武田薬品工業は8日、同社開発のデング熱ワクチン「キューデンガ」がヨーロッパ連合(EU)での使用承認を得たと発表しました。キューデンガは、デング熱が流行するインドネシアですでに承認を得ており、重症化を防ぐ効果が高いとされます。中南米などの流行国に加え、日本やアメリカでの承認取得も目指しています。
デング熱は蚊が媒介するウイルス感染症で、毎年3億9000万人が感染し、子供を中心に毎年2万人から2万5000人が死亡しているとされます。同社のワクチンは複数のデングウイルスに有効で、4歳以上を接種の対象とします。
ヨーロッパ医薬品庁(EMA)から肯定的な見解を得ていましたが、2万8000人以上を対象とした臨床試験を経て正式に承認を受けました。
2015年に世界で初めて承認されたフランスの製薬会社サノフィの「デングワクシア」に続くデング熱ワクチンとなります。
ただ、サノフィが2017年に「血清反応陰性」の子供で重症化リスクが高まることを公表した後、同社ワクチンの使用は大幅に縮小されました。
武田薬品工業のデングプログラム責任者のデレク・ウォレス氏はインタビューで、自社のワクチンは有効であるという十分な証拠があり、安全性の懸念となる証拠は何もないと述べました。
同社のワクチン事業の売上高は2023年3月期に約500億円の見通し。2024年3月期以降にキューデンガの本格的な収益貢献を見込んでいます。
2022年12月9日(金)
0 件のコメント:
コメントを投稿