男性の陰茎が年齢相応の平均サイズよりも小さな状態
短小陰茎とは、男性の陰茎が年齢相応の平均サイズよりも小さな状態。
医学的に疾患と認められているものではなく、個人差の範囲にすぎない状態を指している場合も多く認められます。医学的に疾患と認められている状態には、矮小(わいしょう)陰茎があります。
矮小陰茎のほうは、男性の陰茎が基準サイズよりも大幅に小さい状態にあり、生殖や性行為に支障を来す性機能疾患として認められている疾患の一つです。
陰茎の形態は正常であるものの、陰茎の大きさが平常時はもちろん、勃起(ぼっき)時でも一定の基準サイズよりも小さく、成人男性で勃起時の長さが5センチ以下のものが、矮小陰茎と定義されています。勃起時でも長さ太さともに5ミリに達せず、陰嚢(いんのう)に埋没して、外見上は生まれ付き陰茎を所有しない陰茎欠損症に見える極端な例もあります。
性腺(せいせん)からのホルモンの分泌不足によって起こる性腺機能低下症が、原因と考えられています。また、全身的な症候群の一症状として、矮小陰茎がみられることもあります。
短小陰茎のほうは、生殖や性行為に支障を来すことがなければ、特に疾患として扱う必要性はありませんが、コンプレックスなどの心理的障害のベースになる可能性もあります。短小陰茎に関連した精神的トラウマが、心因性(機能性)勃起障害(ED )の原因になることもあります。
現在、日本男性の3人から5人に1人の割合で、短小陰茎の悩みを抱えているといわれています。矮小陰茎のように極端に陰茎が小さい状態ではないため、中には、客観的には平均サイズなのに主観的に小さいと思い込み、悩んでいる人も少なくないと見なされます。
短小陰茎の明確な基準サイズというものは存在していませんが、一般的に最も多く基準サイズとして扱われるのは、日本人男性の平均サイズです。
陰茎の勃起時の長さの平均は、12センチから15センチといわれています。ただし、多少の幅があり、12センチから13センチが最も多いようで、15センチとなるとかなり大きめのサイズになると思われます。
12センチから15センチの半分の6センチから7センチ以下であれば、明らかな短小陰茎とみなしていいのかもしれません。
ちなみに、平常時の場合は、8センチ前後が平均サイズといわれています。こちらは暖かい時、寒い時で、勃起時以上にかなりの差があります。
では、日本人男性の平均サイズを下回ると、性行為に際してパートナーの女性を満足させられないのかというと、そうともいい切れません。平均サイズを下回っている場合でも、女性側の体のサイズに合ってさえいれば、性行為には問題はないことになります。
女性の膣(ちつ)の長さにも個人差がありますが、最奥部まではおよそ7センチから10センチとされています。つまり、陰茎の勃起時の長さが10センチあれば、支障はないことになります。
短小陰茎の治療
泌尿器科、形成外科、美容整形外科などの医師による治療では、陰茎のサイズを増大し、短小を改善する形成手術を行うのが一般的です。
形成手術には、長茎手術、脂肪吸引手術、亀頭増大手術、陰茎増大手術などがあります。
長茎手術では、下腹部に埋まっている陰茎の部分を引っ張り出して、陰茎と恥骨の結合部にある陰茎堤靭帯(じんたい)を補強、固定します。効果には個人差がありますが、手術後は陰茎が下腹部に埋まり込むことがなくなり、平常時で2センチから5センチくらい長くなります。場合によっては、7センチ以上長くなることもあります。勃起時では、約1センチの伸長効果が期待できます。
脂肪吸引手術では、太ももの付け根を小さく切開し、吸引管を使って恥骨周囲の皮下脂肪を吸引することで、脂肪の中に埋もれていた陰茎を長く見せます。特に余分な皮下脂肪が付いた肥満の人に、有効な方法となっています。
亀頭増大手術では、高分子ヒアルロン酸を注射で亀頭全体の皮下、あるいは亀頭の一番広がり、くびれた部分であるカリ首(亀頭冠)の皮下に注入します。短小や先細りの人に、有効な方法となっています。亀頭を大きく、硬くすることにより、亀頭に包皮がかぶりにくくなるため、軽度の包茎を治すことができることもあります。
陰茎増大手術では、高分子ヒアルロン酸やコラーゲン、自己脂肪を注射で陰茎の皮下に注入することで、陰茎を太くします。通常時、勃起時ともに、太くなります。また、注入物により陰茎が重くなりますので、寒い時や緊張した時などに陰茎が縮こまりにくくなります。注入物の層が陰茎への刺激を和らげ、早漏の予防になることもあります。
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