健康保険組合加入者の中で、2021年度に1カ月の医療費が1000万円以上となった患者が延べ1517人と過去最多を更新しました。2011年から10年間で約8倍に増えました。高額医薬品が近年相次いで登場し、定着したことが背景にあります。2021年度は1億円以上も7人いました。健康保険組合連合会(健保連)がまとめました。
健保組合は約1400あり、大企業の社員や家族約2850万人が入っています。患者の自己負担は、毎月の負担額に上限を設ける高額療養費制度などを活用すれば数十万円までですみ、残りは加入先の健保組合が負担します。
健保連は、加入者の1カ月の医療費を診療報酬明細書(レセプト)を用いて分析。その結果、1000万円以上かかった人は延べ1517人で、うち162人が2000万円以上でした。
2021年度の最高額は1億6852万円。1億円以上の7人は、いずれも筋力が徐々に衰える脊髄性筋萎縮症の点滴薬「ゾルゲンスマ」を使いました。2020年に公的医療保険適用となり、投与は2歳未満の患者に1回限りで、薬価は1億6707万円とされました。
健保連は、「画期的な薬に医療費を使うことは必要だが、このまま高騰の一途をたどると、公的医療保険の維持は困難になる。制度見直しの議論を進める必要がある」としています。
2023年1月10日(火)
0 件のコメント:
コメントを投稿