世界保健機関(WHO)は9月14日、新型コロナウイルスの新規感染者の報告数が劇的に減少したと発表し、パンデミック(世界的流行)を収束させる機会が訪れているとして、各国に対策を続けるよう呼び掛けました。
WHOの最新データによると、11日までの1週間に報告された世界の新規感染者数は310万人で、前週から28%減少し、WHOがパンデミックを宣言した2020年3月以降で最少の水準に減少しました。だが、多くの国では検査体制が縮小されているため、実際の感染者数はこれよりも大幅に多いとみられています。
また、WHOによると、11日までの1週間で、新型コロナによる死者は世界で約1万900人が報告され、2020年3月以降で最も少なくなりました
WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は、「パンデミックを終わらせる上で、かつてない絶好の立場に我々はいる」と言明し、「まだ達していないが、終わりは視野に入っている」との見方を示しました。
その上で、この機会を逃すとさらなる変異型の発生や死者の増加などリスクが高まるとして、WHOは同日、各国政府に向け感染拡大防止策のガイドラインを公開。医療従事者や高齢者を含む最もリスクの高い人々のワクチン接種率100%を目指す取り組みや、ウイルスの検査と解析の継続などを勧告しました。
新型コロナウイルスは中国・武漢市で2020年1月に大規模な集団感染が確認され、その後世界中に広まりました。イギリスのオックスフォード大学の研究者らでつくる「アワー・ワールド・イン・データ」によると、これまでに世界で6億人以上が感染し、650万人以上が死亡しているとみられます。
現在世界で広がっている変異型「オミクロン型」は、従来型より感染力が高いものの毒性が低くなっているとの研究が相次いでいます。世界で7割近くの人が少なくとも1回ワクチン接種を受けたこともあり、重症者や死者数は減る傾向にあります。
2022年9月15日(木)
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