2022/12/11

🟧がんの診断や治療、コロナ流行前と同程度の81万人に戻る

 2021年に、がんの診断や治療を受けた人の数は、新型コロナウイルスの影響でそれまでより減った2020年より増え、コロナ流行前と同程度に戻ったことが、国立がん研究センターの分析で明らかになりました。

 これは、国立がん研究センターが全国のがん診療を行う主な医療機関455施設の患者データを分析したものです。

 昨2021年、がんの診断や治療を受けた新たながん患者は延べ80万6589人で、2020年より、約4万人(約5%)増えました。2020年は、新型コロナウイルスに対応する緊急事態宣言などで、がん検診を一時的に取りやめた医療機関があったことや、感染を恐れ、がん検診を控える人がいた影響がみられ、それまでの年より減っていました。

 しかし、2021年の新たながん患者は、コロナ禍の前の2018年、2019年と同じ程度の数に戻ったということです。

 その一方で、初期症状がみられにくい胃がん、大腸がん、肺がん、子宮けいがんなどでは、検診でがんが見付かった例がコロナ禍前よりも減っていました。また、多くの種類のがんで、早期発見の数がコロナ禍前より減少したということです。

 国立がん研究センターは、2020年にコロナ禍で診断数が少なかったぶん、患者数が2021年に上乗せされたとはいえないだろうが、今後も推移をみていく必要があると説明しました。また、診断数が減った影響で、進行がんの人が今後増えることがないかフォローアップするとしています。

 そして、「がん検診、診療は不要不急ではない。予防策、ワクチン接種も進んでいるので、通常通りしっかり検診・通院して診療いただければ」と呼び掛けています。

 2022年12月11日(日)

🟧iPS細胞から作った網膜細胞、ひも状にして移植 神戸の病院で初の手術実施

 神戸市の病院などのチームは、重い目の病気の患者にiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作り出した目の網膜の細胞をひも状にして移植する臨床研究の手術を世界で初めて実施したと発表しました。

 手術を行ったのは、神戸市立神戸アイセンター病院の栗本康夫院長らのチーム。チームでは、網膜の細胞が少なくなり、視力が落ちたり視野が欠けたりする「加齢黄斑変性」などの患者の目に、iPS細胞から作り出した網膜の細胞をひも状に加工して移植する研究を進めてきました。

 オンラインで開いた会見で、チームは11月下旬、関西に住む「網膜色素上皮不全症」の50歳代の女性に対し、世界で初めて移植手術を実施したと明らかにしました。

 移植した細胞は幅0・1ミリ、長さ2センチのひも状に加工したもので、術後の経過は順調で女性はすでに退院しているということです。

 チームでは1年間にわたって安全性に問題がないかなど経過をみるとともに、5年間かけてさらに49人に手術を行い、安全性や有効性を確認するとしています。

 チームでは液状にした細胞を移植する臨床研究も進めていましたが、ひも状にする今回の手法のほうがより多くの細胞が定着することが見込まれるということです。

 栗本院長は、「多くの患者の視力を取り戻す治療法になると考えている。できるだけ早く実用化して提供したい」と話していました。

 2022年12月11日〔日)

2022/12/10

🟧塩野義製薬のコロナ飲み薬「ゾコーバ」、重い副作用の報告なし 1024人使用のデータを初公表

 国産初の新型コロナウイルス感染症の飲み薬「ゾコーバ」について、製造販売元の塩野義製薬は9日、緊急承認後の使用状況や副作用のデータをまとめた報告を初めて公表しました。これまで若い世代を中心に1024人に使われ、重い副作用の報告はなかったといいます。

 ゾコーバは、医薬品を迅速に審査する緊急承認制度に基づき、厚生労働省が11月22日に製造販売を認めました。12歳以上の軽症・中等症患者向けで、重症化リスクの有無を問わずに使えるものの、妊婦は使用できず、併用できない薬も36種類あります。

 塩野義製薬の医療関係者向けホームページに掲載した報告によると、使用が始まった11月24日から12月4日までの間では20~50歳代への処方が全体の75%(763人)を占めていました。また、5人から頭痛や下痢などの副作用の訴えがありました。

 ゾコーバを扱えるのは、先行して承認されたアメリカのファイザーの飲み薬「パキロビッドパック」の処方実績のある医療機関と薬局に限られているものの、厚労省は近く要件を緩和する方針。同省は塩野義と100万人分の購入契約を結んでいます。

 塩野義製薬は今後も半年間、「ゾコーバ」の使用状況などを2週間ごとにホームページで公表します。

 2022年12月10日(土)

🟧新型コロナ、東京都で1万4558人感染 前週比1237人増

 東京都で10日に確認された新型コロナウイルスの新たな感染者は1万4558人でした。前週の土曜日より1237人増えました。前週の同じ曜日を上回るのは5日連続です。

 東京都の直近1週間の感染者の平均は1万2644人で、前週と比べて107・8%となっています。

 新規感染者を年代別にみると、最多は20歳代の2472人、次いで30歳代2432人、40歳代2293人と続きました。65歳以上は1190人でした。

 入院しているのは3485人で、このうち人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使っている重症の患者は9日より2人減り15人でした。

