは、全身に症状が現れる疾患で、代表的な膠原(こうげん)病の一つ。現在の日本では10万人に7〜8人の発症率で、発症しやすい年齢は20歳〜40歳、その90パーセントは女性です。

発症させる原因は、まだ解明されていません。体質、素因、免疫の異常、環境因子が関係して発症すると推定されています。免疫の異常は、自分の体の成分に対して反応する異常であるために、自己抗体が血液中にみられます。特に抗核抗体、中でもDNA(デオキシリボ核酸)に対する抗体が血液中に現れるのが、特徴です。

全身性エリテマトーデスを発症させる誘因には、海水浴やスキーなどで強い紫外線を浴びたり、薬剤、ウイルス感染、外傷、ストレス、さらには妊娠、出産などがあります。

全身性エリテマトーデスの最も特徴的な症状は、皮膚の露出部に赤い斑点(はんてん)、紅斑が現れることです。顔では鼻を中心に両側のほおにかけて、蝶(ちょう)が羽を広げたような形の蝶型紅斑ができます。また、手のひら、つめの周囲、足の裏、胸にも紅斑がみられます。

紅斑は厚く盛り上がることもありますが、痛みやかゆみはありません。ただし、紅斑が治った跡に瘢痕(はんこん)が残ったり、色素沈着や色素脱失になることがあります。

髪の毛が抜けたり、つめが変形したり、日光に当たるとひどい日焼けをして火膨れができる光線過敏症などもみられます。寒冷刺激や精神的ストレスに反応して、手や足の指が真っ白になったり、青紫色になったりし、しびれ、冷感、痛みなどの症状を伴うレイノー現象も、よくみられます。

内臓に現れる症状では、腎(じん)臓がよく侵されます。これはループス腎炎と呼ばれ、むくみや蛋白(たんぱく)尿がみられますが、初期には症状として出にくいため要注意。心膜や胸膜に炎症が起こることもあり、胸痛、発熱を起こします。

脳や神経に障害が起こると、けいれん、まひがみられることもあります。関節痛もみられますが、関節リウマチのような関節の変形、運動機能の障害はありません。

全身性エリテマトーデスの検査と診断と治療

診断のために必要な検査は、免疫血清や血液の検査です。免疫血清検査では、全身性エリテマトーデスに高頻度にみられる血清中の抗核抗体を調べます。また、血液検査によって 貧血の程度や白血球減少、血小板減少の有無を調べます。

そのほか、尿や血液の検査によって、ループス腎炎やネフローゼ症候群、腎臓の機能障害が起こっていないかを調べます。また、侵された臓器の病状を知るために、必要に応じてX線検査、CT検査、MRI検査、心電図などの検査を行います。

全身性エリテマトーデスの治療においては、内臓の炎症には副腎皮質ホルモン(ステロイド剤)が有効で、効果を発揮しています。炎症が強くて症状が重い場合には、大量に投与され、症状が安定すれば徐々に量を減らしていきます。腎臓に障害が現れた場合には、免疫抑制剤が用いられたり、血漿(けっしょう)交換療法が行われることもあります。

ステロイド剤の使用により、予後はかなり改善しましたが、治療に用いられる薬はいずれも副作用があります。加えて、いつ、どれぐらいの期間をかけて投与量を減らすかが非常に難しいため、医師の指示を守って治療を続けることが大切。腎臓の機能低下が起こった場合には、血液透析が必要になります。

生活上の注意としては、全身性エリテマトーデスを発症させる誘因があると悪化するため、強い紫外線や感染症には細心の配慮が必要です。治療のためにステロイド剤を使うと感染症にかかりやすくなるため、清潔を心掛け、インフルエンザが流行している時期は人込みを避けるなど、注意します。

比較的若い女性がかかることが多いため、妊娠や出産の問題があった際には、医師に相談します。病状が安定していれば、妊娠、出産は十分に可能です。また、経済的な問題では、全身性エリテマトーデスは厚生労働省の特定疾患に認定されているので、医療費の助成を受けることができます。

🇮🇩全身性硬化症

皮膚が硬くなるのを特徴とする膠原病の一つ

全身性硬化症とは、皮膚や内臓が硬くなるのを特徴とする膠原病の一つ。別名を強皮症といいます。

30〜50歳代の女性に多くみられ、男女比は1:9、日本での発症者は推定で6000人。自己抗体の産生など原因は複雑であり、はっきりとはわかっていません。

最初にみられる症状は、冷水などに触れると手指が真っ白から青紫色になるレイノー現象で、その後、徐々に進行していきます。手指がこわばって、はれぼったくなり、皮膚が硬くなってきて、皮膚の色も黒くなります。中には、皮膚硬化がゆっくりとしか進行しないケースも多く、疾患に気が付かなかったり、医療機関を受診しても診断されなかったりすることもしばしばあります。

