2023/09/15

🟧新型コロナ感染状況、前週の0・98倍 ほぼ横ばいも感染対策徹底を

 新型コロナウイルスの全国の感染状況は、9月10日までの1週間では1つの医療機関当たりの平均の患者数が20・19人で、前の週の0・98倍となっています。

 厚生労働省は、「緩やかな増加傾向が続いていて、前の週からは減少したもののほぼ横ばいだといえる。引き続き感染対策を徹底してほしい」としています。

 厚生労働省によりますと、9月4日から10日までの1週間に全国約5000の定点医療機関から報告された新型コロナの患者数は、前の週から1545人減って9万9744人となりました。また、1つの医療機関当たりの平均の患者数は20・19人で、前の週の0・98倍となりました。

 都道府県別では、多い順に宮城県が32・47人、岩手県が29・87人、千葉県が27・45人、埼玉県が26・95人、石川県が25・65人、栃木県が25・51人、茨城県が25・43人、岐阜県が24・24人、福島県が24・13人、秋田県が23・88人、愛知県が23・84人、静岡県が23・83人、新潟県が23・53人、富山県が22・13人、長野県が21・74人、神奈川県が21・43人、宮崎県が21・03人などとなっていて、25の府県で前の週より増加しています。少ないのは沖縄県が12・26人、香川県が13・09人、大阪府が14・62人、和歌山県が14・96人、広島県が15・02人。

 このほか、9月10日までの1週間に新たに入院した人は全国で1万1566人で、前の週と比べて1744人の減少となりました。

 厚生労働省は全国の流行状況について、「新型コロナの5類移行後、緩やかな増加傾向が続いていて、前の週からは減少したもののほぼ横ばいだといえる。年齢別では20歳未満が増加している一方でそれ以外は減少していて、学校再開などの影響が続いているとみられる。引き続き、感染対策を徹底してほしい」としています。

 2023年9月15日(金)

2023/09/14

🟧「レプトスピラ症」が集団発生、沖縄・西表島の河川でカヌーの10歳代男性4人 過去に死亡例も

 沖縄県は12日、西表島の河川で8月にカヌーをした石垣市在住の10歳代男性5人のうち4人から、重症化すると腎機能障害などで死亡するリスクもある、レプトスピラ症の集団発生が確認されたと発表しました。 

 沖縄県ワクチン・検査推進課によると、男性らが8月21日にカヌーをした際、遊泳したり河川の水が口に入ったりしたといいます。その後、発熱や頭痛、腎不全などを発症したため入院。2人は現在も治療が続いています。

  細菌の病原性レプトスピラは、ネズミやマングースなどの野生生物の腎臓に潜み、排せつされた土壌や水に触れた皮膚の傷や粘膜を通して感染します。3日から2週間程度の潜伏期間を経た後、高熱や頭痛、筋肉痛などの症状が出るほか、重症化すると腎機能障害などで死に至るリスクもあります。

 沖縄県内では、レプトスピラ症で昨年70歳代の男性が発熱や腎不全などの症状が出て死亡したほか、一昨年は感染者が11人確認されています。

 県は、傷がある場合は河川での遊泳を控える、河川や滝の生水は飲まない、河川に入ったり、土壌に触れたりする時は肌を露出しないなどを呼び掛けています。

 また、初期の症状が風邪に似ていることから、数日の間に川などに行った経験があれば、受診する際に医師に話して早期の治療につなげてほしいとしています。

 2023年9月14日(木)

🟧埼玉県、新たな新型コロナ感染者7033人 20歳未満の若い世代で感染拡大

 埼玉県では新型コロナウイルスの感染が若い世代を中心に広がっており、大野元裕知事は「場面に応じてマスクをするなどして、感染を広げないようにしてほしい」と述べて、感染対策を呼び掛けました。

