2022/09/11

🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿知覚異常性大腿痛

大腿の感覚をつかさどる神経が傷害されて、痛みなどが生じる神経痛の一つ

知覚異常性大腿痛(だいたいつう)とは、大腿の前面と外側の感覚をつかさどる外側大腿皮(がいそくだいたいひ)神経が傷害されて、痛みなどが生じる神経痛の一つ。外側大腿皮神経痛、大腿外側皮神経痛とも呼ばれます。

外側大腿皮神経は第2、第3腰椎(ようつい)から出て前方へ向かい、腰の部位で急激に曲がって鼠径(そけい)部の辺りから皮膚の下に出て、大腿の前面と外側の皮膚に分布します。そのため、腰椎部で神経が圧迫された時に、大腿の周辺に痛みや知覚異常が生じることがあるほか、外側大腿皮神経が鼠径靭帯(じんたい)を貫通する骨盤の前上腸骨棘(こっきょく)部で筋肉や靭帯により圧迫された時にも、大腿の周辺に痛みや知覚異常が生じることがあります。

前上腸骨棘部で外側大腿皮神経が圧迫された時には、股(こ)関節の位置や格好で症状が生じたり、治まったりすることもあります。コルセットの着用、窮屈な下着やズボンの着用、べルトの締めすぎ、自動車のシートベルトの締めすぎなどにより、前上腸骨棘部で外側大腿皮神経が圧迫された時にも、痛みや知覚異常が生じます。

また、肥満、妊娠により骨盤周囲の筋肉の緊張が強くなることで、外側大腿皮神経が障害されることもあります。妊婦においては胎児が正常な位置にいない場合に、知覚異常性大腿痛としてしびれが出ることもあります。鼠径ヘルニアの手術や股関節の手術の後に、一時的な外側大腿皮神経の圧迫により障害されることもあります。

症状は、大腿の前面から外側にかけて、ヒリヒリと痛んだり、しびれが出たり、知覚が鈍くなったりします。服が皮膚にこすれるのが苦痛になることもあります。しかし、外側大腿皮神経は感覚だけをつかさどる神経で運動をつかさどらないため、足がまひして上がらなくなったり、歩行に支障を来すことはありません。大腿の内側や膝(ひざ)より下に、症状が出ることもありません。

知覚異常性大腿痛の多くは、姿勢や動作によって症状に変化がみられます。

骨盤の前面を走る前上腸骨棘部で外側大腿皮神経を直接圧迫することによって、痛みが憎します。起立や歩行時は、外側大腿皮神経が牽引(けんいん)気味になり痛みが増します。

股関節の伸展は、外側大腿皮神経を牽引し痛みが増します。反対に、股関節を深く屈曲することでも、外側大腿皮神経自体を圧迫し痛みが増します。うつぶせに寝ている時は、外側大腿皮神経が軽く圧迫され、股関節が伸展されるので痛みが増強する傾向があります。仰向けに寝て軽く膝(ひざ)を曲げている時は、痛みが軽減します。

案外多い病態ですが、正確な診断を受けていないことが多いようです。もし、知覚異常性大腿痛の症状に思い当たることがあれば、整形外科、神経内科の医師を受診することが勧められます。

知覚異常性大腿痛の検査と診断と治療

整形外科、神経内科の医師による診断は、特徴的な症状と、前上腸骨棘部の周囲で軽く皮膚の上をたたくと大腿の前面と外側に響くようなしびれと痛みが出るチネルサインで判断します。念のために、腰椎や骨盤のX線写真、MRI検査などで、変形性腰椎症や腰椎椎間板ヘルニアなどの疾患がないかどうかをチェックします。

坐骨(ざこつ)神経痛との鑑別が必要ですが、しびれなどの場所が坐骨神経痛と知覚異常性大腿痛では違いますので、鑑別は簡単です。坐骨神経痛では、尻(しり)から大腿の裏側、下腿などにしびれや痛みが出ます。

整形外科、神経内科の医師による治療は、外側大腿皮神経を圧追する原因を取り除くことが第一です。体重を減らすことや、骨盤部の矯正、窮屈な下着やズボンの着用の禁止などが、効果を発揮します。

また、消炎鎮痛剤の内服、外用を行い、痛みが強い場合は局所麻酔薬を注射して痛みを和らげる神経ブロックを行います。この場合、1 回の注射では一時的に症状が緩和しても、数時間から1日で元の症状に戻ったりしますので、何回か注射を繰り返すこともあります。局所麻酔薬と一緒に、ステロイドホルモン剤という炎症を抑える薬を注射することもあります。

