新型コロナウイルス対策を厚生労働省に助言する専門家組織(アドバイザリーボード)は9日、直近1週間の新規感染者数が全都道府県で増加して前週比1・4倍となり、「第8波」の兆しがあると分析しました。流行型はオミクロン型の派生系統「BQ・1」に置き換わる可能性も示しました。
加藤勝信厚労相は会合で、病床使用率の上昇、重症者数の増加などの傾向に触れ、「いわゆる第8波につながる可能性もある」と述べました。
全国の新規感染者数は、直近1週間で1日平均6万3343人。今夏の「第7波」ピーク時の22万人超から10月中旬には約2万5000人に減っていたものの、9月下旬並みの水準に戻りました。ただし、増加ペースは「第7波」ほど急激ではありません。
感染状況は地域差が大きく、前週比でみると徳島県が1・69倍、宮城県が1・66倍、福井県が1・60倍など。東京都は1・51倍、大阪府は1・24倍でした。北海道の新規感染者数は8日に9136人、9日に9546人と2日連続で過去最多を記録しました。
内閣官房によると、8日時点の病床使用率は長野県48%、群馬県47%、茨城県44%、北海道40%など、6道県で40%に達しました。重症病床使用率は低い水準にとどまっています。
影響も出始め、総務省によると、救急患者の搬送先がすぐ決まらない「救急搬送困難事案」のうち、コロナ感染が疑われる事案は6日までの1週間に全国で823件あり、前週から48%増えました。
また、国立感染症研究所は不確実性が高いとしつつ、現在は「BA・5」が主流ですが、12月第1週には「BQ・1」(「BQ・1・1」も含む)が79%を占めると推定しました。「BQ・1」は「BA・5」から派生し、ワクチンや感染で得た免疫の一部が効きにくいとみられ、ヨーロッパやアメリカを中心に広がっています。
一方、専門家組織は、同時流行が懸念されている季節性インフルエンザは、まだ大規模な流行はみられないと分析しました。
2022年11月10日(木)
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