眼瞼結膜に白色ないし黄色をした小さな硬い感じの結石ができる疾患
結膜結石とは、上下のまぶたの裏側を覆っている眼瞼(がんけん)結膜に、白色ないし黄色をした小さな硬い感じの塊である結石ができる疾患。
目の結膜は、上下のまぶたの裏側と、眼球の表面から黒目の周囲までを覆っている、半透明の薄い粘膜の部分を指します。まぶたの裏側を覆っている部分が眼瞼結膜、白目の表面を覆っている部分が眼球結膜と呼ばれています。一方、黒目の部分を覆っている粘膜は角膜と呼ばれています。
結膜の働きは、直接、外界に接している目を異物の侵入から守ることで、結膜には抗菌作用のある粘液や涙液が分泌され、常に作られている涙で目の表面を潤して防御しています。また、結膜には適度な緩みがあり、上下左右などの眼球運動に耐えられるようになっています。
その結膜にできる結膜結石は、カルシウムや脂質、組織中の老廃物などが集まって沈着したもので、眼瞼結膜下のある程度深いところにでき始めます。
初期には無症状で、無症状のまま経過することがほとんどなのですが、時に少しずつ眼瞼結膜の表面に移動してきて、露出することがあります。こうなるとまばたきするたびに、隆起した結膜結石が白目の表面を覆っている眼球結膜や、黒目の部分を覆っている角膜を直接こすることになるため、「ゴロゴロする」「何か入っているような感じがする」といった異物感、違和感、不快感を感じるようになります。
結膜結石が角膜に当たって角膜の上皮に傷が付くと、痛みで目が開けられなくなることや、目が充血したりすることがあります。
年齢とともに結膜結石がある人が増え、50歳以上の人に多くみられるので、老化現象の一つとしてできることも多いと見なされます。ただ、根本的な発生メカニズムはわかっていませんが、慢性的な結膜炎やドライアイがあったり、さらには目をよくこすったり、コンタクトレンズを長期装用したりしていると、若い人でもできることはあります。
体質的に結膜結石のできやすい人もおり、よく再発することがあります。
結膜結石の検査と診断と治療
眼科の医師による診断では、左右上下すべてのまぶたをめくって、スリットランプ(細隙灯〔さいげきとう〕)と呼ばれる検眼用の顕微鏡を使って視診することで、容易に診断できます。
眼科の医師による治療では、自然に、ないし洗眼や点眼などによって結膜から結石が脱落することがあるため、2~3日様子をみて、強い異物感がなくないようであれば手術で結石を除去します。
手術では、表面麻酔剤を点眼してまぶたをめくり、細い針の先で引っ掛けるようにして結石を取り除きます。通常2~3分以内に、手術は終わります。出血することがありますが、2~3日以内に止まります。
まれに、感染を起こすことがあるため、医師の指示通りに抗菌薬としての点眼液や、抗炎症薬としての点眼液を点眼する必要があります。結石を除去すれば、90パーセント以上よくなります。
しかし、眼球に接していない小さな結石は除去できないため、それが月日の経過で老廃物などが蓄積して大きくなり、異物感や不快感、痛みが再発することもあります。体質的に結石のできやすい人では、よく再発することがあります。再発した場合は、再度眼科を受診してもらい、新たに露出した結石を手術で除去することになります。
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