目の結膜に水疱状の斑点を生じる眼疾
フリクテン性結膜炎とは、上下のまぶたの裏側と、眼球の表面から黒目の周囲までを覆っている粘膜である結膜に、円形で水疱(すいほう)状の小さな灰白色の斑点(はんてん)が生じる疾患。フリクテンとは、その水疱状の斑点のことです。
フリクテンは主に、黒目の部分を覆っている粘膜である角膜に結膜が接する縁の部分、すなわち黒目と白目の境目あたりに1〜2個生じ、周囲の結膜は充血します。フリクテンの多くは、角膜の右端か左端の結膜に生じます。
数日すると、充血の中心が隆起します。自覚的には、涙が出てまぶしく、異物感があります。痛みを伴うこともあります。目やにが出ることはありません。
隆起はやがて潰瘍(かいよう)化しますが、瘢痕(はんこん)を残すことはなくやがて治癒します。自然に治っても、再発することが多くみられます。
小児や思春期の青少年に好発しますが、成人でも珍しくはありません。人から人に感染することはありません。
原因は不明。昔は結核菌が多かったため結核アレルギーともいわれ、現在では結核菌、ブドウ球菌、真菌、クラミジアなど対するアレルギーともいわれています。疲労やストレスなどが誘因になることも多いようです。
あまり悪質な疾患ではありませんが、早めに眼科の専門医の診察を受けることが勧められます。
フリクテン性結膜炎の検査と診断と治療
眼科の医師による診断では、細隙灯(さいげきとう)顕微鏡で眼球を観察して、症状から判断します。角膜に病変が広がっていることもあります。
眼科の医師による治療では、炎症やアレルギーを抑える副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド剤)の点眼薬や眼軟こうを用います。抗生物質(抗生剤、抗菌剤)の点眼薬や眼軟こうを併用することもあります。
比較的治りやすく、普通、数日で炎症が治まります。
治癒した後、アレルギーの増悪に伴って再発したり、何度も再発を繰り返すこともあります。このような場合は、症状が出現した時だけ点眼薬を使用し、症状が出ていない時には点眼薬を中止するようにします。
なお、ステロイド剤の点眼薬は強い抗炎症作用を持つ一方、長期間使用すれば眼圧上昇などの副作用が出る場合があるので、注意が必要です。
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