新型コロナウイルスのオミクロン型から派生した新系統が国内外で確認され始め、世界保健機関(WHO)が警戒を呼び掛けています。日本で現在主流の「BA・5」よりも感染力が強い可能性があり、東京都は新系統に対応した独自のPCR検査を10月28日より始めるなど対策を強化しています。
新系統は、海外で夏ごろに確認された「BQ・1」と「XBB」。BQ・1はBA・5の派生で、アメリカやヨーロッパなどで増えています。アメリカでは10月末時点で、BQ・1の系統が3割弱を占めました。
一方のXBBは、第6波で流行した「BA・2」由来の変異型2種の遺伝子が混ざったもので、アジアを中心に拡大中です。シンガポールでは10月中旬時点で、感染者の約5割がXBBと推定されています。
日本でも、検疫以外に東京都や宮城県、神奈川県などで検出され始めました。東京都内では10月下旬、XBBが初めて見付かり、11月4日までに計17件確認。BQ・1の系統も計92件確認しました。
北京大などの研究では、ワクチン接種などによって増えた「中和抗体」が、新系統のウイルスには効きにくくなっていると指摘。WHOは2日、「注意深く監視する必要がある」との見解を発表しました。
ただ、新系統がBA・5よりも重症化リスクが高いという報告は現時点ではありません。中山哲夫・北里大特任教授(臨床ウイルス学)は、「過度に恐れる必要はなく、オミクロン型対応ワクチンの接種を進めれば、第7波のような爆発的な増加は起きないのではないか」と指摘しています。
2022年11月4日(金)
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