2023/05/16

🟧厚労相「疑わしい場合は医療機関に連絡し公共交通機関の利用控えて」 茨城と東京で「はしか」感染確認で

 茨城県と東京都で、はしか(麻疹)の患者が相次いで確認されたことを受けて、加藤勝信厚生労働相は、はしかが疑われる症状がある場合には必ず受診前に医療機関に連絡した上で、移動の際は公共交通機関の利用を控えるよう呼び掛けました。

 はしかに関しては、4月27日、インドへの渡航歴のある茨城県内の30歳代男性がはしかと診断され、さらに、この男性と同じ新幹線を利用した東京都内の30歳代女性と40歳代男性の2人に5月3日、発熱などの症状が出て、その後、はしかへの感染が確認されたということです。3人とも4月23日に新神戸駅から東京駅まで同じ新幹線に乗車していました。

 加藤厚労相は16日の閣議後の記者会見で、厚労省から自治体や医療機関などに、はしかに対する注意喚起を行うとともに、同省のホームページやSNSなどでも国民に向けた情報発信を行っていると話しました。

 加藤厚労相は「はしかは感染力が非常に強く、免疫を持っていないとほぼ100%感染するといわれている」と強調し、感染者との接触があったと思われる場合や海外からの帰国後に発熱や発疹などのはしかが疑われる症状があった場合は「必ず受診前に医療機関に連絡し、移動の際は公共交通機関の利用を控えて医療機関の指示に従ってほしい」と述べました。

 そして、就学前の2回接種が定期接種に位置付けられている、はしか予防のワクチン接種で大幅に感染リスクを下げられるとして、対象年齢の子供を持つ保護者は忘れずに接種を行い、海外に渡航予定の人で、はしかのワクチン接種歴が不明な場合なども、予防接種を検討してほしいと呼び掛けました。

 また、新型コロナウイルスの流行ではしかのワクチンを打てずに対象時期を過ぎた場合も、公費助成の対象となることを説明しました。

 2023年5月16日(火)

🟧マグネットセットと膨らむボール、小型品の製造・販売を規制へ 子供が誤飲する恐れ

 政府は16日、子供の誤飲事故が複数回起きている、強力な小型磁石を使った「マグネットセット」と、吸水性の樹脂製の玩具「水で膨らむボール」について、子供が誤飲する恐れのある小さなものについて、技術基準に適合しない製品の製造・販売を規制するよう政令の改正を閣議決定しました。6月19日から施行されます。

 経済産業省によると、消費者にとって特に危害を及ぼす可能性が高いと認められる「特定製品」に指定されます。

 いずれも直径3・17センチ・メートル以下の製品が規制対象。マグネットセットは体内から自然に排出できるほどの磁力に抑えなくてはならず、水で膨らむボールは吸水前より50%以上膨らまないようにしないと、製造・販売ができなくなります。

 マグネットセットは2017~2022年に子供が誤飲し、腸の壁を挟んで磁石が引き合うことで開腹手術での摘出が必要となった事故が11件発生。水で膨らむボールについては、2021年に乳幼児が誤飲し摘出が必要となった事故が4件起きていました。

 2023年5月16日(火)

🟧エーザイのアルツハイマー病薬「レカネマブ」、カナダが申請受理

 製薬大手エーザイは16日、アメリカの製薬会社バイオジェンと共同開発したアルツハイマー病治療の新薬「レカネマブ」について、カナダ保健省が販売承認申請を受理したと発表した。3月末に申請していました。レカネマブはアメリカですでに条件付きの承認に当たる「迅速承認」を取得ずみで、1月28日に発売されました。

 日本でも製造販売承認を厚生労働省に申請し、承認までの期間を短縮できる優先審査の対象品目に指定されている。ヨーロッパや中国でも承認を申請しています。

 レカネマブは早期アルツハイマー病の患者を対象としており、症状の悪化を27%抑制するとされます。病気の原因物質の一つといわれるタンパク質「アミロイドベータ」が脳内で固まる前の段階で、人工的に作った抗体を結合させて取り除こうというもので、神経細胞が壊れるのを防ぎ、病気の進行そのものを抑える効果が期待されています。ただ、壊れてしまった神経細胞を再生させることはできないため、発症する前の「軽度認知障害」の段階や、発症後、早期に投与することが重要だとされています。