腰椎部で神経が圧迫された時には、脊髄(せきずい)の周囲の硬膜外腔(がいくう)に局所麻酔薬を注射して、神経の痛みを和らげる硬膜外ブロックを行います。

症状が治まらず、日常生活に支障を来す場合は、外側大腿皮神経を剥離(はくり)、または切離する手術を行うこともあります。炎症を起こした神経は周囲の靱帯や筋肉と癒着した状態にありますので、その癒着を手術で解き放つのを剥離、神経そのものを切除して痛みを感じなくするのを切離といいます。

🟫野菜や果物を多くとる人は死亡リスク10%近く低下 横浜市大など研究

 野菜や果物を多くとる人は、少ない人に比べて亡くなるリスクが10%近く低くなるとする、大規模調査に基づく研究結果を、横浜市立大学などの研究チームがまとめました。

 横浜市立大学や国立がん研究センターなどの研究チームは、岩手県や東京都、新潟県、大阪府、沖縄県など全国11の都府県に住む40歳代から60歳代までのおよそ9万5000人をおよそ20年にわたって追跡し、野菜と果物の摂取と死亡リスクの関係を調べました。

 この間、およそ2万4000人が死亡しましたが、男女を合わせた死亡のリスクは、果物の摂取が多い人たちでは最も少ない人たちに比べて8%から9%、また、野菜の摂取が多いと7%から8%低くなっていました。

 ただ、果物の摂取が多い人たちでは、心臓や血管の病気で死亡するリスクがおよそ9%低かったのに対し、がんや呼吸器の病気での死亡と摂取に関連はみられなかったということです。

 さらに、分析すると、野菜は1日300グラム以上、果物は140グラム以上とることが望ましいと推定されたとしています。

 野菜と果物はビタミン、ミネラル、食物繊維、カロテノイド、ポリフェノールなどが豊富であり、主に欧米人で行われた研究では、摂取量が多いと全死因による死亡や循環器疾患による死亡のリスクが低いことが報告されていますが、研究チームは日本人で解析できたのは初めてだとしています。

 横浜市立大学の後藤温教授は、「何となく言われてきた野菜、果物が健康によいということについて、科学的な評価ができた。量が多ければ多いほどリスクが下がるものではなく、適度な量を食べることを心掛けてもらいたい」と話しています。

 2022年9月11日(日)

🟫全国で9万2741人が新型コロナ感染 土曜の10万人以下は7月9日以来

 国内では10日午後6時15分の時点で、東京都で9988人、大阪府で7435人、愛知県6568人、神奈川県で5336人、埼玉県で4653人、兵庫県で4362人、福岡県で4012人、北海道で4450人など全47都道府県と空港検疫で、新たに9万2741人の新型コロナウイルスへの感染が発表されました。

 1日当たりの新規感染者は前週の同じ曜日(3日)より約3万人少なく、2日連続で10万人を下回りました。土曜日で10万人を下回るのは7月9日以来。

 また、東京都で27人、大阪府で15人、愛知県で14人、千葉県で12人、広島県で9人、神奈川県で8人、福岡県で8人、兵庫県で7人、北海道で7人、沖縄県で7人、大分県で6人、鹿児島県で6人、京都府で5人、岐阜県で5人、徳島県で5人、茨城県で5人、静岡県で5人など、計208人の死亡の発表がありました。

 国内で感染が確認された人は、空港検疫などを含め2009万2350人、クルーズ船の乗客・乗員が712人で、合わせて2009万3062人となっています。

 感染して亡くなった人は、国内で感染が確認された人が4万2558人、クルーズ船の乗船者が13人で、合わせて4万2571人となっています。

 厚生労働省によりますと、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や集中治療室などで治療を受けるなどしている重症者は、前日より18人減って10日時点で443人となっています。

 一方、大阪府は10日、新型コロナウイルスの新たな感染者を7435人確認したと発表しました。感染者数は前週同曜日(9384人)と比べ1949人減りました。府内の感染者の累計は200万3558人。

 新たに70~100歳代の男女15人の死亡が判明し、府内の死者数は累計6232人。

 10日時点の重症者は前日と同じ55人で、重症病床(593床)の同日の実質使用率(重い持病などを抱える軽症・中等症患者らを含む)は15・3%になりました。軽症・中等症病床には1935人が入院しており、軽症・中等症病床(4167床)の使用率は46・4%となりました。