さらに進行した場合は、指が曲がったまま伸ばせなくなります。そのため、物をつかむことができにくくなります。指先に潰瘍(かいよう)ができたり、つめが変形することもあります。次第に、皮膚の硬化が全身に広がることもあります。

顔面の皮膚が硬くなると、表情が乏しくなる仮面様顔貌となり、口が開けにくくなったり、口の周囲に放射状のしわができます。

食道に硬化が及ぶと、胃酸が食道に逆流して胸焼けや、つかえる感じがします。腸に病変が起こると、下痢や便秘のほか、栄養を吸収しにくくなり、やせます。肺に病変が起こると、せき、息切れを引き起こします。腎(じん)臓に病変が起こると、血管の障害によって高血圧が生じる強皮症腎クリーゼを引き起こし、急激な血圧上昇とともに、頭痛、吐き気が生じます。腎不全を引き起こすこともあります。

全身性硬化症の検査と診断と治療

全身性硬化症では、発症5〜6年以内に皮膚硬化の進行と内臓病変が出現してきます。発症5〜6年を過ぎると、皮膚は徐々に軟らかくなってきて、皮膚硬化は自然によくなります。しかし、内臓病変は元には戻りませんので、できるだけ早期に治療を開始して、内臓病変の合併や進行をできるだけ抑えることが極めて重要となります。

医師による検査では、皮膚硬化のはっきりしない発症間もないケースや、症状の軽いケースでは、皮膚硬化の有無を確認するための皮膚生検が重要となります。この検査は皮膚の一部を切り取って、顕微鏡を用いて判断するもの。局所麻酔をかけて行われるので、痛みはほとんどありません。皮膚硬化がはっきりしているケースでも、どの程度皮膚硬化が進行しているかを判断する上で、皮膚生検は不可欠です。

一般血液検査の中で、最も重要な検査は抗核抗体の検査です。全身性硬化症の発症者では90パーセント以上で抗核抗体が陽性となりますので、診断するためには非常に有用です。内臓の変化を調べるさまざまな検査も、全身性硬化症と診断するために不可欠です。

全身性硬化症自体を根本から治療する方法は、まだ解明されていません。レイノー現象を始め、症状に応じた治療が行われます。ある程度の効果を期待できる治療法としては、皮膚硬化に対してステロイド剤、肺の病変に対してシクロホスファミドないしエンドセリン受容体拮抗剤、食道の病変に対してプロトンポンプ阻害剤、血管の病変に対してプロスタサイクリン、強皮症腎クリーゼに対してACE阻害剤などの薬剤の使用が挙げられます。肺や腎臓に病変が起こった場合は、入院治療が必要です。

🇮🇩全身性肥満細胞症

皮膚のみならず、体のさまざまな部位に肥満細胞が異常に蓄積する疾患

全身性肥満細胞症とは、皮膚のみならず、体のさまざまな部位に肥満細胞が異常に蓄積する疾患。まれながら、難治性の疾患です。

マスト細胞とも呼ばれる肥満細胞の数が増加して、組織に蓄積すると発症します。肥満細胞は免疫システムを構成する細胞の仲間で、アレルギー反応や胃酸の分泌に関与する物質であるヒスタミンを産生します。この全身性肥満細胞症では肥満細胞の数が増えるので、ヒスタミンの量も増加します。しかし、何が原因で肥満細胞の数が増えるのかは、わかっていません。

全身性肥満細胞症にかかるのは、ほとんどが成人で、肥満細胞が皮膚のみならず、胃、腸、肝臓、脾臓(ひぞう)、リンパ節、骨髄に蓄積します。

この場合も、組織がほとんど影響を受けずに機能し続ける可能性はありますが、白血球が産生される骨髄に過剰に肥満細胞が蓄積すると、血液細胞を十分に産生できなくなって、骨髄球性白血病などの重い血液疾患を発症することがあります。そのほかの臓器でも、肥満細胞が多数集まると機能不全が起こり、結果として生命にかかわることがあります。

