グループで笑顔を作りながら発声し、深い呼吸を促す運動療法「笑いヨガ」。福島県立医科大学などの研究チームは、笑いヨガが糖尿病患者の血糖値を継続的に下げる効果があるとの研究成果を発表しました。論文が国際科学誌に掲載されました。
研究チームは、大阪大学医学部附属病院糖尿病センターに受診している、生活習慣の影響が大きい「2型糖尿病」の患者42人について、笑いヨガのプログラムに参加するグループと、不参加のグループに分類。プログラムでは12週間の期間中に計8回、1時間の笑いヨガと30分の健康講座を実施しました。
直近1~2カ月の血糖状態を示す「ヘモグロビンA1c」を両グループで比較すると、参加したグループの平均値は7・07%から6・82%に低下した一方、不参加のグループの平均値は7・19%から7・26%とほぼ横ばいでした。
近年の研究では、ヘモグロビンA1cが5年間にわたり7%未満だと、糖尿病の合併症になるリスクが大幅に減るとされています。
研究チームの大平哲也・福島県立医科大学教授(疫学)は、「プログラム参加者の継続率、出席率はともに高く、笑いヨガが血糖管理の有効かつ続けやすいアプローチであることが示せた」としています。
福島県立医科大学は6月15日まで、笑いヨガの健康教室の参加者を募集しています。体力の衰えやフレイル(要介護手前の状態)の可能性を感じる50歳以上が対象。フレイルの改善効果を調べるため、6月、9月、12月に身体測定などの検査を行います。前半コース(7~9月)か後半コース(9~11月)の各10回で、いずれか指定されたほうに参加します。参加費は無料で定員は70人。申し込みは同大疫学講座(024・547・1343)へ。
2023年5月29日(月)