ゆさぶられっこ症候群(Shaken baby syndrome)は、2歳以下の乳幼児、特に6カ月以下の乳児の頭部を激しく揺することによって、頭蓋(とうがい)内出血や眼底出血、脳損傷が引き起こされる症候群です。その予後は悪く、脳性まひ、精神遅滞、視力障害、さらには死を招くケースも。
乳幼児には、体に比べて頭部が相対的に大きく重い、頸部(けいぶ)の筋肉が未発達で支持力が弱い、未発達な脳組織が揺れや打撲で大きく移動するといった解剖学的な特徴があり、過度に揺さぶると、脳組織に損傷を与えるのが原因とされています。
アメリカでは30年ほど前から事例が報告され、乳幼児の身体虐待の一つとする考え方が一般的ですが、ふだんの子育て中にも、高い高いをしたり、強く揺するなど、不注意な子供のあやし方や親の認識不足から、ゆさぶられっこ症候群を引き起こしてしまうケースもあります。
乳児も6カ月を過ぎてくると、首も座り、高い高いなどをすると喜ぶようになります。少なくとも1歳を過ぎるまでは、むやみに揺さぶらない配慮が必要とされます。伝え歩きをする頃には、乳幼児が不意に転んで頭部を打たないよう、注意深い観察が必要とされます。
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