さまざまな原因により、唇の両端である口角部が切れたような状態になる炎症性疾患
口角炎とは、唇の両端である口角部が切れたような状態になる炎症性疾患。口角びらん、口角亀裂(きれつ)とも呼ばれ、俗にカラスの灸(きゅう)とも呼ばれます。
口角部の皮膚から粘膜にかけて赤くなり、次いで亀裂が生じて出血してただれ、潰瘍(かいよう)となります。そのうち、かさぶたで覆われます。普通は、左右の口角部に同時に生じることが多いようです。
大きく口を開けると痛みがあり、かさぶたがはがれて出血したりしますが、一般には2週間程度で治ります。
しかし、長期化して数カ月も治らないケースや、再発を繰り返すケースもあります。
直接的には、持続的な唾液による湿潤、連鎖球菌やブドウ球菌などの細菌の感染、真菌の一種であるカンジダ菌などの感染が原因となって、口角炎が起こります。
高熱の出る疾患、ビタミンB2やビタミンB6やニコチン酸などのビタミン欠乏、貧血や糖尿病などの重症の慢性疾患による衰弱など、全身的な疾患が誘因になることもあります。
また、胃腸などの消化器官の不調、体調の乱れ、ストレス、口腔内の不衛生が誘因になることもあります。
原因が複数あるため自分で見極めるのが危険なケースもあること、全身的な疾患が誘因となって長期化、再発化しているケースもあることから、症状がひどい場合は皮膚科、内科、歯科口腔(こうくう)外科などを受診することが勧められます。
口角炎の検査と診断と治療
皮膚科、内科、歯科口腔外科の医師による診断では、どの疾患がもとにあって発症したのかを調べます。病変部の皮膚を数ミリ切り取って調べる病理組織検査である皮膚生検は、もとの疾患が何かを知る上で有用です。
皮膚科、内科、歯科口腔外科の医師による治療では、もとの疾患があればそれを治すことが先決です。そうでないと、いったん治っても再発を繰り返します。
全身的にはビタミン剤や鉄剤の服用が有効であることが多いのですが、糖尿病によって抵抗力が低下している場合には、抗菌剤(抗生物質)や抗真菌剤の入った軟こうを口角に塗ったりもします。
細菌やカンジダ菌の感染が原因になっている場合も、抗菌剤や抗真菌剤の入った軟こうを口角に塗ります。
また、1週間くらいは大きく口を開けないように注意して生活することも必要です。心身の安静とバランスのとれた食事を心掛け、口唇と口腔内の清潔保持に努めることも必要です。
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