2024/09/15

🟦1~6月の交通死者、千葉県が全国ワーストの72人 飲酒運転による事故目立つ

 千葉県警は、今年の上半期(1~6月)に県内で起きた交通事故の状況を発表しました。交通人身事故の死者数は72人(前年同期比15人増)に上り、全国ワーストでした。飲酒運転による人身事故の発生件数は67件(同10件増)で、依然として厳しい状況が続いています。

 県警交通総務課によると、死者数の内訳では、自動車に乗車中に亡くなるケースが37%で最多でした。単独事故や正面衝突の事故が多く、運転中のスマートフォン操作や脇見運転によるドライバーの前方不注意といった「安全運転義務違反」が事故原因の75%を占めました。シートベルトを着用していないケースもありました。

 事故で亡くなった人を年齢別でみると、25~64歳が最多の48%、65歳以上が45%と続きました。

 飲酒運転による人身事故の発生件数は、2018年からコロナ禍などで減少傾向でしたが、2022年に増加に転じ、50件台を推移。今年の上半期は67件と前年同期比で10件増えました。

 年齢別では、20歳代が最も多く16件、50歳代が15件と続きました。発生時間帯は、午前2時〜7時台と午後8時~11時台が多くなりました。

 また、ドライバーが酒を飲み終えて1時間以上たってから運転したケースが71%を占めました。事故を起こしたドライバーは、「ちょっと休めば酒が抜けて大丈夫だと思った」と説明する場合が多いといいます」。

 交通総務課によると、体重約60キロの人がビール(アルコール5%)500ミリ・リットルを飲んだ場合、アルコールが分解されるまで約4時間かかるといいます。担当者は「飲酒運転は犯罪。前日飲み過ぎたと思ったら翌日は運転しないといった意識を徹底して」と呼び掛けています。

 歩行中に犠牲になったり、大けがをした事故は、65歳未満が126人で前年同期比で2割ほど増えました。特に夜間の事故が相次ぎ、飲酒した状態で巻き込まれたのは12件あり、5人が亡くなりました。

 夜間に飲酒や病気で路上に横たわったところをはねられたのは7人(前年同期比6人増)で、うち3人が亡くなりました。

 2024年9月15日(日)

2024/09/14

🟦新型コロナウイルス感染者、1医療機関当たり6・57人 2週連続で減少、東北地方は流行続く

 厚生労働省は13日、全国約5000の定点医療機関から9月2~8日の1週間に報告された新型コロナウイルスの新規感染者数が3万2443人だったと発表しました。1医療機関当たりは6・57人で、前週比0・88倍と2週連続で減少しました。

 宮城県や東京都など7都県を除き減少しました。1医療機関当たりの感染者数が多かったのは宮城県13・71人(前週11・87人)、岩手県13・43人(同15・44人)、青森県12・74人(同14・53人)、山形県12・74人(同13・51人)、秋田県12・13人(同12・65人)と東北地方が目立ちました。少なかったのは鹿児島県2・28人、沖縄県2・55人、福岡県3・02人など。

 全国約500の定点医療機関から報告された新規入院患者数は2459人で、前週比0・81倍でした。こちらは5週連続で減少しました。

 2024年9月14日(土)

2024/09/13

🟦自己増幅型の新型コロナワクチン承認へ、少量接種で免疫が持続 厚労省部会が了承

 厚生労働省の専門家部会は12日、製薬会社「Meiji Seika ファルマ」(東京都中央区)が開発した、新型コロナウイルスのオミクロン株の新系統「JN・1」に対応したワクチン「コスタイベ」(商品名)について、製造販売の承認を了承しました。遺伝物質「メッセンジャーRNA(mRNA)」ワクチンを改良した新しいタイプで、少量の接種で効果が長く続く特性があります。

