昨年から欧米を中心に世界保健機関(WHO)への報告が相次いでいる原因不明の小児肝炎について、国内で初の死者が1人確認されたことがわかりました。厚生労働省は死亡時期や年齢などは明らかにしていません。
厚労省の資料によると、国内では3月17日時点で162人が確認され、3人が肝移植に至りました。同省は16歳以下で原因不明の肝炎の症例が確認された際に、医療機関に対し、保健所を通じて報告を求めています。国内で死者が明らかになったのは初めてですが、死者数については、「個人情報に当たる」(結核感染症課)として公表しておらず、今後も公表しない方針といいます。
原因不明の小児肝炎を巡っては、2022年4月5日、イギリスのスコットランド中部で10歳未満の子供10人が、原因不明の急性肝炎になったとWHOに連絡が入りました。
その10人のうち1人は1月に発症し、9人は3月に発症しました。イギリス全体で調べたところ、2022年7月8日の時点で2021年10月から計272人の症例が確認され、そのうち12人が肝移植を受けていたことがわかりました。
その後、スペインやイタリアなどのヨーロッパやアメリカ、日本など世界35カ国から2022年7月8日までに可能性例を含む1010人の報告がありました。このうち肝移植に至るほど重くなったのは46人、亡くなったのは22人に上ります。
ただ、アメリカ疾病対策センターの担当者は、「予備的な分析では、新型コロナの流行前も含め、小児の肝炎や肝移植が大幅に増加しているわけではない」と指摘している。
原因不明の小児肝炎は、A~E型と5種類あるウイルス性肝炎には該当せず、まだ原因はわかっていません。
2023年4月3日(月)
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