2022/11/18

🟧太平洋から北極海に年180億個のマイクロプラスチック流入 海洋生物への影響懸念

 プラスチックごみが劣化して壊れ、大きさ5ミリ以下となった「マイクロプラスチック」が、太平洋から北極海に年間約180億個流入しているとの観測に基づく推定を、海洋研究開発機構の池上隆仁副主任研究員らのチームが16日までに発表しました。重量換算で約420トンといいます。

 池上研究員は「一度流れ込むと回収は不可能。プラスチックごみを減らさなければ北極海を汚し続けることになる」としています。

 チームは2020年と2021年の夏から秋にかけて、ロシアとアメリカのアラスカ州の間にあり、太平洋から北極海への入り口となっているベーリング海峡などで調査。海洋地球研究船「みらい」から網を下ろし、海中のプラスチックを採取しました。

 ベーリング海峡では海水1立方キロ当たり平均約70万個が含まれ、太平洋側からの海水の平均流量をもとに年約180億個が北極海に流入していると推定しました。

 一方、太平洋側北極海のチュクチ海と呼ばれる海域では海水1立方キロ当たり平均約5236個が含まれ、全体で約33億個のマイクロプラスチックが存在すると見積もられることがわかりました。

 今回、チュクチ海で得られた推定値は、ベーリング海峡を通じて太平洋側から流入するマイクロプラスチック量に比べ、はるかに少なく、太平洋からチュクチ海に流入したマイクロプラスチックの大部分はチュクチ海の海水以外の場所(海氷や海底堆積物など)、あるいはボーフォート海など北極海の下流域に大量に蓄積されていることが示唆されました

 マイクロプラスチックは大きさが5ミリメートル以下のプラスチックで、もともと添加されたり、海水中を漂っている時に吸着したりした有害化学物質を含んでいます。このため、マイクロプラスチックを摂取した海洋生物に影響を及ぼすことが懸念されています。

 2022年11月18日(金)

2022/11/17

🟧17日、東京都の新型コロナ感染者9755人 前週から1786人増

 東京都は17日、新型コロナウイルスの感染者を新たに9755人確認したと発表しました。1日当たりの新規感染者は14日以来3日ぶりに1万人を下回ったものの、前週の同じ曜日(10日)と比べ1786人増え、13日連続で前週を上回りました。

 70歳代から90歳代の男女9人の死亡も発表されました。

 17日までの1週間の感染状況をみると、1日当たりの感染者数は8276・0人で、前週(6636・6人)の124・7%となりました。

 17日の新規感染者を年代別でみると、20歳代の1862人が最も多く、次いで40歳代1744人、30歳代1613人、50歳代1225人など。重症化しやすいとされる65歳以上は868人でした。

 感染拡大を受けて都が医療機関に病床の確保を要請したことから、病床使用率は33・4%(2426人/7262床)に下がりました。「人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者は、前日と変わらず22人でした。

 東京都の感染者の累計は、339万2228人となりました。

 2022年11月17日(木)

🟧中国、地域住民「全員対象」のPCR検査廃止の都市が増加 背景に財政悪化の指摘も

 新型コロナウイルスの感染を徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策をとる中国で、感染者の洗い出しのため、地域住民全員を対象に行っていた定期的なPCR検査をやめる都市が増えています。背景には地方財政の悪化も指摘されています。

 河北省石家荘市では、公共交通機関やスーパーなどを利用する際に市民に求められていた72時間以内のPCR検査の陰性証明が14日から必要なくなりました。

 証明の必要がなくなった切っ掛けは、中国政府が11日に発表した新型コロナに関する新たな方針です。感染が発生していない地域については、新たに感染者が出ても感染源や経路が特定できていれば、市や区といった行政区の「全員を対象」にした検査は行わないと定めました。

 これを受け、石家荘市のほか、南部の広東省広州市や、東北部の遼寧省大連市など、市民全員を対象にした定期的なPCR検査を廃止すると発表する都市が、各地で相次いでいます。

 ただ、今回の方針について中国政府は、政策の「緩和」ではなく、あくまで「ゼロコロナ」政策を堅持すると強調しています。

 中国の証券系シンクタンクは、PCR検査には人件費など最大で年間約34兆円の費用がかかると試算。中国の国防予算(28・8兆円)を上回る規模で、地方政府には巨額の負担がのしかかっています。