 このワクチンのタイプは、レプリコン(自己増幅型)と呼ばれます。mRNAをコピーして増やす「増殖装置」の設計図も成分に組み込むことで、接種からしばらくの間、ウイルスの働きを抑える中和抗体の産生につながるmRNAが体内で増えます。このため、接種量は従来の6分の1から20分の1で済むといいます。

 同社が、約830人を対象に行った臨床試験では、接種後1カ月時点で、血液中の中和抗体量は接種前の8倍、半年時点では同4倍でした。海外製の承認済みワクチンと比べて高く、副反応の頻度には違いがみられませんでした。

 承認されれば、10月に始まる定期接種用も含めて約430万回分が供給される予定です。

 北里大の中山哲夫名誉教授(臨床ウイルス学)は、「ワクチンの選択肢が増えるのは望ましい。新しいタイプであるため、承認された場合は、国や製薬会社は安全性の調査を続け、科学的根拠に基づいた情報を丁寧に発信する必要がある」と話しています。

 2024年9月13日(金)

2024/09/12

🟦全国9大学病院、ほかの医療機関への医師派遣の取りやめ・中止を検討

 今年4月から始まった医師の働き方改革の影響で、全国9つの大学病院で、ほかの医療機関への医師の派遣を取りやめたり、中止を検討したりしていることが、病院関係者の団体が行った調査でわかりました。

 今年4月から病院に勤める勤務医に対し、夜間や休日の時間外労働を制限する働き方改革が始まり、その影響を調べるため「全国医学部長病院長会議」が82の大学病院にアンケートを実施しました。

 その結果、今年5月の時点で約1割に当たる9つの大学病院で、地方などにあるほかの医療機関への医師の派遣を取りやめたり、中止を検討したりしていることがわかりました。

 また、医師の派遣は継続しながらも、勤務間のインターバルを設けるなど勤務体制を見直したり検討したりしている大学病院は24ありました。

 今回のアンケートでは時間外労働の制限が最も影響を与える業務も聞いていて、医学部の教授の66%は「研究」と答え、研修医の78%は「診療」と答えました。

 働き方改革によって医師の労働時間は減少傾向にあるということですが、全国医学部長病院長会議の相良博典会長は、「大学病院は地域医療で重要な役割を担っており、影響が拡大し続けると医療崩壊につながるため、医師の確保が欠かせない。国には待遇の改善などを求めていきたい」と話しています。

 2024年9月12日(木)

2024/09/11

🟦「睡眠時無呼吸症候群」の検知機能、アップルウォッチに搭載へ 兆候があった場合は利用者に通知

 アップルは9日、腕時計型端末「アップルウォッチ」に「睡眠時無呼吸症候群」の検知機能を搭載すると発表しました。20日発売の「シリーズ10」(税込み5万9800円から)などに搭載し、9月中に日本でも利用できるとしています。

 睡眠中に端末を通して得られたデータを基に、症候群の兆候があるかどうか、高精度で測定します。兆候があった場合は利用者に通知し、早期発見に役立てます。医者の診断に役立つよう、睡眠時無呼吸がいつ発生したか、アプリ上で確認することもできます。この症候群は睡眠中に呼吸が何度も止まる病気で、倦怠(けんたい)感や集中力の低下を招き、居眠り運転による交通事故にもつながるとされます。

 また、ワイヤレスイヤホン「エアポッズプロ2」(同3万9800円)に補聴器機能を搭載することも発表しました。日本で今秋に利用できるようになるといいます。

 2024年9月11日(水)

2024/09/10

🟦東京都内で梅毒感染者が2460人 過去最多の昨年に迫る勢い

 東京都内の梅毒感染者数が、過去最多だった昨年とほぼ同水準で増加し、今年1月から9月1日までの累計が2400人(速報値)を超えたことが、東京都感染症情報センターの集計でわかりました。東京都では「2021年以降、梅毒感染者は増加傾向にあり、予防を心掛けてほしい」と注意を呼び掛けています。

