スキー場などで紫外線が作用して、目の角膜に生じる炎症
雪目とは、スキー場や雪山などで多量の紫外線を含む太陽光線の反射を受けて、角膜に起こる炎症。雪眼炎、雪盲(ゆきめくら)、光誘発角膜炎とも呼ばれます。
いわば、目の日焼けであり、スキーやスノーボード、雪山登山をする際に、サングラスやゴーグルをかけないで長時間過ごすと、雪面による多量の紫外線を含む太陽光線の反射を強く受けることになり、黒目の表面を覆う角膜に炎症が起こります。太陽光線以外に、電気溶接の火花や殺菌灯の光線によっても起こります。
多くは、紫外線に目がさらされて10時間ぐらいして発症します。そのため、スキーなどをしている日中はあまり自覚症状がなく、夜半から真夜中にかけて急に目が痛み出し、目が開けられなくなることもあるので、慌ててしまうケースが多くみられます。
角膜は神経が豊富なため、痛みが非常に強く出るのが特徴ですが、両目のまぶたがはれて、常に涙が流れ出ている状態となり、白目の表面を覆う結膜は充血します。角膜の表面には細かい多数の傷がつき、全体に薄く白濁が起こることもあります。
キラキラと目を開けていられないような好天気の日に、一日中ゲレンデや雪山にいても雪目にならない人がいる一方で、どんよりと曇った日に数時間スキーやスノーボードをしただけで雪目になる人もいます。一般的に、若い人のほうが雪目になりにくく、年齢が上がってくると目が紫外線に弱くなる傾向があります。
雪目の検査と診断と治療
雪目(雪眼炎)になった際には、アスピリンやセデスなどの鎮痛剤を内服し、なるべく目を閉じた状態を保ち、冷やしたタオルを目に当てて休みます。涙は出るほうがよいので、目を水で洗わないようにします。通常、痛みは次第に和らぎますが、翌日も強い痛みが続く時には、眼科で適切な治療を受けます。
医師による検査では、特殊な染色液で染めると角膜表面は点状に染まります。治療では、ヒアルロン酸の入った角膜を保護する目薬を主に使います。そのほか、抗生剤の目薬や眼軟こうも併用します。黒目の表面は修復能が高いので普通、数日で症状は回復します。
過度の紫外線は、シミやシワといった肌の老化を早めると同様、目の老化とも関連が深く、白内障や加齢性黄斑変性を進行させると考えられています。これを防止するためには、目にも紫外線対策が必要になります。
スキー場や雪山を始め紫外線にさらされるような場所では、帽子をかぶり、UVカット加工したサングラスやゴーグルをかけたり、紫外線カットのコンタクトレンズを用います。また、太陽光線、電気溶接の火花、殺菌灯の光線を直視しないように気を付けます。
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