2024/10/05

🟪埼玉県の10歳代男性、はしかに感染 県内では3年3カ月ぶり

 埼玉県は、県内に住む10歳代の男性がはしかに感染したと発表しました。

 男性は海外への渡航歴はなく、県内で感染した可能性もあり、県は注意を呼び掛けています。

 県感染症対策課によりますと、はしかの感染が確認されたのは県内に住む10歳代の男性です。男性は9月20日に発熱し、その後、発疹などはしかの症状が現れたといいます。男性は後日、医療機関を受診し入院。現在は、症状が改善したため退院し、自宅で療養しています。

 1日に県衛生研究所で検体を採取しPCR検査を実施。3日にはしかの陽性反応が確認されました。

 男性は海外への渡航歴はなく、感染源が不明で県内で感染した可能性もあるということです。

 また、男性と接触があった人たちについても健康観察を行っているものの、これまでのところ、発症した人はいないということです。

 今年、県内ではしか患者が確認されたのは初めてで、発生は約3年3カ月ぶりです。

 埼玉県は「はしかは感染力が強いので感染が疑われる場合は医療機関を速やかに受診してほしい。また、感染を広げないよう公共交通機関の利用などは控えてほしい」としています。

 2024年10月5日(土)

2024/10/04

🟪東京都内のマイコプラズマ肺炎患者数、前週に続き過去最多更新

 発熱や長引くせきといった症状が特徴で、子供が感染することの多いマイコプラズマ肺炎の東京都内の患者数が、前の週に続いて過去最多を更新し、都は、こまめな手洗いやせきエチケットの徹底を呼び掛けています。

 マイコプラズマ肺炎は子供に多い細菌性の感染症で、飛まつや接触で広がり、感染すると発熱や全身のけん怠感や頭痛、せきといった症状がみられるほか、一部の人は肺炎が重症化したり、発熱で衰弱したりして入院するケースがあるほか、まれに脳炎を起こすこともあります。

 都は3日、マイコプラズマ肺炎の9月29日までの1週間の1医療機関当たりの患者数が2・96人になったと公表しました。

 これは過去最多となった前の週の2・80人を上回っていて、2週続けて過去最多を更新したこととなります。

 都は、こまめな手洗いやせきエチケットの徹底を呼び掛けるとともに、せきが長引くなどの症状がある場合は、医療機関を受診するよう呼び掛けています。

 日本マイコプラズマ学会の理事を務める杏林大学の皿谷健教授は、感染の拡大について。「コロナ禍の3年半はマイコプラズマの患者が非常に少ない状態だったが、昨年の行動制限の解除を機に手洗いやマスクといった感染対策が緩やかになったことなどから感染が急拡大していて子供だけでなく大人が家庭内感染する例も目立っている」と指摘しています。

 その上で、「私が所属する大学病院でも毎日数人の感染者が発生しているほか、感染者のおよそ5%は新型コロナなどほかの呼吸器疾患にも感染している状態だ」と話していました。

 また、マイコプラズマ肺炎の症状などについて、「初期症状風邪と似ていて診断は難しいが、強いせきや高熱が3日以上続けばマイコプラズマの感染が疑われる。個人でできる対策は、手洗いやマスクの着用、具合の悪い人がいたら距離をとる、といった基本的な対策の徹底が重要だ」と話していました。

 2024年10月4日(金)

2024/10/03

🟪重症の糖尿病患者にiPS細胞を用いた膵島細胞シート移植、京大病院が治験へ 来年1月に患者登録開始

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)を用いて膵臓(すいぞう)の細胞が正常に働かない重症の1型糖尿病を治療する臨床試験(治験)について、京都大病院は2日、来年1月に開始すると正式に発表しました。

 対象となるのは血糖値を下げるホルモンであるインスリンが分泌されなくなり、「 膵島(すいとう)移植」の適応となる20歳以上65歳未満で、5年以上前に1型糖尿病と診断されるなどした患者3人。

 計画では、健康な人のiPS細胞から数センチ四方の膵島細胞のシートを作って患者の腹部の皮下に複数枚を移植し、5年間経過を観察して安全性などを確認します。来年1月に患者の登録を始め、2月に1例目の移植を行うとしています。

 医薬品医療機器法では、届け出から30日が経過しないと治験を始められないと定められています。京都大病院は9月2日、治験の審査などを担う独立行政法人・医薬品医療機器総合機構に計画書を提出していました。

