2023/02/11

🟪第一三共、mRNA活用でインフルエンザワクチンを開発へ

 第一三共は9日、「メッセンジャーRNA(mRNA)」を使ったインフルエンザワクチンを開発すると発表しました。新型コロナウイルスワクチンの開発で獲得したmRNA技術を活用します。既存のものより、ワクチン生産の効率が上がることが見込まれます。

 また、第一三共は9日、この開発中のインフルエンザmRNAワクチンについて、日本医療研究開発機構(AMED)が実施する2022年度「ワクチン・新規モダリティ研究開発事業(一般公募)」の「重点感染症に対する感染症ワクチンの開発」に採択されたと発表しました。今後は、AMEDからの支援を得てパンデミックに備えたインフルエンザワクチンの実用化を推進します。

 第一三共はインフルエンザワクチンの開発スケジュールは明らかにしていないものの、国内で臨床試験(治験)を実施して実用化を目指します。1月に国産初のmRNAを使った新型コロナワクチンを承認申請しており、mRNAの開発や生産技術を確立してきました。新型コロナ以外への活用を模索する中、これまで手掛けてきたインフルエンザワクチンで開発することを決めました。

 第一三共の既存のインフルエンザワクチンは鶏卵を使う方法で、原材料の調達や生産に時間がかかっていました。同社によると、「mRNAを使うことで生産効率が高まることが期待できる」といいます。新型コロナ用と同じく子会社の第一三共バイオテック(埼玉県北本市)の工場で生産する予定で、既存のインフルエンザワクチンの生産も継続します。

 mRNAを使ったインフルエンザワクチンでは、アメリカの製薬会社が先行して開発を進めており、モデルナやファイザーがインフルと新型コロナを組み合わせた混合ワクチンなどを開発しています。

 第一三共はインフルのみに対応したワクチンを先に開発する方針で、混合ワクチンについては「あらゆる可能性を検討する」としています。

 2023年2月11日(土)

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