 13日、埼玉県の新型コロナの専門家会議が開かれ、大野知事は新型コロナに感染したことが確認されたため、オンラインで出席しました。

 この中で9月4日から10日までの1週間の新規感染者数について、定点把握の対象となっている県内261の医療機関から報告のあった新たな感染者数は7033人でした。1医療機関当たりの平均は26・95人となり、前の週より1・22人増えて15週連続で増加しています

 年代別では、10歳未満が1695人、次いで10歳代が1661人と20歳未満が半分近くを占め、若い世代で感染が急速に広がっているということです。また、50歳代が704人、40歳代が701人などなっています。

 また、県立高校で文化祭などの行事の後に複数の生徒や教職員の集団感染が確認されるケースが相次いでおり、9月7日に5校が学校閉鎖になったほか、13日、新たに久喜市と越谷市の合わせて2校が学校閉鎖となったということです。

 会議の後、大野知事はリモートで取材に応じて、「重症化リスクが高い人と会う時はマスクをするなど、場面に応じて感染対策をしていただきたい。換気や手洗いをして、人が多く集まるイベントで感染を広げないようにしてほしい」と述べ、引き続き県民に感染対策を呼び掛けました。

 2023年9月14日(木)

2023/09/13

🟧厚労省、モデルナの「XBB」対応コロナワクチン承認 20日から始まる秋接種で使用

 厚生労働省は12日、新型コロナウイルスのオミクロン型の亜系統「XBB」に対応するアメリカのモデルナ社製のワクチンを承認したと発表しました。すでに承認されている生後6カ月以上が対象のアメリカのファイザー社製のワクチンとともに、全世代を対象に20日から始まる無料の秋接種で使われます。同社は25日の週から各自治体に配送を始めます。

 モデルナ社製のXBB対応ワクチンの対象年齢は6歳以上。追加接種用で、前回の接種から少なくとも3カ月空ける必要があります。同社は、XBB対応ワクチンについて、現在流行している「EG・5・1」系統や、東京都で9月に初めて確認された「BA・2・86」系統に対して細胞への感染を防ぐ力を示す「中和活性」を確認したと発表しています。

  20日からの接種は6カ月以上の全世代が対象ですが、予防接種法上の「努力義務」や「接種勧奨」は高齢者や基礎疾患のある人に限られます。費用は引き続き全額公費負担となります。

 国産では、第一三共がXBB対応ワクチンの承認を申請しています。

 2023年9月13日(木)

🟧中国、豚体内で「人の腎臓」の培養に成功 世界初、提供臓器の不足緩和に希望

 アメリカで発行される国際学術誌「セル・ステム・セル」は7日、豚体内で人由来の中期腎臓の培養に成功したことを紹介する中国の科学研究チームによる論文を掲載しました。人とは異なる動物の体内で人由来の機能する臓器が培養されたことが報告されたのは、世界で初めてです。

 中国科学院広州生物医薬および健康研究院の頼良学研究員は同件について、「提供臓器の深刻な不足によって臨床上の臓器移植の広範な応用が制限されている。幹細胞に基づく器官の異種動物の体内での培養は将来、この問題を解決する理想的な道になる可能性がある」と説明しました。

 頼研究員はさらに、「この方法で得られる人由来の臓器は、より包括的な細胞タイプやより完全な臓器の構造と機能を有するだけでなく、使用した細胞は患者自身のものなので、異種動物の臓器または別人の臓器の移植で生じる免疫上の拒否反応などの問題を有効に回避することができる」と説明しました。

 これまでは、人由来の細胞を用いた異種動物の体内での臓器培養には技術上の多くの障害があり、豚の体内で人の臓器を培養する構想は成功していませんでした。

 今回の研究は、分化の潜在力が高く、強い競争力と抗アポトーシス能力を持つ新たなiPS細胞(人工多能性幹細胞)を利用して、最適化された胚補償技術体系と結び合わせることで、腎臓の欠陥を持つ豚の体内で人由来の腎臓の培養を実現したものです。

 中国の科学研究チームは、人由来の細胞を豚の胚に注射し、その胚を代理母豚に移植しました。その過程で使用された豚の胚は遺伝子操作により、腎臓の発育に必要な遺伝子が欠落していたので、移植された人細胞の増殖の余地が出現していました。

