2023/04/20

🟩遊戯施設のトランポリン器具で事故相次ぐ 専任監視員の常駐5割未満

 遊戯施設などに設置されたトランポリン器具での事故が相次いでいるとして、消費者庁の安全調査委員会(消費者事故調)は20日、再発防止策などを盛り込んだ報告書を公表しました。アンケート調査では専任の監視員が常駐している施設は5割を下回りました。事故調は施設に対して、監視員の常駐や宙返りなど危険な行為の禁止といった安全対策の徹底を求めました。

 事故調によると、レクリエーションを主な目的としてトランポリン器具のある施設は全国に約170カ所あるとみられます。体を動かして跳躍を体験できる一方、安全な遊び方を正しく理解していないと落下や転倒など重大な事故につながる恐れがあります。

 消費者庁などによると、遊戯施設などでのトランポリン遊びで発生したとみられる事故は2017年1月〜2023年4月の6年超で43件あり、内訳は「骨折」が15件と最も多く、次いで「神経や脊髄の損傷」、「脱臼や捻挫」が6件などとなっています。2020年3月には大阪府内の遊戯施設で、トランポリン器具の外に落下して左肘を骨折する事故が起きました。

 今回の調査では2022年2〜3月に170施設を対象にアンケートを実施し、73施設から回答がありました。専任の監視員の配置の有無を答えた41施設のうち、「常時配置している」としたのは46・3%と5割にも満ちませんでした。

 報告書は、遊戯施設を管轄する経済産業省に対する意見も盛り込みました。国内にはトランポリン器具の安全対策に関する明確な法規制や安全指針はありません。中長期的な対策として「器具の周囲にクッションを敷き詰める溝を設け、遊戯用では深さを1・6メートル以上にする」などの国際規格に準拠した基準づくりを進めるよう、同省が施設側やメーカーに促すことなどを求めました。

 消費者庁の安全調査委員会の中川丈久委員長は、「トランポリンは安全そうにみえるが、遊戯自体にリスクがあるという認識を持つ必要がある。監視員などが常時いて危険性をしっかり教えてくれる施設で遊ぶことが身を守ることにつながる」と話しています。

 遊戯施設の安全対策に詳しい長岡技術科学大の木村哲也教授は、「現状はトランポリン施設側のリスク認識は甘い。安全対策を怠って事故が起これば、長期的には施設の存続にかかわる」と指摘した上で、「まずは早急なルール作りを業界が進めていくべきだ」と話しています。

 2023年4月20日(木)

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