国内で新型コロナウイルスに感染した20歳未満の子供のうち、発症から1カ月以上たっても続く後遺症がある割合は3・9%だったとの調査結果を、日本小児科学会の研究チームが1日までにまとめました。症状は発熱やせき、嗅覚障害、倦怠(けんたい)感などが目立ち、入院したり、学校や保育園などを休んだりしたケースもありました。子供の後遺症に関して国内でまとまった数のデータが判明するのは初めて。
大人に比べると少ないものの、子供も一定の割合で後遺症に悩んでいる実態が判明。コロナの法的な取り扱いは8日に5類に引き下げられる一方で、後遺症の治療、相談体制の整備は今後も課題となります。
研究にかかわった聖マリアンナ医大の勝田友博准教授(小児感染症学)は、「半年後までによくなることが多いが、気になる症状があれば気軽にかかりつけ医に相談してほしい」と呼び掛けています。
2020年2月から2023年の4月11日までに、日本小児科学会のデータベースに小児科医らから任意で寄せられた感染者4606人の情報を分析しました。症状が明らかに他の病気の影響と考えられるケースは除外しました。
1カ月後も症状が残っていたのは181人で、30%に発熱やせき、18%に嗅覚障害、17%に倦怠感、15%に味覚障害がありました。嗅覚や味覚の障害は、オミクロン型が広がった2022年以降は発症する割合が減りました。
他に腹痛や頭痛、下痢、嘔吐(おうと)なども報告され、数は少ないものの筋肉痛、意識の障害や胸の痛み、うつ状態の症例もありました。
2023年5月2日(火)
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