新型コロナウイルス感染症の増加傾向が続いています。厚生労働省の6月30日の発表によると、同25日までの1週間の全国の感染状況は1医療機関当たり6・13人で、前週の1・09倍。沖縄県が「(今年初めの)第8波のピークを超える状況」(厚労省)となっているほか、鹿児島県で新型コロナと季節性インフルエンザの同時流行の拡大が顕著となっています。
厚労省によりますと、25日までの1週間に全国約5000の定点医療機関から報告された新型コロナの患者数は前の週から2641人増えて、3万255人となりました。
1医療機関当たりの患者数は、沖縄県が最多の39・48人(前週比1・37倍)、続く鹿児島県が11・71人(同1・22倍)で、前週比で増加したのは39都府県に上りました。
沖縄県では医療逼迫(ひっぱく)が顕著で、感染症に詳しい国際医療福祉大の松本哲哉教授は「『5類』移行後、全国的に感染対策は緩み、医療機関の病床の受け皿は縮小している。程度の差はあれ沖縄以外の地域でも医療逼迫が起きる可能性は十分にある」と警鐘を鳴らしています。
厚労省の発表によると、季節性インフルエンザは全国で減少傾向ですが、鹿児島県で1医療機関当たり18・09人(前週比1・71倍)と突出した伸びとなっています。
松本教授は新型コロナや季節性インフルエンザに加えて、小児の間で全国的にRSウイルスやヘルパンギーナなどの感染症も同時流行していると指摘。小児は大人に比べて入院病床も少ないとして「いよいよという状況になれば、国や自治体がしっかりと『アラート(警報)』を出して、保護者の注意を促すことも必要ではないか」と語りました。
2023年6月30日(金)
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