 重症者用の病床使用率は9日から0・8ポイント下がって21・4%、全体の病床使用率は0・6ポイント上がって46・4%でした。

 一方、感染が確認された24人が死亡しました。

 2022年12月10日(土)

🟧全国で新たに13万5761人が新型コロナに感染 前週から2万6000人増加

 厚生労働省は10日、新型コロナウイルスの感染者が全国で新たに13万5761人確認されたと発表しました。前週の土曜日から約2万6000人増加しました。前週を上回るのは5日連続となりました。

 また、国内で感染して亡くなった人は、北海道で27人、東京都で24人、愛知県で18人、神奈川県で16人、埼玉県で15人、千葉県で9人、大阪府で9人、岡山県で8人、茨城県で8人、長野県で7人、兵庫県で6人、秋田県で6人、岐阜県で5人、福島県で5人、広島県で4人、栃木県で4人、沖縄県で4人、群馬県で4人、青森県で4人、静岡県で4人、奈良県で3人、山口県で3人、岩手県で3人、愛媛県で3人、熊本県で3人、三重県で2人、京都府で2人、徳島県で2人、福岡県で2人、香川県で2人、佐賀県で1人、和歌山県で1人、宮城県で1人、宮崎県で1人、山梨県で1人、島根県で1人、石川県で1人、長崎県で1人、高知県で1人、鳥取県で1人の合わせて222人、累計で5万1512人となっています。

 主な都道府県別の新規感染者数は、東京都1万4558人、神奈川県9067人、愛知県8523人、埼玉県7864人、大阪府7248人、千葉県6698人、北海道5768人、福岡県5336人、兵庫県4359人など。

 また、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、10日時点で378人となっています。重症者の数は、9日と比べて変わりませんでした。

 一方、厚生労働省は10日、大阪府内で新たに7248人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。これで大阪府内の感染者の累計は、234万9441人となりました。

 また、9人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は、合わせて6820人となっています。重症者は37人と、9日より4人少なくなっています。

 2022年12月10日(土)

🟧アメリカFDA、乳幼児向けコロナワクチン承認 オミクロン型対応2価ワクチン

 アメリカ食品医薬品局(FDA)は8日、新型コロナウイルスのオミクロン型対応ワクチンの追加接種について、生後6カ月~4歳の乳幼児にも緊急使用許可を広げると発表しました。アメリカ疾病対策センター(CDC)が推奨すれば、接種を開始できます。

 アメリカのファイザーとドイツのビオンテック製は6カ月~4歳、アメリカのモデルナ製は6カ月~5歳向けで、緊急使用許可が下りました。ともに従来型のコロナウイルスと「BA・5」などオミクロン派生型の双方に対応する「2価ワクチン」。

 いずれも2回の初期接種後の追加接種(ブースター接種)としての利用を認めます。一方、従来型のファイザー製ワクチンを3回目の追加接種として受けた子供については、4回接種した場合のデータが十分に集まっていないため、今回は緊急使用を認めません。FDAによると、2023年1月にデータを発表する見通しです

 FDAのロバート・カリフ長官は発表で、「ウイルスが変化し、これまでに普及していたワクチンの(新型コロナに対する)免疫力が下がっている。最新のワクチンを受けることで重症化や入院、死亡を防げる」と強調しました。

 人の移動や集会が増える年末の休暇シーズンを控える中、アメリカ政府は感染再拡大を防ぎたい考えです。2022年冬は新型コロナに加えて、インフルエンザや乳幼児が重症化しやすいRSウイルスが例年よりも流行する「トリプルデミック」となっていて、アメリカでは子供の入院患者が増えていることに警戒感が高まっています。

 2022年12月10日(土)

2022/12/09

🟧新型コロナ、東京都で1万3556人が新規感染 前週比2312人増

 厚生労働省は9日、都内で新たに1万3556人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。1週間前の金曜日より2312人増えました。前の週の同じ曜日を上回るのは4日連続です。50歳代~100歳以上の24人の死亡も発表しました。

 9日までの週平均の感染者数は1日当たり1万2467・1人で前週(1万1762・4人)の106・0%でした。

 新規感染者を年代別にみると、最多は20歳代の2472人、次いで30歳代2432人、40歳代2293人など。65歳以上は1190人でした。

 病床使用率は45・8%。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者は、前日から2人減って15人でした。

 2022年12月9日(金)

🟩入国前の結核検査を義務化、フィリピンとネパール対象

 留学や就労目的で日本に3カ月を超えて滞在する予定の外国人に、入国前の結核検査と、発症していないことの証明書の提出を義務付ける「入国前結核スクリーニング」が23日、フィリピンとネパールを対象に始まりました。在留中に結核と診断される人の割合が増加傾向にあり、対策が急務となっていま...