全身性肥満細胞症を発症すると、肥満細胞が皮膚のあちこちに蓄積して、小さくて赤みがかった褐色の発疹(はっしん)や丘疹をつくる色素性じんま疹を起こします。

発疹や丘疹をこすったり引っかいたりすると、かゆくなることがあります。かゆみは、温度の変化、衣類などによる摩擦、薬の使用などでひどくなることがあります。熱い飲み物、香辛料の入った食品、アルコール類の摂取、そして運動によってもかゆみが増す場合があります。

消化性潰瘍(かいよう)も起きることがありますが、これはヒスタミンが過剰に産生されて胃酸の分泌を促進するためです。潰瘍によって腹痛が起き、吐き気、嘔吐(おうと)、慢性の下痢が起きることもあります。

さらに、肝臓と脾臓が機能不全を起こして腹水がたまった場合は、腹部が膨隆します。骨髄で肥満細胞が増殖すると、骨の痛みが現れます。

症状は広範囲にわたり、重症化して、失神したり生命にかかわるほど血圧が急激に低下するアナフィラキシー様反応を引き起こす傾向があります。アナフィラキシー様反応とは、アナフィラキシー反応に似ていますが、アレルゲンによって引き起こされるものではありません。

全身性肥満細胞症の検査と診断と治療

皮膚科、内科などの医師による診断では、特徴的な症状から全身性肥満細胞症を疑い、皮膚または骨髄の生検により診断を確定します。通常は皮膚の組織を採取して、顕微鏡を使って肥満細胞の有無を調べます。骨髄の組織を採取して、顕微鏡を使って肥満細胞の有無を調べることもあります。

また、血液検査で肥満細胞に関連する化学物質の量を調べます。化学物質の量が増えていれば、全身性肥満細胞症と診断する根拠になります。

皮膚科、内科などの医師による治療では、皮膚症状の悪化やかゆみを抑制するために抗ヒスタミン剤を投与し、胃酸を抑えるためにヒスタミンH2受容体拮抗(きっこう)剤(H2ブロッカー)を投与します。クロモグリク酸を投与すると、消化器症状と骨の痛みを軽減できます。

白血病を発症した場合には、抗がん剤を週に1回、皮下に注射すると、骨髄への影響を抑えられることがあります。短期間であればステロイド剤の投与も効果的です。しかし、3~4週間を超えて投与を続けると、さまざまな重い副作用が起きることがあります。

脾臓に多量の肥満細胞がたまっている場合には、脾臓を摘出することがあります。

🇮🇩尖足

足先が下垂して背側に上げることができない変形状態

尖足(せんそく)とは、足関節が足底のほうへ屈曲した位置に拘縮した変形状態。

足先が下垂して背側に上げることができず、多くは足首からかかとなどが内側に変形している内反足となって現れます。歩く時、かかとを地面に着けることができずに、足先で歩くような状態になります。

多くは、下腿(かたい)の背屈筋と底屈筋の牽引(けんいん)力のバランスの差によって生じます。先天性と後天性に分けられますが、先天性尖足はまれです。

代表的なものは、麻痺(まひ)性尖足、痙直(けいちょく)性尖足、習慣性尖足。

麻痺性尖足は、腓骨(ひこつ)神経麻痺、シャルコー・マリー・トゥース病などの末梢(まっしょう)神経麻痺や、脊髄(せきずい)性小児麻痺などからくる下腿前面の背屈筋の筋力が低下または消失することに伴ってみられます。筋ジストロフィーなどの筋神経疾患によるものも多くみられ、アキレス腱(けん)の筋腹の外傷や筋炎により、筋の拘縮を起こした時にもみられます。

痙直性尖足は、脳性小児麻痺や、脳梗塞(こうそく)や脳出血などの脳卒中後の片(へん)麻痺などからくる下腿後面の底屈筋のけいれんに伴ってみられます。

習慣性尖足は、長期にわたる病臥(びょうが)中の足の重みや、掛け布団の圧迫などに伴ってみられます。

また、片方の下肢が短い時、それを補うために尖足になることもあります。

尖足の検査と診断と治療

整形外科、神経内科、内科の医師による治療では、腓骨神経麻痺などの末梢神経麻痺による尖足に対しては、回復の可能性のあるものや原因が明らかでないものは、保存療法を行います。保存療法には、圧迫の回避・除去、局所の安静、薬剤内服、運動療法などがあります。

