脳死からの臓器提供は新型コロナウイルスの感染が広がった2020年以降は大きく減少していましたが、2022年は93件とコロナ前と同程度の件数になったことがわかりました。感染が拡大した時期にも、救急医療の現場で家族の意思確認を行えるようになってきているとみられます。
脳死からの臓器提供は、脳死になった人の家族の同意で可能になった2010年以降、おおむね増加傾向が続き、コロナ前の2019年には97件行われましたが、救急医療の現場がコロナ対応に追われたことなどが影響して、日本臓器移植ネットワークによりますと2020年は68件、2021は66件と3割ほど減少しました。
2022年は新型コロナの感染者数はこの3年間で最も多くなりましたが、臓器提供は1年間で93件とコロナ前と同程度の件数になりました。
第6波のさなかの2022年1月に11件、第7波の7月に12件、9月にも11件行われていて、感染が拡大した時期でも家族と面会して臓器提供の意思確認を行えるようになってきているとみられます。
国立循環器病研究センター病院などで臓器移植に携わってきた千里金蘭大学の福嶌教偉学長は、「臓器提供はご家族と医療者の信頼関係がないと進まない。コロナが広がる中でも病院での対策が変わり、面会する機会が増えたことが背景にあるのではないか」と話しています。
2023年1月5日(木)
0 件のコメント:
コメントを投稿