東京都は性感染症の梅毒の感染者数が急増しているのを受け、3月に臨時検査を都内4カ所で実施します。いずれも事前予約の上、匿名、無料で検査を受けられます。検査結果は当日伝え、陽性の場合は医療機関を受診してもらいます。併せてSNS(交流サイト)や地下鉄などで予防啓発の広告を配信します。
3月3〜16日にかけて、新宿や錦糸町、立川、多摩センターで1日限定で検査を実施します。予約枠は各会場とも40人。東京都福祉保健局のサイトで17日から予約の受け付けを始めました。
東京都によると、2022年に都内で報告された梅毒感染者は3677人と2021年から5割も増え、1999年の調査開始以来、過去最多となりました。全体の6割を占める男性は20〜50歳代まで幅広い世代で感染がみられるのに対し、女性は20歳代が951人と突出して多くなっています。
東京都に限らず、全国でも梅毒が広がっています。昨年1年間の感染者は1万2966人(速報値)に上り、現在の統計方法となって以降過去最多を更新しました。
国内の梅毒感染者は戦後に20万人を超えたものの、抗菌薬の開発で1960年代以降は減少していました。だが、2013年以降は1000人を超えるようになりました。欧米でもここ10年で増加傾向を示しています。
梅毒は細菌「梅毒トレポネーマ」に感染して起こります。3週間ほどの潜伏期間を経て、性器や口に硬いしこりができるものの、自然に消えます。3カ月後には、手のひらや足、全身に赤い発疹などができます。
ただ、しこりや発疹には痛みやかゆみがなく、消えたり現れたりするため、気付かず放置することがあります。この間に感染した人の粘膜や皮膚と接触して広がります。性交やキスで感染し、母親がかかれば胎児にも感染します。放置すると数年後に、ゴムのようなこぶが頭や全身、骨などにできます。大動脈瘤(りゅう)ができるなどして死に至ることもあります。
2023年2月17日(金)
0 件のコメント:
コメントを投稿