手の甲の部分に5本存在する中手骨の中央部に生じる骨折
中手骨(ちゅうしゅこつ)骨幹部骨折とは、手の甲の部分に5本存在する中手骨の中央部に生じる骨折。
手は人間が生活する上で最も使用する頻度の高い体の一部であり、けがをしやすい部位です。親指側の第1中手骨から小指側の第5中手骨まで、手の甲に5本存在する中手骨も、けがをしやすい部位で、骨折も日常でよく発生します。
中手骨の骨折は折れる部位によって、指の関節に近いほうから頸部(けいぶ)骨折、骨幹部骨折、基底部骨折に分類されていますが、このうち骨幹部骨折は物が手の甲に当たるなど、強い力が直接骨に加わったり、手をひねる力が加わったりして発生します。
強い力が直接骨に加わると横骨折、手をひねる力が加わると斜骨折を発生し、ともに手の甲が著しくはれ、痛みのために指を動かしにくくなります。
また、横骨折の場合は、指の骨にまたがる骨間筋の収縮作用によって、骨折部の背側がくの字に屈曲変形します。
斜骨折の場合は、骨折による骨のねじれが生じ、指を曲げた時に隣の指と重なる現象、すなわち指交差あるいは回旋変形が現れます。この変形は、指を真っすぐに伸ばした状態ではわかりにくいことが特徴です。骨が短くなる短縮変形もよく発生します。
中手骨骨幹部骨折の検査と診断と治療
整形外科、ないし手の外科の医師による診断では、症状から中手骨骨幹部骨折と判断し、X線(レントゲン)検査を行って確認します。
整形外科、ないし手の外科の医師による治療では、まずは、手で徒手整復して骨を元の位置に戻すことを試みます。
次に、ギプスや添え木(シーネ)による固定を行います、骨折を固定しつつ指を積極的に動かすギプス療法や、ガルベストン中手骨装具などによる装具療法を行うこともあります。
固定には4〜6週間程度を要しますが、期間は年齢、骨折の性質、部位、固定法によって異なり、変形、短縮した場合は再骨折が起きやすいため、より期間を要します。
ギプスなどでは治すことのできない骨折の場合は、手術でネジ(スクリュー)、プレート、鋼線などいろいろな金属固定材料を用いて骨折部を固定します。その後、ギプス固定などを施し、骨折が治癒した後に固定具のネジ、プレート、鋼線を除去します。
骨折による骨のねじれが生じている場合は、手術で骨切りを行って矯正することもあります。
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