 中国メディアによりますと、公衆衛生の専門家が「大規模なPCR検査は多くの地方の財政に大きな圧力をかけている」と話すなど、今回のPCR検査廃止の背景には地方政府の財政悪化を指摘する声も上がっています。

 2022年11月17日(木)

🟧東京都、新型コロナ警戒レベル引き上げ 約1カ月半ぶり上から2番目

 東京都は17日、新型コロナウイルスの感染状況を4段階で判断する警戒レベルを「感染が再拡大している」として上から2番目へと1段階引き上げました。上から2番目は10月6日以来、約1カ月半ぶり。都内の新規感染者数は15日に2カ月ぶりに1万人を上回るなど増加しており、警戒と対策強化を呼び掛けます。

 17日のモニタリング会議では、「(感染)第8波の入り口に差し掛かっているとも考えられる」との指摘も上がりました。都は感染状況の警戒レベルを引き上げた一方、医療提供体制の警戒レベルは「体制強化の準備が必要な状況である」として、下から2番目を維持しました。

 ただ、入院患者数は1週間前より435人多い2471人で、4週連続で増加しています。

 また、都は、新型コロナとインフルエンザの同時流行で患者数は最多で9万3000人になることを想定し、発熱外来のひっ迫を防ぐため、陽性者登録センターの1日の受け付けを8000人から約4万人に増やすことや、年末年始の診療や小児科の発熱診療を対象に協力金を支給すること、臨時のオンライン発熱診療センターを設置する方針などを明らかにしました。

 都内の新規感染者は15日から2日連続で1万人を超え、1週間平均も3週連続で増加しています。東京都の小池百合子知事は「この冬は季節性インフルエンザの同時流行も懸念されている」と述べ、「まさに今が、踏ん張りどころだ。ワクチンは唯一の攻めの手段で、一刻も早く接種するよう呼び掛けたい」と述べ、都民に協力を求めました。

 2022年11月17日(木)

🟧新型コロナ、全国で9万3005人感染確認 前週比1万4503人増

 厚生労働省は17日、新型コロナウイルスの感染者が全国で新たに9万3005人確認されたと発表しました。前週の木曜日と比べて1万4503人増え、前週の同じ曜日より増えるのは13日連続です。

 また、国内で感染して亡くなった人は、北海道で23人、千葉県で7人、大阪府で7人、愛知県で7人、埼玉県で6人、広島県で6人、東京都で6人、栃木県で6人、福岡県で6人、新潟県で5人、福島県で5人、岐阜県で4人、岡山県で4人、島根県で4人、佐賀県で3人、山形県で3人、岩手県で3人、茨城県で3人、兵庫県で2人、奈良県で2人、宮城県で2人、山口県で2人、神奈川県で2人、群馬県で2人、長野県で2人、青森県で2人、三重県で1人、京都府で1人、山梨県で1人、愛媛県で1人、滋賀県で1人、熊本県で1人、石川県で1人、秋田県で1人、鳥取県で1人の合わせて133人、累計で4万7959人となっています。

 都道府県の新規感染者は、多い順に東京都9755人、北海道9536人、神奈川県6128人、愛知県5511人、埼玉県4990人、大阪府4126人、千葉県3472人、宮城県3194人、長野県3108人となっています。

 また、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、17日時点で258人となっています。重症者の数は、16日と比べて5人減りました。

 一方、厚生労働省は17日、大阪府内で新たに4126人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。新規感染者の数は前週木曜日と比べて約350人増え、4日連続で前週の同じ曜日を上回っています。新規感染者が4000人を超えるのは3日連続。

 これで、大阪府内の感染者の累計は222万8032人となりました。

 また、7人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は合わせて6675人となっています。重症者は16日から変わらず26人。

 2022年11月17日(木)

🟧新型コロナ感染後の子供64人が「小児多系統炎症性症候群」を発症 心臓など複数の臓器に炎症

 新型コロナウイルスに感染した子供のうち、全国で少なくとも64人が感染から数週間後に心臓の働きなどが悪くなる「小児多系統炎症性症候群(MIS−C=ミスシー)」と診断されていたことが自治医科大学附属病院などの調査でわかりました。

 小児多系統炎症性症候群は新型コロナに感染した子供にまれにみられ、感染の2週間から6週間後に心臓など複数の臓器の働きが悪くなるなどして、ヨーロッパやアメリカでは死亡するケースも報告されています。

