脱水症とは、体重の2パーセント以上の水分、すなわち体重60キロの人で1200ミリリットルに相当する水分が急に減り、体液のバランスが崩れることで現れる症状です。
平均で、男性は体重の約60パーセント、女性は約55パーセント、子供は男女とも約70パーセントが、血液、体液などの水分で成り立っています。この水分が暑い夏には、汗や呼気などから多量に失われるため、自分で気付かないうちに、軽症の脱水症である日射病や、死に至ることもある熱射病など危険な状態になっていることがあります。
のどが渇く、軽いめまいがする、尿量が減るなどの症状に始まり、脱水状態が進むと、頭痛、吐き気、筋肉のけいれん、意識障害、腎(じん)不全などが現れます。体重の8パーセント以上、すなわち体重60キロの人で4800ミリリットル以上のひどい脱水状態になると、体の熱を発散できず、体温が上昇して死に至ることもあるのです。
引き起こしやすいのは、夏の炎天下など高温の環境にいる時、スポーツや外回りの仕事で大量に汗をかいた時、下痢や嘔吐(おうと)、発熱している時です。
脱水症が進んで体内に熱がこもると、生命にかかわる危険な状態。頭がボーッとしたり、体がフラフラしたり、水分補給がうまくできなくなったら、点滴などの処置が必要なケースです。すぐに病院で受診してください。
予防のためは、のどの渇きを感じる前に、心掛けて水分の補給をすることが大切です。1回にたくさん飲むより、何回かに分けて少量ずつ飲むほうが、吸収がよくなります。
市販のスポーツ飲料なら、ミネラルや糖分が含まれており、水よりも早く体に吸収されます。10度程度に冷やした状態が、最も早く吸収されると見なされています。
スポーツや外回りの仕事の休憩時間には、夏ミカンやオレンジ、グレープフルーツといった水分の多い果物のほか、果菜のスイカに自然塩を少々振って食べるのもお勧めです。含まれているビタミンCや果糖などが、疲労の回復にも役立ちます。
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