2022/08/08

🇺🇸巨大乳頭結膜炎

上まぶたの裏側の眼瞼結膜に、ぶつぶつができる炎症

巨大乳頭結膜炎とは、上まぶたの裏側の眼瞼(がんけん)結膜に、乳頭と呼ばれるぶつぶつができる炎症。アレルギー性の疾患で、ソフトコンタクトレンズ装用者の増加に伴って急増しています。

主にソフトコンタクトレンズの装用者にみられますが、酸素透過性ハードコンタクトレンズの装用者、ドライアイの人にもみられます。

症状としては、目がかゆくなり、上まぶたの裏側に異物感を感じ、目やにが増えます。コンタクトレンズの装用感も悪化して、上にずれやすくなり、見えにくくなります。進行すると、上まぶたの裏側の眼瞼結膜に、大きな、こぶ状のぶつぶつである乳頭ができます。

巨大乳頭結膜炎の原因のほとんどは、コンタクトレンズに付着した汚れです。直径が13ミリと大きいソフトコンタクトレンズでは、レンズが眼瞼結膜と接触する物理的刺激も悪化の原因となります。

コンタクトレンズ、特にソフトコンタクトレンズの汚れは、煮沸消毒や、つけおき洗浄、連続装用を行っている場合に多くなります。煮沸消毒ではレンズに涙液成分である蛋白(たんぱく)質が付着しやすく、つけおき洗浄ではレンズの汚れが落ちにくく、連続装用では汚れが蓄積しやすいためです。

ソフトコンタクトレンズは元来、汚れやすく、従来はケアが煩雑なものでした。最近は簡単なレンズケア商品が数多く登場したため、装用者の混乱を招き、また使い捨てレンズに対する過信もあって、最も大切なレンズを外した後のクリーナーによるこすり洗いをしない人が多くなりました。その結果、もともとアレルギー体質の人が、従来型レンズはもちろん、2週間交換タイプを使っていても、レンズに付着した汚れが原因となってアレルギー性の巨大乳頭結膜炎を招いています。

巨大乳頭結膜炎の検査と診断と治療

気を付けたいのは、巨大乳頭結膜炎の症状が花粉やハウスダストによるアレルギー性結膜炎や、アレルギー性の結膜疾患で子供に多い春季カタルと似ているという点です。自己判断をせず、きちんと眼科医を受診して診断してもらうのが最善です。

巨大乳頭結膜炎の症状が出たら、コンタクトレンズの装用時間の短縮、つけおき洗浄からクリーナーによるこすり洗いへの変更、煮沸消毒からコールド消毒への変更、連続装用の中止などにより対処します。

また、従来型レンズ装用者は2週間交換レンズもしくは1日使い捨てレンズへの変更、2週間交換レンズ装用者は1日使い捨てレンズへの変更、1日使い捨てレンズ装用者はしばらくの装用中止で対処します。

これらで改善がみられない場合は、抗アレルギー薬の点眼が有効です。

0 件のコメント:

コメントを投稿

🟥COP30、合意文書採択し閉幕 脱化石燃料の工程表は見送り

 ブラジル北部ベレンで開かれた国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)は22日、温室効果ガス排出削減の加速を促す新たな対策などを盛り込んだ合意文書を採択し、閉幕した。争点となっていた「化石燃料からの脱却」の実現に向けたロードマップ(工程表)策定に関する直接的な記述...