京都大医学部付属病院は28日、小腸と肝臓の働きが悪くなった10歳未満の患者に、脳死と判定された10歳代のドナー(提供者)から小腸と肝臓を同時に移植したと発表しました。脳死ドナーからの小腸と肝臓の同時移植、また2臓器が同じ患者に提供されるのは国内初といいます。手術は2022年8月に行われ、患者の経過は良好で、12月15日に退院しました。
日本臓器移植ネットワークによると、患者は西日本在住の女児で、ドナーは10歳以上15歳未満の男性。女児は生まれた時から腸の働きが悪く、手術を複数回受けたものの、次第に腸から栄養を取ることが難しくなり、肝機能も低下。2022年7月には、両臓器ともほぼ働かないほど悪化し、移植を急いでいました。
手術ではまず肝臓の一部を女児に移植した後で、小腸を移植し、16時間39分で無事終了。残った肝臓は別の患者に提供されました。
主治医の岡本竜弥病院講師は28日の記者会見で、「体格差の少ない未成年から臓器提供を受けたことで手術が成功した」と説明しています。
女児は元気に過ごしているといい、両親は「大好きな食事をおなかいっぱい食べられるようになり、笑顔が増えた。深い悲しみの中、臓器を提供してくださったドナーご家族には感謝の思いでいっぱい」とコメントしました。
日本臓器移植ネットワークによると、18歳未満の脳死ドナーからの臓器移植件数(2010年7月~2021年12月)は56件に上ります。
2022年12月28日(水)
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