 迅速承認を取得したアメリカでは、3月にフル承認に向けた変更申請がアメリカ食品医薬品局(FDA)に受理されました。優先審査に指定されており、審査終了目標日は7月6日を予定しています。フル承認が決まれば、治療薬が本格的に普及する段階に入ります。日本やヨーロッパ、中国では2023年度中の承認取得を目指しています。

 2023年5月16日(火)

2023/05/15

🟧コロナ緊急事態宣言下の都市部、心停止からの回復割合が3割低下 AEDでの救命処置の遅れが一因

 2020年4月に、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が最初に発令された都市部の地域では、心停止した患者が回復した割合が平時より3割下がったとする研究結果を、国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)が8日、発表しました。外出自粛の影響で、自宅で倒れるケースが増え、自動体外式除細動器(AED)の救命処置が遅れたことが一因とみています。

 野口輝夫・同センター病院副院長らの研究チームは、2017~2020年に、心停止後に救急搬送された全国の2万1868人のデータを分析しました。その結果、宣言が最初に発令された東京や大阪など7都府県では、2020年4月に心停止した患者のうち介助なしで生活できるまでに回復した人の割合は約20%にとどまり、平時(2017~2019年)の水準である約30%より約3割低下しました。

 また、救急隊が到着する前に、一般市民によるAEDの処置を受けた患者の割合も、平時の約30%から約15%に落ち込んでいました。

 研究成果は、国際医学誌「ランセット地域保健 – 西太平洋」電子版に掲載されました。

  山本剛・日本医科大准教授(心臓血管集中治療科)は、 「コロナ禍での救急患者への影響を浮き彫りにした成果だ。平時から町内会などでAEDを備え、自宅で発症した患者にもすぐに使える仕組み作りが重要だ」と話しています。

 2023年5月15日(月)

2023/05/14

🟧世界のボトル水市場、2030年までに倍増 国連大が報告

 世界でペットボトルなどに入った水の市場規模が2030年までに現在の2倍近くに増え、地下水の枯渇やプラスチックごみ問題などを悪化させる懸念があるとの報告書を、国連大学の研究チームが3日までにまとめました。「ボトル入りの水を買えない貧しい人との間で不平等を拡大させ、飲み水に関する持続可能な開発目標(SDGs)達成の障壁になる」としました。

 カナダのハミルトン市に所在する国連大の水・環境・保健研究所が、日本を含む世界109カ国のデータなどを分析し、「世界のボトル飲料水産業:影響と傾向の評価」をまとめました。

 世界のボトルなどに入った水の消費量は2021年に3500億リットルに上り、市場規模が過去10年で1・7倍になりました。国別ではアメリカが614億リットルとトップで、中国、インドネシアの順。日本は100億リットル弱で8位でした。ほかの消費量上位国は、カナダ、オーストラリア、シンガポール、ドイツ、タイ、メキシコ、イタリア。

 2020年に2700億ドルだった売上額は、2030年までに5000億ドルを超えると見込まれます。

 ペットボトルのごみも急増し、2000年の1200万トンから2021年は2500万トンと2倍超に増えました。2021年のごみの総重量2500万トンは、40トントラック62万5000台分に相当し、縦列させたらニューヨークからバンコクをつなげられる距離。

 地下水を安価に取水する例も多く、インド、北アメリカなどで飲料メーカーによる取水の悪影響が報告されています。ボトル飲料水産業の一部の民間企業は、公共財である水をわずかなコストで入手し、処理し、お金を払える人に売り戻しています。40カ国における事例で、皮肉なことに、製品として完成したボトル飲料水は必ずしも安全ではないことが示されました。公共水道事業者と比べて民間企業はほとんど監督されていないためです。

 本報告書によれば、世界で安全な水を享受できていない20億人の人々に安全な水を提供するために必要な年間投資額は、ボトル飲料水に2020年に費やされた2700億ドルの半分以下といいます。

 2023年5月14日(日)

🟧早老症治療剤「ゾキンヴィ」、国内販売の承認を申請 アンジェス

 バイオスタートアップ企業のアンジェスは12日、早期の老化を引き起こす希少疾患「早老症」の治療薬「ゾキンヴィ」について、国内販売に向けて承認申請したと発表しました。

 ゾキンヴィは、アメリカのスタートアップ企業のアイガー・バイオファーマシューティカルが2020年11月に承認取得し、アメリカで販売されました。その後、アンジェスが 2022年5月に日本における独占販売契約をアイガー・バイオファーマシューティカルと締結し、2023年3月に厚生労働省により希少疾病医薬品(オーファン・ドラッグ)に指定されました。ゾキンヴィは、2022年8月にイギリスでも承認されています。