 参加を希望する患者からの問い合わせは、京都大病院のホームページで受け付けます。

 治験責任医師の矢部大介教授は、「まずは安全性を評価する治験だが、参加を希望される方はご連絡いただきたい」としています。

 2024年10月3日(木)

2024/10/02

🟧海洋温暖化の速度は2005年以来2倍に EU報告

 人類が原因となった地球温暖化の影響で、2005年以降、海水温の上昇速度がほぼ倍増しているとするヨーロッパ連合(EU)の地球環境モニタリング計画「コペルニクス」の報告書が9月30日、発表されました。

 報告書は、地球表面の約70%を覆い、気候の主要な調整役を果たす海洋に対する温暖化の影響を強調しています。

 コペルニクスの海洋学者カリーナ・フォン・シュックマン氏によると、1960年代から海洋の温暖化は継続的に進んでいますが、2005年以降急激に加速しているといいます。

 過去20年間で、温暖化のペースは1平方メートル当たり0・58ワットから1・05ワットにほぼ倍増しました。

 調査結果は、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が、人類の排出する温室効果ガスによる長期的な海洋の加熱について述べた内容と一致しています。

 IPCCによると、1970年以降、二酸化炭素やその他の温室効果ガスの放出によって大気中に閉じ込められた余分な熱の約90%が海に吸収されています。

 温暖化した海洋は、地球全体の気象パターンや降雨の位置に影響を与えることで、嵐やハリケーン、その他の極端な気象現象を引き起こしています。

 2024年10月2日(水)

2024/10/01

🟧東工大・東京医科歯科大が統合、「東京科学大」発足 世界トップクラスを目指す

 東京工業大と東京医科歯科大が統合して1日、東京科学大が誕生しました。国立大の統合は、2007年に大阪大が大阪外国語大と統合して以来。東京科学大は、国立大学法人の経常収益でみると東京大や京都大などに次いで7番目の規模となり、世界トップクラスの科学系総合大学を目指します。

 経営を担う大竹尚登理事長(旧東工大教授)と、教育・研究を束ねる田中雄二郎学長(旧医科歯科大学長)の2トップ体制をとります。大学本部は東京都目黒区の旧東工大に置き、当面は旧2大学の学部名や定員を存続させます。学生数(学部生と大学院生)は旧東工大が計約1万人。旧医科歯科大が計約3000人。

 大竹理事長と田中学長が1日午後に記者会見します。

 旧東工大は理工系分野で、旧医科歯科大は医学分野で、それぞれ国内トップクラスの研究力を誇ります。両大学とも世界最高水準の教育研究活動を期待され、国から規制緩和などの特例を受ける「指定国立大」でした。

 それでも欧米の理科系有力大と比べて、予算規模や引用の多い論文数などで、大きく水を空けられています。こうした状況を打開するため、「医工連携」を深めるなどして世界と戦える力を持ちたいと、統合を決断しました。

 相乗効果を生み出すには、異なる文化の中で過ごしてきた両大学の教職員や学生が、スムーズに融和できるかがポイントになります。学生は机を並べて学び、研究者は協力して一つのテーマに挑戦するなど、大学として意識的に双方の出身者が集う場を作ることが必要です。

 新大学の試金石となるのが、近く2度目の公募が予定されている「国際卓越研究大学制度」です。認定されれば、政府が作った10兆円規模の「大学ファンド」の運用益から、毎年数百億円を受け取ることができます。研究設備を充実させ、国内外から優秀な研究者を集めることで、新大学の起爆剤となります。

 統合について環境・社会理工学院の2年生の女性は、「名称が変わるのは寂しいが、医工で連携する効果には期待している」。大学院医歯学研究科の博士課程の男性は、「旧東工大の研究者を通じてメーカーなど他職種の人と接点を持つことができれば、勉強になることが多いと思う」と話しました。

 旧東工大は1881年設立で理、工など6学院(学部に相当)。医科歯科大は1928年設立で、医、歯の2学部。

 2024年10月1日(火)

