開発中の新型コロナウイルスのワクチンについて、製薬大手の第一三共は最終段階の臨床試験(治験)の結果、3回目の接種用としては、ファイザーやモデルナのワクチンと同じ程度の有効性が確認できたと発表しました。追加接種用のワクチンとして、来年1月に厚生労働省に承認申請を行えるよう準備を進めるとしています。
第一三共は、独自の技術で国産の新型コロナウイルスのメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンを開発しています。
同社の発表によりますと、18歳以上の約5000人を対象に、3回目の接種を想定した最終段階の臨床試験を行ったところ、ファイザーやモデルナのmRNAワクチンを2回接種した後、第一三共が開発中のワクチンを接種した人では、接種から4週間の時点で、ウイルスの働きを抑える中和抗体が上昇した程度が、ファイザーやモデルナのワクチンを追加接種した人より高かったということです。
同社では、これまでのワクチンと同じ程度の有効性を確認でき、安全性も問題はなかったとしています。
厚生労働省は、新型コロナのmRNAワクチンを開発する際には、これまでに使われているものと同じ程度の有効性を確認することや、少なくとも3000人を対象に安全性を確認することなどを求めており、第一三共は今回の結果を踏まえて追加接種用として、来年1月に承認申請を行えるよう準備を進めているとしています。
今回の追加接種用ワクチンは、従来型ウイルスに効果があるように開発しています。国内で接種が始まった従来型と変異型「オミクロン型」の双方に対応した「2価ワクチン」も開発するため、第一三共は2023年度にも新たな治験を始める計画。追加接種用で承認を得た後、治験データを追加で提出します。
第一三共のmRNAワクチンは、コロナウイルスが人の細胞と結合する部分のみを標的に開発しており、有効性や安全性を高められるとしています。冷凍保存ではなく、セ氏2~8度の冷蔵温度帯で流通できるようにするといいます。
2022年11月15日(火)
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