 ゾキンヴィは、早老症の中でも「ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群」と「プロジェロイド・ラミノパチー」に対する治療薬。それぞれが大変希少な致死性の遺伝的早老症であり、若い時点から死亡率が加速度的に上昇します。

 ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群は、LMNA遺伝子の点突然変異により、ファルネシル化された変異タンパク質のプロジェリンが生成されることにより発症します。

 プロジェロイド・ラミノパチーは、LMNAやZMPSTE24遺伝子の変異により、プロジェリンに類似したファルネシル化タンパク質が生成され、老化が促進されます。

 いずれの病型ともに、深刻な成長障害、強皮症に似た皮膚、全身性脂肪性筋委縮症、脱毛症、関節拘縮、骨格形成不全、動脈硬化の促進などの早老症状が現れ、動脈硬化性疾患(心筋梗塞あるいは脳卒中)により若年期に死亡するとされ、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群の平均年齢は14・5歳と報告されています。

 ゾキンヴィは、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群とプロジェロイド・ラミノパチーの小児および若年成人において、核膜の構造・機能を損なうファルネシル化された変異タンパク質の蓄積を阻害します。

 臨床試験(治験)では、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群の患者において、ゾキンヴィは死亡率を60%減少し、平均生存期間を2・5年延長しました。多くの患者は10年以上にわたってゾキンヴィ治療を継続しており、最も多く報告された副作用は消化器系(嘔吐、下痢、悪心)で、そのほとんどが軽度又は中等度です。

 アンジェスでは、日本国内のゾキンヴィの使用対象者は数名とみています。アンジェスが2021年に始めた新生児対象の検査事業の項目に早老症を盛り込みます。早期発見することで生存期間を延ばす効果が期待できるといいます。

 2023年5月14日(日)

🟧ワクチンや治療薬の公平な供給を明記 G7保健相会合、共同声明

 長崎市で開かれていた先進7カ国(G7)保健相会合は14日、2日間の日程を終えて閉幕しました。新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)を踏まえ、将来的に健康危機が起きた際に、ワクチンや治療薬、検査キットを途上国を含めた世界各地に公平に供給する必要性を明記した共同声明を採択しました。誰もが必要な医療を適切な費用で受けられる「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)」の取り組み強化も確認しました。

 議長を務めた加藤勝信厚生労働相は閉幕後の記者会見で、「G7が率先して、途上国が入手可能な価格で医薬品を確保できる仕組みの構築に取り組む」と述べました。今後、具体策を検討します。

 共同声明では、新型コロナワクチンについて「製造、調達のプロセスで多くの課題に直面した」と指摘。今後の感染症など健康危機に備え、特に低・中所得国に行き渡るようにすることが重要だとしました。製造から流通までを迅速、円滑に行えるよう、国際機関との連携を強化し支援します。

 こうした取り組みには持続可能な資金調達が重要になるとして、昨年、世界銀行に設立された途上国向けの「パンデミック基金」を有効に運用できるよう支援を拡充します。G7のみならず、すべての国に対して財政的、政治的支援の強化も求めました。

 コロナ禍は世界の保健システムに混乱を与え、適切な医療を受けることが難しくなった地域も少なくありません。このため、2030年までのUHCの実現を目指し、途上国への資金提供や、医療、介護人材育成の支援といった8項目の行動計画をまとめ、支援の強化に乗り出します。

 ロシアのウクライナ侵攻を巡っては、医療システムの激しい混乱を招いていると批判しました。医療施設が損傷・破壊され、数千人の医療従事者が避難を余儀なくされている実態に触れて、「侵略戦争を可能な限り最も強い言葉で非難する」と言明。ロシアに「即時かつ無条件の撤退」を求めました。

 2023年5月14日(日)

🟥肺がん診療ガイドラインに薬剤費一覧掲載 費用の高額化「医師が認識を」

 日本肺癌学会が公表した2025年版の診療ガイドラインに、付録として治療薬の薬価一覧が掲載された。最新の知見に基づいて推奨する治療法などをまとめるガイドラインに、薬剤費の情報が盛り込まれるのは異例。肺がん治療では、年間3000万円を超える新しいタイプの薬も登場するなど、薬剤費が...