新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの感染の有無を同時に調べられる抗原検査キットについて、厚生労働省の専門家部会は28日、インターネットや薬局を通じた販売の解禁を了承しました。
メーカーが承認申請して認められれば、年内にも一般販売が始まります。同時流行も懸念される中、検査目的の受診者を減らし、発熱外来の逼迫(ひっぱく)を避ける狙いがあります。
ただ、医療機関への供給が優先のため、流通量はかなり限られそうです。厚労省によると、キットの国内在庫は約3900万回分あるものの、いずれも医療機関への供給用で、製造メーカーに増産を要請しています。
厚労省はこの日、検体の正しい採取方法や判定方法などキットに添付する文書の例を示したガイドラインをまとめました。販売対象となるのは自分で鼻の穴の内部の鼻腔(びくう)の粘膜を採取するタイプで、説明書を見ながら使えば、5分から20分程度で結果がわかります。
ただし、抗原検査はPCR検査と比べて精度が低く、ウイルス量が少ない場合は感染していても陰性と判定される「偽陰性」のリスクもあるため、厚労省は今後、製造メーカーや販売業者、それに購入した人に向けたガイドラインを通知することにしています。
新型コロナウイルスとインフルエンザの感染を同時に検査できる抗原検査キットは、現在、10社の12製品が厚労省に製造や販売を承認されています。
このうち一般への販売が認められたのは、鼻腔から検体を採取することができるなどの条件を満たした、4社の5製品となります。
この4社のうち1社は一般への販売を行うとした上で、販売開始ができる時期や価格などは感染状況を考慮して検討するとしています。
残りの3社は、医療機関へ供給する在庫を確保するため、現時点では一般への販売は難しいとしています。
2022年11月29日(火)
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