上まぶたの裏側の眼瞼結膜に、ぶつぶつができる炎症
巨大乳頭結膜炎とは、上まぶたの裏側の眼瞼(がんけん)結膜に、乳頭と呼ばれるぶつぶつができる炎症。アレルギー性の疾患で、ソフトコンタクトレンズ装用者の増加に伴って急増しています。
主にソフトコンタクトレンズの装用者にみられますが、酸素透過性ハードコンタクトレンズの装用者、ドライアイの人にもみられます。
症状としては、目がかゆくなり、上まぶたの裏側に異物感を感じ、目やにが増えます。コンタクトレンズの装用感も悪化して、上にずれやすくなり、見えにくくなります。進行すると、上まぶたの裏側の眼瞼結膜に、大きな、こぶ状のぶつぶつである乳頭ができます。
巨大乳頭結膜炎の原因のほとんどは、コンタクトレンズに付着した汚れです。直径が13ミリと大きいソフトコンタクトレンズでは、レンズが眼瞼結膜と接触する物理的刺激も悪化の原因となります。
コンタクトレンズ、特にソフトコンタクトレンズの汚れは、煮沸消毒や、つけおき洗浄、連続装用を行っている場合に多くなります。煮沸消毒ではレンズに涙液成分である蛋白(たんぱく)質が付着しやすく、つけおき洗浄ではレンズの汚れが落ちにくく、連続装用では汚れが蓄積しやすいためです。
ソフトコンタクトレンズは元来、汚れやすく、従来はケアが煩雑なものでした。最近は簡単なレンズケア商品が数多く登場したため、装用者の混乱を招き、また使い捨てレンズに対する過信もあって、最も大切なレンズを外した後のクリーナーによるこすり洗いをしない人が多くなりました。その結果、もともとアレルギー体質の人が、従来型レンズはもちろん、2週間交換タイプを使っていても、レンズに付着した汚れが原因となってアレルギー性の巨大乳頭結膜炎を招いています。
巨大乳頭結膜炎の検査と診断と治療
気を付けたいのは、巨大乳頭結膜炎の症状が花粉やハウスダストによるアレルギー性結膜炎や、アレルギー性の結膜疾患で子供に多い春季カタルと似ているという点です。自己判断をせず、きちんと眼科医を受診して診断してもらうのが最善です。
巨大乳頭結膜炎の症状が出たら、コンタクトレンズの装用時間の短縮、つけおき洗浄からクリーナーによるこすり洗いへの変更、煮沸消毒からコールド消毒への変更、連続装用の中止などにより対処します。
また、従来型レンズ装用者は2週間交換レンズもしくは1日使い捨てレンズへの変更、2週間交換レンズ装用者は1日使い捨てレンズへの変更、1日使い捨てレンズ装用者はしばらくの装用中止で対処します。
これらで改善がみられない場合は、抗アレルギー薬の点眼が有効です。
0 件のコメント:
コメントを投稿