腓骨神経麻痺の場合、症状が軽く、足を組むなどの明らかな誘因がある場合には、生活習慣の改善で軽快することがほとんどです。3カ月ほど様子を見て回復しないもの、まひが進行するものでは、手術が必要になります。骨折などの外傷や腫瘤(しゅりゅう)によるものは、早期に手術が必要です。

神経損傷のあるものでは、神経剥離(はくり)、神経縫合、神経移植などの手術が行われます。神経の手術で回復の望みの少ないものは、ほかの筋肉で動かすようにする腱(けん)移行手術が行われます。尖足のままだと、歩くことも困難で日常生活を送るのにも非常に不便ですから、足首を固定する距腿(きょたい)関節固定術が行われることもあります。

アキレス腱の筋腹の外傷や筋炎による尖足に対しては、アキレス腱延長術や腱移行術などの手術療法が行われます。

脳性小児麻痺や、脳卒中後の片麻痺などによる尖足は、原因となる疾患の治療に際して、足関節に副子や足板を直角に当てて固定し、発生を防ぎます。

習慣性尖足の予防には、副子や足板を用いて足首を直角に保ち、布団の重みが足に加わらないように離被架という足を保護する器具を用いたり、マッサージや足関節の自他動運動を行うことが大切です。

下肢が短いのを補うための尖足は、矯正治療してしまうと逆に不便にしてしまいます。

🇧🇳先端巨大症

骨の発育が止まった後に、脳下垂体から成長ホルモンが過剰分泌されて起こる疾患

先端巨大症とは、脳下垂体から成長ホルモンが過剰に分泌されるために起こる疾患。末端肥大症とも呼ばれます。

この先端巨大症は、骨の末端部分の骨端線が閉鎖して骨の発育が止まった後、すなわち思春期が終了した後に起こります。一方、骨端線が閉鎖する前の発育期に、脳下垂体から成長ホルモンが過剰に分泌されると、巨人症が起こります。先端巨大症、巨人症とも大部分は、脳下垂体に腫瘍(しゅよう)ができ、そこから成長ホルモンが過剰に分泌された場合に起こります。

脳下垂体に成長ホルモンを作る腫瘍が生じる原因ははっきりわかってはいませんが、もともと成長ホルモンを作っている細胞が腫瘍化して、成長ホルモンを過剰に産生、分泌するようになるとの考えがあります。膵臓(すいぞう)や肺に、まれに発生する特定の腫瘍でもホルモンが産生され、脳下垂体を刺激して過剰な成長ホルモンが作られこともあります。

先端巨大症は多くの場合、骨の発育が止まって長い年月が経過した30〜50歳で発症します。発症すると、手足が大きくなり、特有な顔や体形を示します。普通、少しずつ変化が生じるために、自分や周囲の人が気付くころにはかなり進んでいることも多いようです。

手足が大きくなるために、より大きいサイズの指輪、手袋、靴、帽子が必要になります。あごの骨の成長過剰で、あごが突き出ます。声帯の軟骨が厚くなるため声は太く、かすれます。肋骨(ろっこつ)が肥厚すると、樽(たる)のように胸板が厚くなります。関節の痛みがあり、長年経過してから体が不自由になる変形性関節炎になることがあります。

舌は肥大して、溝ができます。体毛は硬く濃くなり、皮膚の肥厚で増加します。皮膚の皮脂腺(せん)と汗腺は肥大し、大量の発汗と不快な体臭を発します。心臓が肥大し、機能が著しく損なわれると、心不全を起こすことがあります。時には、肥大した組織が神経を圧迫し、腕や脚に不快な感触や脱力感を覚えます。目から脳へ情報を伝える神経も圧迫されることがあり、視覚、特に視野の外側が損なわれます。脳が圧迫されると、ひどい頭痛が生じることがあります。

そのほか、性機能の低下、女性の場合は無月経などの症状を生じることもあります。また、糖尿病や高血圧症で治療中の人の中に発見されることもあります。

先端巨大症では腸のポリープ、悪性腫瘍、糖尿病、心血管系の合併症が多くみられ、そのまま放置しておくことは危険なので、早期に治療が必要です。 内科ないし内分泌科の専門医の診察を受けて下さい。

先端巨大症の検査と診断と治療

医師による診断は、症状、血中ホルモンの測定、および画像検査により行われます。検査では、まず血中の成長ホルモンを測ります。ブドウ糖液を飲んで、血中の成長ホルモンを測定する検査も行われます。血中の成長ホルモンは正常者ではブドウ糖により低下しますが、先端巨大症では低下が認められません。また、血中の成長ホルモンは分泌が不規則なために、最近は、成長ホルモンにより作られるインスリン様成長因子(IGF―I)というホルモンの信頼性が高いといわれており、診断のために測定されています。

