欧米を中心に流行し、国内でも感染が確認されている「サル痘」について、厚生労働省は国内での名称を「エムポックス」に変更する方針を決めました。
「エムポックス」、これまでの「サル痘」は、感染すると発熱や発疹などの症状が現れるウイルス性の感染症で、1958年にポリオワクチン製造のために世界各地から霊長類が集められたデンマークの実験施設で、サルに天然痘のような症状が出たことを切っ掛けに、その名前が付けられ、英語表記では「monkeypox」、日本語表記では「サル痘」の名称が使われてきました。
ただ、自然界では、サルではなくアフリカに生息する齧歯(げっし)類が宿主と考えられていることから、誤解を招く恐れがありました。
また、今回の流行で、インターネット上などで人種差別的な表現がみられたことなどから、世界保健機関(WHO)は、昨年11月、新たな名称として英語表記では「mpox」を使うことを推奨し、1年かけて名称を移行していくと発表しました。
これを受けて厚労省が17日に、国内での新たな名称について、専門家による部会で協議した結果、WHO推奨名のカタカナ表記で「エムポックス」とする方針を決めました。厚労省は「M痘」という案も示しましたが、天然痘のような全身に強い発疹が出るイメージを避けるべきだとの指摘が出ました。
今後、パブリックコメント(意見公募)を行った上で、政令改正など、必要な手続きを進めることにしています。
WHOによりますと、昨年1月から今年2月13日までに、欧米を中心に8万5000人余りが「エムポックス」に感染し、93人が死亡していますが、世界全体では、新たな感染者の発生はピーク時に比べ大幅に減っています。
一方、国内では、今年に入ってから感染が増加傾向で、2月17日までに、東京都などで20例が確認されていていますが、重症化した人はいないということです。
2023年2月17日(金)
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