 これについて、自治医科大学附属病院の小児科医のグループなどが全国の約2000の医療機関を対象に、今年の夏から行った調査の結果がまとまりました。

 それによりますと、国内ではこれまでに子供が死亡したケースはないものの、「小児多系統炎症性症候群」と診断された子供は全国で少なくとも64人に上ることがわかったということです。

 調査を行った自治医科大学附属病院小児科の松原大輔医師は「新型コロナの感染拡大がこのまま続くと、『小児多系統炎症性症候群』も少しずつ増える可能性がある」と話しています。

 アメリカの疾病対策センター(CDC)によりますと、「小児多系統炎症性症候群(MIS−C=ミスシー)」は新型コロナウイルスに感染した子供などにみられ、心臓や肺、消化器系統など複数の臓器に炎症が起きることが知られています。

 症状は発熱のほか、腹痛、目の充血、下痢やおう吐などで、重症化すると心臓の働きが低下し、死亡するケースもあるとしています。

 アメリカでは一昨年から今年10月末までに9073人が「小児多系統炎症性症候群」と診断され、このうち74人が死亡しているということです。

 日本小児科学会などによりますと、これまでに国内での死亡例はないものの、今年に入り子供の感染が増えてからは、各地の医療機関で「小児多系統炎症性症候群」と診断される症例が目立つようになったということです。

 このため新型コロナに感染した子供の体調に異変が起きた際は「小児多系統炎症性症候群」かどうか、早期に診断した上で、専門的な治療を始められるかが重要になります。

 栃木県内に住む当時11歳の男の子は新型コロナウイルスに感染してから約1カ月後に「小児多系統炎症性症候群」と診断されました。

 男の子の父親によりますと、当初、原因不明の高熱やおう吐、目の痛みなどを訴えたため、小児科や眼科などを受診したものの原因がわからず、その後、大学病院で専門医から「小児多系統炎症性症候群」と診断されました。

 男の子は一時は心臓の働きも悪くなったということですが、入院して治療を受けて回復し、経過観察になっているということです。

 全国的に新型コロナウイルスが急拡大して第8波に入ったとされ、感染者が増える中、小児多系統炎症性症候群は注目される「子供の病気」です。

 2022年11月17日(木)

🟧北海道で2日連続過去最多を更新 新型コロナ新規感染者1万1112人

 16日、北海道内では新たに1万1112人が新型コロナウイルスに感染していることが確認され、1日の発表としては15日に続いて過去最多を更新しました。また、合わせて23人の死亡が発表されました。

 16日、北海道内で発表された新規感染者数は、道が5078人、札幌市が4456人、旭川市が818人、函館市が567人、小樽市が193人の、合わせて1万1112人となっています。

 このうち道が発表した感染者数は医療機関の所在地別にみますと、石狩地方が688人、十勝地方が510人、空知地方が508人、胆振地方が494人、オホーツク地方が462人、釧路地方が298人、上川地方が203人、それに、後志地方が182人、渡島地方が148人、日高地方が133人、根室地方が91人、宗谷地方が87人、留萌地方が61人、桧山地方が35人、道の陽性者登録センターが1178人となっています。

 1日の発表としては札幌市で2日続けて過去最多となり、道内全体でも15日の1万906人に続いて1万人を超え、過去最多を更新しました。

 また、道内の感染者数は先週水曜日に比べても1567人増え、感染が急速に拡大しています。

 一方、これまでに感染が確認されていた人のうち、道が100歳代の女性1人、90歳代の男女3人、70歳代の男女2人、年代と性別が非公表の3人、札幌市が90歳代の男女4人、80歳代の男女6人、70歳代の男性1人、旭川市が90歳以上の女性1人と60歳代の男性1人、函館市が年代と性別が非公表の1人の死亡を発表し、道内で発表された死者数は合わせて23人となりました。

 これで道内の感染者は札幌市の延べ41万5373人を含む、延べ95万5623人となり、亡くなった人は2961人となりました。

 2022年11月17日(木)

🟧春節による移動で日本への影響懸念 中国で拡大の「ヒトメタニューモウイルス感染症」

 呼吸器感染症の「ヒトメタニューモウイルス(hMPV)感染症」は、国内外で例年患者報告がある疾患で、風邪に似た軽い症状ですむことが多いものの、人によっては重症化リスクを伴います。ワクチンや特効薬が存在しないのも特徴です。流行が伝えられる中国では1月28日から春節(旧正月)に伴う...