塩野義製薬は31日、新型コロナウイルス感染症の治療薬「ゾコーバ」について、通常の医薬品と同じ流通経路に乗せる一般流通を同日から開始したことを明らかにした。一般流通が始まると、幅広い医療機関や薬局に流通し、患者にとって治療薬の選択肢が広がります。
ゾコーバは昨年11月に国が緊急承認しました。当初は、供給量が限られていたため、全量を国が買い上げて指定された医療機関や薬局に配分していました。ゾコーバの薬価は1回の治療(5日分)当たり約5万1850円で、当面は患者の自己負担はありません。
ゾコーバは軽症や中等症の患者向けの飲み薬で、1日目に3錠、2~5日目に1錠ずつ服用します。体内のウイルス量を減らし、発熱やせきなどの症状を改善させる効果があります。これまでは自治体が指定した一部の医療機関でのみ処方されていました。今後は医師の判断ですべての医療機関で処方ができるようになります。
新型コロナウイルス感染症は感染症法上の位置付けが5月8日から、季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行します。検査料など一部の費用は自己負担となるものの、コロナ治療薬の費用は9月末まで公費で賄います。
厚生労働省によると、ゾコーバは国が200万人分を買い上げ、3月22日時点で約3万8100人に投与されています。国購入分で使われなかったぶんは、安定供給が難しくなった時のために国が備蓄します。
2023年3月31日(金)
0 件のコメント:
コメントを投稿