画像検査として、X線写真で骨や軟部組織の肥厚の評価をし、MRIやCTで脳下垂体の腫瘍を見付けることも重要です。

医師による治療は、第一に手術が考慮されます。鼻腔(びくう)から脳下垂体と接している骨を削り、脳下垂体の腫瘍を摘出する方法が一般的に行われています。腫瘍が小さいと完治させることも可能ですが、大きい場合や周囲に広がっている場合は、完全に取り除くことは難しくなります。

その場合は、放射線や薬による追加治療が行われます。コバルトやリニアックを照射する放射線治療では、効果が出るまでに数年かかり、ほかの脳下垂体ホルモンの分泌が低下することがあります。多くの場合、定位手術的照射という直接的照射治療が、治療効果を早く得るため、そして正常な脳下垂体組織を残すために行われています。

薬による治療でも、時にはブロモクリプチンなどのドーパミン作用薬が有効で、錠剤を服用することで成長ホルモンの量を減らせます。最も有効なのは、成長ホルモンの産生と分泌を正常に遮断するソマトスタチン系のホルモンの皮下注射です。注射薬にはオクトレオチドや、持続型インスリンアナログもあり、1カ月に1回程度の投与ですみます。これらの薬で治癒するわけではありませんが、使用し続けている限り、多くの人で先端巨大症を制御する効果があります。

🇧🇳穿通枝梗塞

脳深部の細い動脈にできる直径15ミリ未満の小さな梗塞

穿通枝梗塞(せんつうしこうそく)とは、脳の深部を走っている極めて細い血管に起きた動脈硬化が原因となって、発症する小さな脳梗塞。ラクナ梗塞とも呼ばれます。

穿通枝梗塞は通常、脳の深部にある0・4ミリ以下の非常に細い血管である穿通枝(穿通枝動脈)が狭くなり、この部位に血の固まりである血栓が形成されて、最終的に血管が閉塞して生じるとされています。極めて細い血管の閉塞により生じる脳梗塞なので、病変の大きさは直径15ミリ以下です。直径15ミリを超える梗塞は、穿通枝梗塞とはいいません。

血管の閉塞のほかに、不整脈や心臓の疾患で心臓内で血栓が形成され、この血栓が流れて飛んで、脳の深部の極めて細い血管を閉塞させることもあります。血管の閉塞により、脳の組織の一部が壊死して脱落し空洞を残します。

この穿通枝梗塞は、小さな梗塞であるため、脳梗塞の中では最も症状が軽症です。ほかの種類の脳梗塞であるアテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓と違い、大きな発作が起こることはありません。

その症状は穿通枝症候群といい、運動まひ、しびれなどの感覚障害が主に起こります。そして、症状は段階的に現れて、少しずつ進行していきます。穿通枝梗塞が発症することが多いのは、安静時で、特に睡眠中です。朝起きた時にも、起こることが多くみられます。

また、穿通枝梗塞では梗塞する部分が極めて小さいので、症状が出ないことがあります。これを無症候性脳梗塞、あるいは隠れ脳梗塞といい、運動障害や感覚障害などの自覚症状を感じないまま、小さな脳梗塞が起こります。高齢者に多くみられ、高血圧、高脂血症、糖尿病などがあると発症する確率が高くなります。

ほとんどが直径15ミリ以下の小さな梗塞ですが、そのまま放置しておくと、梗塞の数が増えたり、梗塞が脳のいろいろなところに発生して、多発性脳梗塞になります。多発性脳梗塞になると、手足や顔面のしびれ、軽いまひ、言語障害、歩行障害、食べ物を飲み込みにくくなる嚥下(えんげ)障害などの症状がみられます。また、認知症の原因となることもあります。

多発性脳梗塞の一番の危険要因は、高血圧です。高血圧は、血管の内側の壁に強い圧力を加えます。そのために、血管の内側の壁が傷付いて、どんどん硬くもろくなり、動脈硬化が発症します。動脈硬化が起こると、血管の血液が通る部分が狭くなり、血流が途絶えて脳梗塞になる危険が増すのです。

