足の裏のアーチを支えている足底筋膜に炎症が起こる疾患
足底筋膜炎とは、足の裏のアーチを支えている足底筋膜に炎症が起こる疾患。足底筋膜は足底腱(けん)膜とも呼ばれるため、足底腱(けん)膜炎とも呼ばれます。
朝、起き掛けにかかとの内側の辺りが痛んで歩きにくいという症状がある場合は、この足底筋膜炎のことがあります。 40、50歳代の男性に多く、5人に1人は一生に1度は経験するといわれます。加齢に伴って足底筋膜の柔軟性が失われ、組織が弱くなるために起こりやすくなります。
若い世代では、ジョギングやジャンプなどによる足の使い過ぎや、外傷によって起こることがあります。ランニング動作やジャンプ動作などで体重刺激が足部にかかる場合、足底筋膜は繰り返しの牽引(けんいん)刺激によって、微小断裂や炎症が発生しやすくなり、 スポーツ障害としての足底筋膜炎を発症します。
加齢に伴う場合の多くは、かかとの骨の内側の前方が痛みます。それも朝、起きて歩き始めた時に痛むのが特徴的で、日中はあまり痛みを感じません。
こうした症状を自覚した時は、まず3週間ほど様子をみるといいでしょう。その後も痛みが続いたり、強くなったりして日常生活に支障を来す場合は、整形外科を受診します。
医師による診断では、痛みの性質と部位、年齢で見当は付きますが、念のためレントゲン写真を撮ります。レントゲン写真を撮ると、かかとの骨の前の部分にとげ状の骨が見られることが多いので、踵骨棘(しょうこつきょく)とも呼ばれます。
治療は通常、痛みを和らげる湿布が基本。日常の歩行時に痛むようなケースでは、ヒールカップというクッション材を靴のかかとの部分に敷いて、痛みを和らげます。
さらに痛みがひどい場合は、消炎鎮痛内服薬を処方し、時に局所にステロイド剤と麻酔剤を注射しますが、この注射は数週間置きに数回にとどめます。踵骨棘による痛みが強い場合は、骨切除術を行う場合もあります。
こうした治療とともに、日常生活では足底筋膜を伸ばすストレッチを行うと効果的。ストレッチは、足指を曲げ、足首を反らして足の裏を5〜10秒、十分に伸ばすようにします。左右交互に行い、少なくとも1日各30回、できれば100回行うと理想的で、日常、習慣化するとよいでしょう。
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