2023/02/21

🟪致死率高い重症熱性血小板減少症候群、国内で拡大 ペットを通じた人への感染もリスク

 致死率が高い「ウイルス性出血熱」の一つ、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)が拡大しています。感染者数は昨年、一昨年と過去最多を更新しました。国内初確認から10年が経ち、ペットを通じた新たな感染ルートのリスクもわかってきました。

 SFTSは森林や草むらに潜むマダニが媒介し、人やネコ、イヌが感染します。国の研究班がまとめた「診療の手引き」によると、感染すると、嘔吐(おうと)、下血や発熱が起き、人の致死率は25~30%に達します。

 高齢者の発症が多く、今も対症療法以外の有効な治療はありません。2011年、中国で初めて見付かり、日本では2013年に山口県で初めて報告されました。

 患者数は増加傾向にあり、国立によると、過去最多の110人が感染した2021年に続き、2022年も118人と最多を更新しました。当初は西日本が中心だったものの、2021年には愛知県や静岡県で、2022年は富山県で初めての感染者が出るなど「東進」が続きます。

 さらに、懸念が高まっているのが新たな感染ルート。マダニにかまれたペットのネコやイヌを通じて、飼い主や獣医師らに感染することがわかってきました。感染症研究所によると、獣医療関係者だけで2018年以降計10人が感染し、2022年にも2人が感染しました。

 岡林環樹・宮崎大学教授は、「SFTSはマダニが主な感染経路とされてきたが、本当にそうだと言い切れるのか。実は思っている以上に、ペットから私たちに感染している可能性があるのでは」と指摘しています。

 日本医療研究開発機構(AMED)の研究班によると、2017年から今年3月までに西日本を中心にネコ449匹、イヌ24匹の感染も確認されています。

 2023年2月21日(火)

0 件のコメント:

コメントを投稿

🟥T細胞を作り出す「胸腺」細胞、人のiPS細胞から作製成功 免疫不全患者らの治療法開発に期待、京都大

 京都大学の研究チームは、人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から、免疫に関して重要な役割を果たす「胸腺」の細胞を作ることに成功したと発表した。  将来的には重い免疫不全などの治療につながる可能性があるとして、さらに研究を進めるということである。  この研究は、京都大学iPS細胞...