 東京都感染症情報センターによると、今年に入って梅毒感染者は、年始から35週目に当たる9月1日までに累計2460人。感染者数が過去最多だった昨年は、1年間で3701人に上りましたが、すでにその7割に迫る勢いで、同センターでは「過去最多だった昨年同時期(2526人)には及ばないものの、今年もハイペースで増えている」と感染の広がりを懸念しています。

 感染者の内訳をみると、7割が男性で、年代は20~50歳代、女性は20歳代で増加が目立ちます。都内の梅毒感染者は2020年まで抑制傾向にあったものの、2021年から増加に転じ、2023年に過去最多を更新しました。全国的にも2023年は感染者数が1万4906人と今の制度で統計を取り始めてから最多になり、特に東京都が突出しています。

 梅毒は主に性的接触により感染し、体にしこりや発疹などさまざまな症状が出ます。ただし、感染しても無症状の場合もあり、無自覚のまま他人にうつすことも多くなっています。治療が遅れると、脳や心臓などに重い症状が出ることもあります。妊娠中の女性が感染すると胎児に感染し、早産や新生児死亡の原因になる恐れがあります。

 同センターでは、「梅毒は昔の病気と思われがちだが、近年は感染者が増えている。パートナー同士で感染の有無を確認し、また感染が疑われる場合は、早めに保健所や医療機関で検査をしてほしい」としています。

 2024年9月10日(火)

2024/09/09

🟦AIを活用し入院患者のメンタルケア、岡山大チームがシステム開発 

 岡山大の長谷井嬢准教授(整形外科)らの研究チームは、AI(人工知能)を用いて入院患者らの心理的ケアを行う「メンタルケアサポートシステム」を開発しました。通信アプリLINE(ライン)を使って対話する仕組みで、医療者による対面支援と併用してよりきめ細やかなケアにつなげます。

 6月に岡山大病院(岡山市北区鹿田町)に導入したほか、九州大病院(福岡市)、東北大病院(仙台市)など全国4病院の一部診療科でも利用されています。

 システムでは患者らが自身のスマートフォンやタブレットを使い、時間を問わずやりとりできます。「相談相手」は、主に小中学生用として友達のように会話ができる「心(こころ)さん」、高校生以上を対象に丁寧な言葉遣いで幅広い相談が可能な「葵(あおい)さん」を用意。共感が中心で、治療内容など専門的なことは答えません。

 例えば「夜は不安で眠れない」と訴えると、両者とも「つらいね」などと共感します。その後に心さんは「何かリラックスできることをしてみるのはどうかな」と音楽を聴いたり、本を読んだりすることを提案。葵さんは「特に不安に感じることがあるのでしょうか」と質問します。実際に使用した患者からは「人には言えないけど、AIには言えたことがある」といった感想が寄せられているといいます。

 医療従事者によるテスト運用では不適切な回答はなく、性的な表現や暴力的なメッセージを受けても避けて会話することができていました。命の危険があるような発言があった場合は、病院スタッフへの相談を促し、「私はここにいます」と孤独感を和らげる言葉を送りました。

 長谷井准教授らは、入院中の夜や休日には出勤している医療者が限られるため「話したいことや聞いてほしいことを一人で抱え込む状況が少なくないのではないか」と考えて開発に着手。「メッセージに『既読』とつくだけでも『受け止めてもらえた』という安心感が得られると聞く。患者の不安や孤独感の軽減につなげ、治療への前向きな気持ちを引き出してくれると期待している」としています。

 当面は利用無料で、入院患者に限定します。主治医が許可すれば使用できます。

 2024年9月9日(月)

🟪「がん予防」うたう再生医療で敗血症、厚労省がクリニック運営法人などに改善命令

 医療法人輝鳳(きほう)会(東京都豊島区)が運営する医療機関で自由診療の再生医療を受けた2人が敗血症となった事案で、厚生労働省は24日、再生医療安全性確保法に基づき、輝鳳会と都内の医療機関代表2人に対し、再発防止策の策定などを求める改善命令を出しました。調査では複数の法令違反や...