穿通枝梗塞の検査と診断と治療

脳神経外科、脳外科、神経内科の医師による診断では、MRI(磁気共鳴画像)で脳血管の様子を調べるほか、超音波検査で首を通る頸(けい)動脈が動脈硬化を起こして狭くなっていないかどうかを調べます。頸動脈で血栓ができて脳に流れると、脳血管が詰まる恐れがあるためです。

脳神経外科、脳外科、神経内科の医師による治療では、血管が狭くなっていれば、血液を固まりにくくするアスピリン、塩酸チクロピジン、シロスタゾールなどの抗血小板剤を使用します。

脳血管がこれ以上詰まらないようにするには、血圧の管理が大切です。塩分を控え、過カロリー、脂質過多の食生活を見直して、魚や植物性蛋白(たんぱく)質中心の日本食を取り入れるなど食生活に気を配り、50歳代であれば、上は130未満、下は80未満を目標にします。毎日30分程度歩くこともお勧め。水分はしっかり補給し、節酒や禁煙も必要です。

適正な血圧は、年齢や心臓病や糖尿病の有無、コレステロール値などによって変わってきます。掛かり付け医を持ち、指導を受けるといいでしょう。

穿通枝梗塞が進行した多発性脳梗塞で起こりやすい認知症には、根本的な治療はありません。デイケア、デイサービスへの通所や、家族の協力のもとでの散歩や、食事、テレビ、清掃、おやつ、会話など、生活習慣を規則正しく続けることで、脳を活性化させ、症状が改善したり、進行が遅れたりということがあります。

🇧🇳前庭神経炎

強いめまいが起こるものの、難聴や耳鳴りは伴わない耳の疾患

前庭(ぜんてい)神経炎とは、強いめまいが突発的に起こって歩くこともできず、吐き気などを伴う疾患。30歳~50歳代の人に起こりやすいといわれています。

前庭神経炎の症状の特徴は、周囲の景色がグルグル回るめまいが激しく起こることです。吐き気、嘔吐(おうと)、冷や汗を伴うものの、メニエール病とは違って、耳鳴りや難聴などの聴覚の症状は伴いません。

めまいは少しずつ軽くなっていきますが、発症から1週間程度は歩行に困難を感じます。めまい自体が2、3週間くらいでほぼ治まった後も、体を動かした時や歩く時のふらつきはしばらく持続するのが一般的です。時には、6カ月くらいたってもふらつきが持続することがあり、生活に支障が起きます。

原因は不明。風邪の後にかかりやすいため、風邪のウイルスによる感染で片側の内耳の中に炎症が起き、体の平衡をつかさどる前庭器官が急激に障害されるのが、原因ではないかと考えられています。

めまいが続く間は、できるだけ安静にしておきましょう。部屋を暗くして、床の中で目をつぶって、めまいを落ち着かせます。

前庭神経炎の検査と診断と治療

前庭神経炎は、早期の診断と治療が必要です。ほかのめまいを起こす疾患との区別も早くしなければなりませんので、できるだけ早く専門医の診察を受けます。

医師による聴力検査では正常の場合が多く、温度眼振検査では患っている側の耳の温度反応が高度に低下したり、反応がなくなったりします。めまい発作の時には、方向が固定された水平性眼振を認めます。

治療では、安静と薬物療法が主体になります。薬は抗めまい薬やビタミン剤などが主に用いられ、発症者の不安が大きい時は抗不安剤などが用いられます。早期に治療すれば、一度障害を受けた前庭機能が回復することがあります。このような時には、比較的早くめまいが軽くなります。

しかし、早期の治療にもかかわらず、症状がダラダラと長く尾を引くことがあります。このような時は、その状態に早く慣れるためにも、平衡感覚を鍛えてめまいに対処するリハビリテーションが必要になります。 リハビリを続けることで、ふらつきが持続する後遺症を早く解消できます。

前庭神経炎は一般的に、完治するまでに時間がかかります。後遺症が完全にとれるまでは、3食きちんとバランスのよい食事を心掛ける、睡眠をたっぷりとる、酒やたばこ、コーヒーを控える、軽い運動を定期的に続ける、入浴で心身ともにリラックスするなどで、予防を続けることが大切です。

🟥千葉県旭市の農場のうずら10万羽余り、鳥インフルエンザで処分

 千葉県旭市にある農場で死んだうずらから「高病原性」の疑いがある鳥インフルエンザウイルスが検出され、県はこの農場で飼育されているおよそ10万8000羽の処分を始めた。千葉県内で鳥インフルエンザの感染が確認されたのは今シーズン初めてである。全国では18例目。  千葉県によると、2...