2024/09/30

🟧塩野義製薬、発達障害の子供をアバターで支援 2025年度にも、心理的障壁を取り除く

 塩野義製薬が注意欠陥・多動性障害(ADHD)や自閉スペクトラム症(ASD)などの発達障害のある子供を対象に、アバター(分身)技術を使って、言葉の遅れなど子供が直面する困り事に対応する支援サービスに取り組むことが29日、わかりました。2025年度中にもサービスを開始します。対面ではなくアバターを介することで、心理的障壁を取り除くことができるといいます。

 発達障害の子供は他人とのコミュニケーションが苦手な場合が多く、成長するに従って社会生活に困難を感じるため、周囲の理解と支援が必要になります。

 塩野義製薬は、大阪大大学院の石黒浩教授(ロボット工学)が設立し、同社も出資するベンチャー企業「AVITA(アビータ)」(東京都品川区)と協業。塩野義製薬が独自のソフトウエアを作成し、アバターの技術開発はアビータが手掛けます。

 言語の療育を行う言語聴覚士がアバターを通じて子供に接する「言語聴覚療法」を提供するサービスを2025年度中に、個人の特性に合わせて対人関係を学ぶ「ソーシャルスキルトレーニング」サービスを2026年度中にそれぞれ始めることを目指しています。

 塩野義製薬の調査では、言語聴覚士がアバターを使ってASDの子供らに接したところ、人と直接対面するよりも会話に集中する傾向があったといいます。

 アバターは自由に選ぶことができ、人間だけでなく動物やアニメ風のキャラクターなど子供の特性に合わせて設定します。声も変えることができ、子供の関心を引きやすいアバターをつくり出すことが可能。興味を引き付けながら言葉や会話の練習ができます。

 言葉の問題はその後の学習の遅れや人間関係の構築などに影響を与えることから、専門的な支援が必要とされる一方、子供の言語療育を担う言語聴覚士の数には限りがあります。アバターのサービスは同時に複数の配信も可能なため、よりきめ細かい対応が期待できます。

 3歳児健診で言葉の遅れがみられた幼児や、小学校で対人コミュニケーションに悩む児童らをサポートし、各家庭のほか、学校の支援学級、児童発達支援事業所などでの導入を想定します。

 塩野義製薬は今年2月に、小児のADHD患者を対象とした、ゲームで症状緩和が期待できるデジタル治療用アプリの製造販売承認を申請しています。治療だけでなく、困り事に応じた福祉環境の必要性から今回の事業に乗り出すことを決めました。

 担当者は、「発達障害は切れ目のない支援が必要。今後サービスの対象幅や内容を広げていきたい」と話しています。

 2024年9月30日(月)

2024/09/29

🟧うつ病治療薬「ズラノロン」、国内で製造販売承認申請 塩野義製薬、治験で即効性確認

 塩野義製薬は27日、同社がアメリカのセージ・セラピューティクスから日本、台湾および韓国における独占的開発権・販売権を取得しているうつ病治療薬「ズラノロン」について、同日付で日本での製造販売承認申請を行ったと発表しました。

 今回の製造販売承認申請は、同社が日本で実施した第3相の臨床試験(治験)の良好な結果に基づくもの。第3相の臨床試験は、中等症から重症のうつ病患者412 名を対象に、ズラノロンの有効性および安全性、忍容性の評価を目的に国内で実施された試験です。

 うつ病の重症度を評価する尺度であるHAM-D合計スコアのベースラインからの変化量について、ズラノロン投与群はプラセボ投与群に対して統計学的に有意な減少が確認され、主要評価項目を達成しました。

 また、ズラノロン投与群は、投与3日目からHAM-D合計スコアが有意に減少し、本剤の即効性が示されました。

 日本におけるうつ病の患者数は約500万人と推計され、非致死性の健康を損なう疾患の中では最多の罹病者数です。既存の治療薬は効果発現までに数週間かかることが多く、即効性のある治療薬が求められています。これまでの臨床試験で即効性が確認されている同剤は、うつ病治療の新たな選択肢としての貢献が期待されます。

 2024年9月29日(日)

🟪小中学生の体力調査、中学生男子はコロナ感染拡大前を上回る

 全国の小学5年生と中学2年生を対象に、50メートル走など8つの項目で体力や運動能力を調べる今年度の国の調査で、中学生の男子の合計点は新型コロナウイルスの感染拡大前を上回りました。一方で、小学生の男女は低下傾向にあり、スポーツ庁は運動の機会を増やす取り組みに力を入れていく方針で...