 新規感染者のうち、感染者と同居して症状があり、PCR検査を受けずに医師の診断で陽性と判断された濃厚接触者は208人でした。自宅療養者は6万6581人。公費によるPCR検査などを2万1383件実施しました。

 2022年9月11日(日)

🟫東京都で9988人の新型コロナ感染確認 前週比2573人減、27人死亡

 東京都は10日、都内で新たに10歳未満から100歳以上の9988人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

 1週間前の土曜日より2573人減り、20日続けて前の週の同じ曜日を下回りました。10日までの7日間平均は9979・0人で、前の週の73・7%となりました。

 新規感染者を年代別にみると、30歳代が1671人と最も多く、40歳代が1651人、10歳未満が1513人と続きました。65歳以上の高齢者は951人でした。

 ワクチンの接種状況別では、2回接種済みが6146人、未接種は2050人でした。

 人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使っている重症の患者は、9日より2人減って30人でした。

 一方、都は、感染が確認された40歳代から90歳代までの男女合わせて27人が死亡したことを発表しました。

 確認された感染者のうち、都外から持ち込まれた検体を都内の医療機関で検査したのは209人でした。他県内の陽性者登録センターなどを通じた申請はありませんでした。

 東京都の累計の感染者数は303万4897人となり、累計の死者数は5612人になりました。

 2022年9月11日(日)

🇳🇿脳卒中

 動脈硬化などで血液の流れが悪くなり、脳内の血管や中枢神経が障害を受けると、突然手足が動かなくなったり意識がなくなる発作が起こります。これが脳卒中です。

 治療技術の進歩により、年々死亡率は低下していますが、逆に脳卒中にかかる人の数は増加しています。高齢化が進んだり、食生活が欧米化することによって、動脈硬化の原因となる高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病が増えてきたことに原因があると思われます。

 脳卒中は、以下の2つに大きくわけられます。

  脳出血(脳内出血、クモ膜下出血)   脳梗塞(脳血栓、脳塞栓)

 脳内出血は、長期間の高血圧状態により、脳内の動脈に強い圧力がかけられた結果、血管がもろくなり破れて出血するものです。

 症状は出血した部位により異なりますが、出血によって脳内の圧力が高まるため頭痛や吐き気が見られ、時間の経過とともに半身が麻痺したり、意識がもうろうとすることもあります。 

 出血が少なければ症状は軽く薬物療法で対応することも可能ですが、根本的には高血圧体質を改善する必要があります。

 日中に起こることが多く、仕事中や運動中、入浴時などに起こります。

 クモ膜下出血は、脳の表面にある血管が破裂して、脳を覆っている柔らかい膜(クモ膜)の下に出血が広がった状態です。

 原因は脳の表面を走る動脈にできたこぶが破裂するものが最も多く、中高年の人に多くみられます。

 症状としては、前触れなしに突然激しい頭痛が起こり、「バットで殴られたような痛み」とも表現されます。嘔吐、痙攣が見られることもあります。

 また、時間とともに後頭部から首の後ろが痛んで硬くなり、首が曲がらなくなり硬直してきます。出血が起こるのが脳の表面であるため、発作時に手足の麻痺が起こることは少ないものの、出血がひどくなると、時には言語障害や半身麻痺を引き起こします。

 発作後2週間以内の再発率が高く、その場合は死亡の確率が非常に高くなるため、繰り返し頭痛が続くなどの兆候がある場合は、いつでも医療機関と連絡がとれるような体制をつくっておくことが必要です。

 脳血栓は、脳の血管に動脈硬化などが起こり、細くなった部分に血栓が詰まった状態です。血圧が低下すると血流がさらに弱まるため、血圧の低い睡眠中や起床時に起こりやすい病気です。

 突然、手足に力が入らなくなったりする症状が出たら要注意で、そこから少しずつ麻痺が進んでいくケースが一般的です。

 症状は、動脈硬化とともに徐々に進行していきますが、発症の兆候としては頭痛、めまい、言語障害、半身麻痺などが見られます。

 脳塞栓は、血栓が血液の流れに乗って脳の血管の中に入り、血流を止めてしまう状態です。

 発作は突然起こり、手足のしびれ・麻痺、ろれつが回らなくなるなどのほか、言葉が出ない、人の顔の判断がつかない、道がわからない、など痴呆に似た症状が出ることもあります。 

