国立がん研究センターは2種類の「がん免疫治療薬」を使った肺がんの臨床試験で、薬の副作用によるとみられる死者が11人確認され、試験を中止したと発表しました。
国立がん研究センターなどの研究チームは2021年4月から、全国50を超える施設で非小細胞肺がんの患者を対象に、「オプジーボ」と「ヤーボイ」の2種類のがん免疫治療薬を組み合わせた治療法の臨床試験を行っていました。
国立がん研究センターは28日、この臨床試験の中で薬の副作用によるとみられる死者が11人確認され、事前に想定した死亡率を上回ったため、3月30日付けで試験を中止したと発表しました。
死者は50歳代から70歳代の男女で、死因は「肺臓炎」や、過剰な免疫の反応による「サイトカイン放出症候群」などが多かったということです。
国立がん研究センターは死者が多く出た原因について、「現時点で原因はわかっていない」とした上で、今回の臨床試験の中では「ヤーボイの影響が強い可能性が考えられる」とと分析しつつ、患者には自己判断で治療を中止せず、主治医と相談するよう求めています。
臨床試験の対象は治療をしていない進行・再発非小細胞肺がん患者で、化学療法に加え、別のがん免疫治療薬「キイトルーダ」を使った場合と、化学療法にオプジーボとヤーボイを併用した場合のどちらが優れているかを調べていました。
だが、併用療法のグループで9人が死亡。2022年10月に再開したものの、さらに2人死亡しました。事前に想定した死亡率5%を上回って約7・4%になり、中止を決めました。
2023年4月28日(金)
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