 研究者によると、この成果によって、幹細胞と胚補償技術に基づいて、異なる種の動物体内で機能を有する人由来の実質臓器を培養することが可能と初めて証明され、動物を利用して臓器の異種動物体内での培養の実現に向け、重要な第一歩を踏み出したことから、人から提供される臓器の深刻な不足問題の解決にとって重要な意義を持つものとのことです。

 2023年9月13日(水)

🟧ピーナツが原料のジーマーミ豆腐でアレルギー反応、観光客の搬送増加 沖縄県が注意呼び掛け

 沖縄の伝統的な食品で、ピーナツが主な原料の「ジーマーミ豆腐」を食べた観光客などがアレルギー反応を起こして救急搬送されるケースが相次いでいるとして、沖縄県が注意を呼び掛けています。

 沖縄県などによりますと、県内を訪れた観光客などが「ジーマーミ豆腐」の主な原料がピーナツだと知らずに食べてアレルギー反応を起こし、病院に救急搬送されるケースが、この夏から相次いでいるということです。

 これを受けて県や観光団体は、9月8日に沖縄観光コンベンションビューローを通じて注意喚起を行いました。

 具体的には観光客向けの情報を集めたホームページ「おきなわ物語」で、ジーマーミが沖縄の言葉でピーナツを指すことを紹介し、「豆腐」とあるものの大豆やにがりは使用しておらず、ピーナツのしぼり汁に芋クズのデンプンなどを加えて作るため、商品名からは含有成分を想像できない人も多いとみられ、食べる際には十分な注意が必要だとしています。 

 また、飲食店などに対しては、「メニューや店内での掲示でピーナツが原料であることを案内したり、注文を受ける際も確認したりしてほしい」と注意喚起を促しています。 

 アレルギーに詳しい沖縄市の中頭(なかがみ)病院の宮城俊雅医師は、「ピーナツを食べて重いアレルギー反応を起こし搬送されるケースは沖縄は全国に比べて多い。呼吸状態が悪くなったり血圧が下がったりして命にかかわる可能性がある。事業者側は慎重に提供し、アレルギーのある人や家族も注文する際に注意してほしい」と話しています。

 沖縄観光コンベンションビューローによると、特に小さな子供の事例が増えているといいます。離島で発症した場合は、沖縄本島への救急搬送が必要となる事例もあります。 

 2023年9月13日(水)

🟧東京都医師会、新型コロナは「第9波に入っている」 感染対策の実施を呼び掛け

 新型コロナウイルスの患者数の増加傾向が続いていることを踏まえ、東京都医師会の尾崎治夫会長は記者会見で、「第9波に入っている」として、場面に応じたマスクの着用やワクチンの接種など、基本的な感染対策の実施を呼び掛けました。

 この中で東京都医師会の尾崎会長は都内では感染者の増加傾向が続き医療がひっ迫しているとして、「5類への移行でもう終わったように思っている人もいるが、今は都内だけで毎日、新たに1万5000人ほどが感染しているような状況だ。第9波に入っており、2万人超だった第8波(昨年末~今年初め)のピークに近付きつつある」と述べました。

 そして、「重症化する人は減っており、以前のように規制をかける必要はないが、コロナとの闘いはまだまだ続いている」とした上で、「新たな変異型にも効果があるとされるワクチンの接種が来週20日から始まるので、できるだけ接種してほしい」と述べ、基本的な感染対策の実施を呼び掛けました。

 2023年9月13日(水)

🟩公立病院の院長になる要件に「医師少ない地域での勤務」を検討 医師偏在で厚労省

 医師が都市部などに偏り地方で不足する「医師の偏在」への新たな対策として、厚生労働省が、公立病院の院長などの管理者になる要件に、医師が少ない地域で1年以上勤務することを新たに加える方向で検討を進めていることがわかりました。  「医師の偏在」は医師が都市部や特定の診療科などに偏り...