光ファイバーを使って内視鏡を注射針よりも細くする技術の開発に慶応大学などのグループが成功しました。実用化されれば、ひざの関節などの内視鏡検査で患者の負担を減らせると期待されています。
開発を行ったのは慶応大学の小池康博教授と、医学部の中村雅也教授、それに医療機器メーカーの「エア・ウォーター」などで作るグループです。
グループは、特殊な光ファイバーに光を通すとレンズと同じように屈折することに注目し、レンズの代わりに光ファイバーを取り付けた内視鏡を開発しました。
開発した内視鏡は長さ3〜9センチメートルで、太さが1・25ミリほどと非常に細いため、点滴などで使う注射針の中を通すことができ、解像度の高い映像を撮影できるということです。
グループによりますと、これまでひざの関節などの内視鏡検査は全身麻酔での手術が必要でしたが、開発した内視鏡はごく小さな穴から挿入できるため、検査する部位を傷付けにくく、検査後に穴を縫う必要もなく、局所麻酔のみで日帰りで検査できるようになるといいます。
また、光ファイバーは、プラスチック製でコストが安く、使い捨てできるため安全性も高いということで、グループでは、2024年の実用化を目指しています。
中村教授は、「細い上に画質がよいので、血管や神経など今まで見えなかった部分が見えるようになる。関節だけでなく目や鼻など別の部位での活用も検討していきたい」と話していました。
2023年4月25日(火)
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