厚生労働省は23日、全国に約5000ある定点医療機関に12日~18日に報告された新型コロナウイルス新規感染者数は計2万7614人で、1定点医療機関当たり5・60人(速報値)だったと発表しました。前週(5・11人)の約1・10倍となり、32府県で前週より増えました。前週から増加が続くのは11週連続となり、4月上旬からの緩やかな増加傾向が続いています。
最多は沖縄県の28・74人で、前週比1・56倍。鹿児島県9・60人、千葉県7・57人、愛知県7・22人、埼玉県7・02人と続きます。少ないのは秋田県2・81人、島根県2・95人、青森県3・18人など。東京都5・85人、大阪府4・55人、福岡県5・92人でした。
12日~18日の全国の新規入院患者数は4417人で、前週(4484人)より減りました。集中治療室に入院している全国の重症患者数は7日間平均で前週と同じ79人でした。
また、国立感染症研究所は5月15日から28日までに、全国19自治体で過去5年と比べ死者数がどれほど増えたかをみる「超過死亡」数を公表。いずれの自治体でも超過死亡は認められませんでした。
5類移行後は毎日の死者数が公表されなくなったことから、迅速な動向把握や対策のために一部自治体の超過死亡数を分析し、1カ月以内に公表しています。
厚労省は全国の流行状況について、「全国的に緩やかな増加傾向が続いているほか、5類移行の前後で単純に比較はできないものの沖縄県では今年1月の第8波のピークに近い水準になっているため引き続き注視したい」としています。
沖縄県内では新型コロナの感染が急速に拡大しており、12日~18日の患者数は前週と比べて1・56倍に増えました。患者の搬送先を探すのに約1時間かかるケースも発生しています。
県によりますと、18日までの1週間に県内54の医療機関から報告された新型コロナの患者数は1552人、1医療機関当たりの平均患者は28・74人で、前週から1・56倍に増えました。推計される患者総数は7280人で、全国最悪の水準の感染状況が続いているとみられます。
県全体の入院者数は18日現在で507人で、重症は9人、新型コロナ専用病床の使用率は県全体で57・8%です。
県内の医療機関では医療提供体制がひっ迫し始め、27の重点医療機関では7カ所で救急診療、3カ所で一般診療を制限しているということです。
また先週、県内では救急車を呼んだ患者の搬送先を探すのに55分かかるケースや病院への照会が10回行われたケースなど、搬送が困難な事例が複数発生しているということです。
県保健医療部の糸数公・部長は、「感染を防ぐための行動を取ってもらえるよう期待したいが、それがない場合は患者数の増加傾向が続く可能性がある。軽症の場合は救急の時間帯の受診は控えてほしい」と呼び掛けています。
2023年6月23日(金)
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