 私たち人間の脳には身体全体の約30%の血液が必要ですが、血流が不足して酸素が行きわたらなくなると、脳細胞は大きなダメージを受けます。

 今までに脳卒中を起こしたことがある人や、高血圧、心臓病、糖尿病、高脂血症などの病気にかかったことがある人、オーバーウエイトの人は、特に注意が必要です。

 脳卒中は、命はとりとめても言語や運動機能に大きな障害を残すことが多いため、早期発見と予防が何よりも大事です。 

* 手足のまひ

* ろれつが回らない

* 激しい頭痛・めまい・吐き気がある

* 視野がせばまる

 など脳卒中の前ぶれがあった時は、ただちに医療機関にかかるようにします。

 血管は加齢とともに弾力性が落ちていきますから、年齢が上がると発症しやすくなります。また、心臓に障害がある場合に起こりやすくなるので、不整脈、弁膜症、心筋梗塞などの心配がある方は、特に注意が必要です。

 食生活などに気を配り、ストレスをためないようにしましょう。定期的に脳ドックによる検査を受けることも、お勧めします。

 このほか、夏は脱水症状にならないよう適度な水分補給を心掛けましょう。夏は発汗のために血液が濃くなり、血栓ができやすくなるからです。

 また、冬は気温が下がり、血管が収縮して血圧が高くなる傾向にあるので、入浴や外出時など急激な温度差には十分注意して、心臓や血管に過度の負担をかけないようにしましょう。

2022/09/10

🟦ニューヨーク州、ポリオウイルスに関する緊急事態宣言を発令 ワクチン普及を急ぐ

 アメリカ東部ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事は9日、ポリオ(小児まひ)ウイルスに関する緊急事態宣言を発令しました。ポリオワクチンを投与できる医療従事者を医師や看護師から助産師、薬剤師などにも広げ、迅速に予防接種の普及率を上げる狙いです。まずは10月9日までの1カ月間の期間に限定して実施します。

 ポリオウイルスは口から入って神経を侵し、まひを引き起こします。アメリカではワクチンによって根絶したと考えられていたポリオウイルスですが、2022年7月に入り、ニューヨーク州内のワクチン未接種者から9年ぶりの感染例が出ました。ニューヨーク市中心部など住民の99%以上が接種を終えている例もある一方、郊外を中心にワクチンが行き渡っていない地域も多くあります。州全体の2歳以下のポリオワクチン接種率は79%にとどまっています。

 8月にかけてはニューヨーク州内の下水からもポリオウイルスが見付かりました。州は感染拡大へ警戒感を強めており、ワクチンの普及を急いでいます。

 2022年9月10日(土)

🟦新型コロナワクチン接種後死亡の2人に一時金支給決定 ワクチンとの因果関係が否定できず

 新型コロナウイルスワクチンを接種した後に亡くなった90歳代と70歳代の男性2人について、接種が原因で死亡した可能性が否定できないとして、法律に基づく死亡一時金を支給することを決めました。

 新型コロナワクチンの接種後に死亡し、一時金の支給が認められたのはこれで3人となります。

 新型コロナウイルスのワクチン接種を巡っては、副反応が原因で障害が残ったり、死亡したりした場合、予防接種法上の救済対象となり、接種との因果関係が否定できないと国が認定した人には医療費などが支給されます。

 厚生労働省は、9日に専門家でつくる疾病・障害認定審査会を開き、接種後に亡くなった91歳と72歳の男性について救済の対象とすることを決めました。

 遺族には死亡一時金として最大で4420万円が支給されます。

 ワクチンの接種後、91歳の男性は呼吸困難に陥る「間質性肺炎」が悪化し、72歳の男性は脳出血などを起こしたということで、厚労省は死亡診断書やカルテの記載などを踏まえて因果関係を判断したとしています。

 接種したワクチンの種類や接種回数などは明らかにしていません。

 厚労省によりますと、新型コロナウイルスのワクチン接種を巡ってこれまでに受け付けた救済申請は4244件で、このうち920件で医療費などの支給が認められています。

 2022年9月10日(土)

🟧摂食障害専門の病院、長野県で初開設へ 全国に患者22万人、県内に患者4000人と推計

 長野県は2025年度上半期にも、摂食障害の患者の専門的な治療、相談を担う「支援拠点病院」を開設することを決めました。県内の医療機関1カ所を指定する方針で、設置されれば県内初となります。県は早期に医療、相談支援につなげ、当事者が安心して暮らせる体制を整備する考えです   摂食障...