熊本市の慈恵病院は16日、北日本在住の成人女性が今年1月、病院以外に身元を明かさず出産する「内密出産」をしたと公表しました。2022年2月の初事例公表以来、9例目。女性は「自分で子供を育てられない」としていたものの、出産後に翻意し、児童相談所にも身元を明かしたといいます。
慈恵病院によると、女性は昨年11月、病院に電話で「家族に知られたくない」と相談。その後、病院に滞在し、今年1月に初めての帝王切開で出産し、母子ともに健康といいます。子供は病院を離れ、熊本市児童相談所が保護しています。
帝王切開手術の場合、通常は家族の同意を得るものの、今回は家族に知られたくない女性の意向を踏まえ、両親の名前と連絡先を聞いた上で行いました。
蓮田健院長は昨年6月に発表した私案「秘密出産実施のための指針」で、麻酔や帝王切開などを行う際の免責に言及しましたが、昨年9月に国が策定した指針では触れていませんでした。「(母子の安全のため)帝王切開も大事な選択肢。社会で議論が必要だ」としました。
家族の同意なしでの帝王切開は当初から悩ましい問題だったものの、蓮田院長は「私の中では母子が無事に出産することのほうが優先。帝王切開も大事な選択として残しておかないといけない」として実施したといいます。
2023年3月17日(金)
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